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出産後、夫のオキシトシンは高まるのか

妊娠39週頃、子宮内のオキシトシン受容体が活性化のピークを迎え、胎児は外の世界へ押しだされます。我が子もいよいよ来週には誕生します。
妻のお腹が張り、内側から赤ちゃんが足や背中を押し付けてくるのを感じるとすごくワクワクします!

1. オキシトシンは親子の信頼・絆を強める

オキシトシンは出産や母乳を促す生理的な作用を持ちますが、子供への信頼・絆を強め、子育て行動を促進させる働きもあります。オキシトシン分泌のピークである出産時は、母から子への強い愛情も形成するようです。

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ただし、授乳時もオキシトシン分泌はされますし、子育てに対する認知/行動、環境要因からのフィードバック、その他のホルモンの影響など、愛情形成は出産時やオキシトシンの量だけで決まるわけではないと思います。

2. 夫のオキシトシンはいつ高まるのか

さて、気になるのは僕たち父親についてです。残念ながら妊娠〜出産〜乳児の子育て期における夫のオキシトシンの増減を示した文献は見つけられませんでした。が、個人的には妻のお腹の大きさに比例してオキシトシンがドバドバ出ていると錯覚しています(笑

脳科学者である池谷裕二さんの書籍『パパは脳研究者 ~子どもを育てる脳科学~』によると、子育てを通して男性も女性とほぼ同じレベルにまでオキシトシン濃度は高くなるそうですので、愛情は測れるものではないですが、脳機能的に母親と同じレベルになれることはなんだか嬉しいですね。

3. オキシトシンの作用、分泌メカニズムについて

オキシトシンは「肌の触れ合い」「心地よい音」「温かい空気」など、五官で快適な刺激を受けることで脳下垂体の後葉から分泌が促されます。
オキシトシンの作用は多く、脳に働きかける中枢神経系の伝達物質としての作用と内分泌系のホルモンとしての作用に大きくは別れます。

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子育て本でよく見るタッチケアを思い浮かべましたが、声掛けと肌の触れ合いがセットなのでオキシトシンも出るし、親子ともに愛情形成を強めるのに最適なんだなと思いました。補足ですが、オキシトシンについては産業医科大学医学部 上田先生のお話が理解しやすかったのでご参考ください。

4. 子育て意識が高まる夫とは

つがいを形成する動物では妊娠期間を通して男性ホルモンであるテストスロンが雄で低下するそうです。また、雄が子育てをしないラットでの実験では、テストステロンの分泌を阻害すると雄が子育て行動をとるため、テストステロンの低下は雄の子育て行動のスイッチと考えられます。

人の場合、妻が妊娠していても夫のテストステロンが低下するという一貫したデータはないそうです。複雑な社会性が影響しているのかもですね。

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それから、妊娠した雌のマウスとつがいの雄を一緒に入れておくと雌のフェロモンの影響で雄のテストステロンが下がる・・・推察ですが、家で夫婦一緒にいるほど夫のテストステロンも下がって子育てへの関心も高まる。コロナ状況下で在宅ワーク時間が増せば、子育て意識の高い夫ができやすいかもしれません (^ . ^)

5.Thank you

冒頭で書きましたがいよいよ出産です。
もうすぐ39週、長かった39週、Thank you my wife !
生活や行動に制限のあった妻には本当に感謝しています。

生まれてからが大変。ですが、ひとまずはお疲れさまということで、何かプレゼントしたいなと思っています。

しかししかじか、コロナ状況下で病棟には親族も入れない、退院するまで妻にも赤ちゃんにも会えないのは非常に残念です。テレビ電話越しに父の声が届けばいいなぁ、いや、やっぱり会いたいなぁと思うばかりです。

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