#8.おんぶからの「景色」
幼稚園がえり。いつもは14時に降園だが、今日は私の仕事の都合で、16時半お迎え。
朝9時半から、かれこれ7時間。遊び込んだり、集団の中で感情を起伏させながら過ごしたりで、さすがにお疲れだったようで、いつもはズンズン自ら歩く帰り道も…
「おんぶして」の一言。
まぁ、今日は一日しっかり頑張ったし、「小さい子の要求は、なるべく満たしてあげなさい」
との、児童精神科医・佐々木正美氏の教えを守るべく…坂道を手でおんぶ。丘のてっぺんにたどり着いたら、次は尾根を。
そうしたら
「いいけしきだね」
と息子が肩越しに、囁いてきた。
けしき、けし…き…、景色!!!
「えぇ、そんな綺麗な言葉知ってる?!すごいねー!!!」と語りかけたら、急に「はずかしい…」と漏らし、顔を私の首にスリスリしてきた。
ゴロニャン。かわいい。
ともあれ、彼は赤ちゃんの頃の体感を、久しぶりに思い出し、懐かしんでいたのかもしれない。我が家は、1歳半までベビーカーをいっさい使わず、ずっとおんぶ、もしくは前だっこ。抱っこ紐のエルゴではなく、「もっこ」を使ってた。
高い位置でおんぶできて、母親の日常の視線を生追体験できて、ずいぶん刺激になったと思う。脳科学的にもいいらしい。あの頃は、肩が瓦解しそうに、日々重くなっていく赤子の子守りを「五木の子守唄」よろしく、永遠やっていくのかと、重圧をも感じていたけれども…過ぎて仕舞えば、おおよそ2歳までですね。おんぶ生活も。あとは自分で歩いてくれるし、眠ってしまったらベビーカーに(さすがに13kg超えてくると、おんぶでは荷重オーバー)。
「電動自転車×折畳ベビーカー(前カゴに積む)」のハイブリッドは、都市部では最強の交通手段だと、私は思う。
さてさて、明日はどんな高さ、肌感、趣きで、一緒に景色を見渡そうかな。