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ごろごろにゃーん が好き


ごろごろにゃーん 長 新太 作・画   《こどものとも》傑作集   福音館書店


私的にも公的にも色々ありすぎた春でした。
そのリハビリが終わりかけた頃に、また衝撃なことが起きましたが
気にしないで生きていく事にします。
なんのこっちゃ。(笑)

さて、ある方の思い出深い絵本を紹介。

いつもお世話になっているカフェがあります。
長らく、子育て支援の会合だったり密談?だったり
打ち上げだったり、勉強会の場でお世話になりました。

そこのママがある日、
「思い出の一冊なの、今は手元にないからどうしても見たい!」
とせがまれた絵本がコチラ 
長さんの『ごろごろにゃーん』
子どもの頃から大好きとのこと。

しばらく貸していたら、次に会った時には
「大発見したの!!! 読みながら説明する!!」
と意気込んでいたので、ゆっくりそのために行きました。
(あ、娘にモモパフェ食べさせる目的もあったけど♪

今日はそんなある日の出来事を綴ります。

とにかくこの本がどの絵本よりも思い出に残っているというMちゃん。
永遠の少女みたいな、でも芯のしっかりとした女性です。
(そういや、もうひとりいる永遠の少女も、芯がめちゃくちゃしっかりしてる)

彼女の発見は、色が三色しか使われていない!!!
ただ魚が飛行機のように飛んでいくかと思いきや、
ちゃんと苦難を乗り越えている!!!
細かい描写の描き込まれ方が凝っててすごい!!!
と興奮しています。

絵本を捲りながら、子どもの時に気付いていたこと、今気づいたことを
息をするのも忘れるぐらい(忘れてません)話してくれています。

くじらに襲われそうなときも、大雨のときも黒が際立ち、犬がでてくるシーンでも猫の表情の深いこと。

大人になって気づいたことの一つで一番大きかったのは
犬にしっぽ喰いつかれていたことを気づいてなかったこと!
そして、その犬が落ちた時に、タイミングよくでかい鳥の背中に
落ちてること!誰も不幸になっていない!!!


魚を食べている時のエロ目が見えないような最後の猫まで描かれている凄さや、もうとにかく、ただのにゃーんにゃーん言っている本じゃない!!!

とMちゃんはこの本が自分にとって、何よりも思い出深い本になっていることの理由を発見したかのように、嬉しそうに語っていました。

それを一緒に見ていた中学生の娘は
「読んでもらったけど、そこまでの思い入れはわたしにはないかな」と呟くとすかさず「わたしのような大人にならないと思うよ」とにんまりされてました(笑)

複雑な顔をして笑ってましたが、そんな娘は
『もこ もこもこ』(元永定正 谷川俊太郎 文研出版』
『ねないこだれだ』(せなけいこ 福音館書店』
だいっすきでした。

講座でも、文庫でもたまにこういうナンセンス絵本ってなんの意味があるんですか?と聞かれることがあります。

いやいや、こういうあるとは思わない(でもあるかもしれない?)不思議な絵本やお話のナンセンスは感覚を育てると思う。でも育てるために読むのではなく、どちからというと、人が幼い頃から持っているそういう感覚を忘れないため、うーん、違うな、思い出すため、それも違う。

あっていいんだよと、改めて無意識下のなかで確認する、が近いかも。



MOE 7月 号  谷川俊太郎の絵本  白水社

これかなり秀逸でした。
最近MOEを買っていませんでしたが、友人からの連絡で即買い。
ここで俊太郎さんが、和田誠さんと長新太さんの作品を一緒に作る上での
それぞれへの”安心”について書かれていて、それがなかなか読ませるし、『もこ もこもこ』のときのノンセンスな絵本についての言葉も全ての大人に聞かせたい。

「大人はみんな意味にしばられていて、こういう意味のないものに弱いんです」(本文24p 2段 11l~)

とあるんですが、その通り。

どの本でもなんでも、その本の”意味”を求める。とかいいつつ、紹介しながら、結局どんな本かを書いている時点でその”意味”を書いているんだな自分も。

文庫では、その子が読み進めている本の特徴や日常での学校や、遊び、友達の話を聞いて、そこからきっとこれを知ったら楽しいんじゃないか? こういう好きなんじゃないか、と頭を巡らせて手渡しています。

だから、おもしろかった!と帰ってくると、それだけで嬉しい!
子どもの顔が直接見られる喜びをいつも文庫で感じています。





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