見出し画像

【代表理事の独り言】物理的に満たされるのか、心が満たされるのか

 先日、80歳近くの方と100歳近くの共通の知り合いについて話していて、
「100歳近くなのに元気ですよねぇ。」
と私が問いかけると
「あの人は、小さい頃戦後で餓死をしそうな経験をしていたから生きる力が強いのかもね。」
と教えてくれた。

 戦後に餓死しそうな経験が、その人の生きる力に繋がっているかは、本当のところは分からない。でも、戦後に餓死しそうな経験をした人が今の世の中を生きるのと、若者が今の世の中を生きるのでは「今」の見え方が全く違いそうだ。

 前者の人達にとっては、物理的にはとても豊かな社会になったように見えるのではないだろうか。一方で後者の人達にとっては、物理的に物があふれている事が当たり前な社会に見えるのではないだろうか。

 以前、ぽかぽかファミリーでお祭りに参加した際に以下の記事を書いた。

 この時、私達の出したブースは、「無料で子ども達が居られる場所」、隣のブースは「無料で子ども達がお菓子やおもちゃを貰える場所」であった。

 隣のブースは、はじめは子ども達や親子はわーっと集まるが、その後もわーっといなくなる。私達のブースは、じわじわ集まるが、その後なかなか帰らない。

 終わる時間になって終わるよ~と声を掛けると。
「また明日くればいっか!」
と子どもがボソッと話していた。同じ対象に、同じ場所で、無料で、何かするとしても、何をするかで子ども達の姿や、子ども自身が何を感じるかは変わってくる様子が垣間見える。

 勿論、今の世の中にも食べ物が簡単に手に入らない方々もいらっしゃるのも事実だし、そのような子ども達や家族にはまず物理的なサポートが大切になるとは思う。

 でも、今の子ども達や親子が子育てにとっての豊かさを考えていくときに、どのように豊かさを考えていくかはとても大切な気がしている今日この頃でした。

いいなと思ったら応援しよう!