【コドモエホン】トラのひみつ
おとうさんライオンが ブタをおいかけている
こどもたちに ブタをたべさせるために
いっしょうけんめい おいかけている
おいかけているうちに
ライオンのなわばりから でてしまった
しかたがない こども たちのためだ
ブタをつかまえた
そうおもったしゅんかん
なにかが ライオンにおそいかかった
トラが ライオンにおそいかかった
「ここはわたしのなわばりだ」
トラにおそわれたライオンは
しんでしまった
トラは ブタをつかまえた
いつものように
ブタをひとりでたべていた
「え~ん え~ん」
どこかで なきご えがきこえる
トラは なきごえがするほうへ いった
トラは なわばりをでた
2とうのこどもライオンがないていた
「おとうさんがかえってこないよ
はやくかえってきて おとうさん」
おかあさんライオンは
こどもライオンをなぐさめていた
「だいじょうぶよ
おとうさんは ひゃくじゅうのおう
かならずもどってくるわ」
つぎのひも またつぎの ひも
こどもライオンのなくこえがきこえた
しばらくして
こどもライオンのなきごえが きこえなくなった
トラはなわばりをでて ライオンたちをみにいった
おかなをすかせたライオンたちは ぐったり していた
トラはなわばりにもどり
ブタをおいかけまわした
つかまえたブタのにくを くちにくわえて
ライオンたちのところへいった
ライオンたちはトラがこわくて ふるえた
トラはくわえていたブタのにくを
ライオンたちのまえにおいた
そして
なにもいわずに なわばりにもどっていった
つぎのひも そのまたつぎのひも
トラはライオンたちに ブタのにくをあげた
ぐったりしていたライオンたちは
げんきになった
いつのまにか
トラとライオンたちは なかよしになった
トラはライオンのこどもたちに
ブタをとるほうほうを おしえた
だけどひとつだけ ちゅういをした
「あのもりに はいってはいけない
あそこはトラのなわばりだから」
あるひ こどもライオンたちは
ブタをつかまえようと
いっしょうけんめい おいかけた
にげるブタは もりにはいっていった
トラが「はいってはいけない」
といっていたもり
こどもライオンたちは
もりにはいっていった
もりのなかはまっくらやみ
ブタをみうしなってしまった
「はぁ・・・ざんねん」
ブタをあきらめて かえろうとしたとき
こどもライオンのあしに なにかがあたった
「ライオンのほねだ!」
おどろいたこどもライオンたちは
おかあさんライオンに ぜんぶはなした
おかあさんライオンは だまってきいていた
そこへ トラがブタのにくをくわえてやってきた
「どうして あのもりに ライオンのほねが あるの?
あのほねは ぼくたちのおとうさんのほね?」
「だまっていて すまなかった
きみたちのおとうさんは
トラのなわばりにはいった
そこで ブタをとろうとしていた
だから わたしはライオンをやっつけた」
トラは ブタのにくを
ライオンたちのまえにおいた
「わたしがきみたちにわたす さいごのにくだ
つぎからはじぶんたちのちからで
ブタをとりなさい
とりかたはおしえたはずだ」
トラはもりへかえって いく
トラのすがたが
どんどんちいさくなる
こどもライオンたちは
おかあさんライオンをみた
おかあさんライオンは うなずいた
こどもライオンたちは トラをおいかけた
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