「解雇規制緩和」の前に、ブラック企業経営者、ブラック上司を刑務所へ送れ

まず述べなければならない。
私は共産党を含む左翼系団体が嫌いだ。
タイトルだけ読んで期待した左翼系の方はここまででさようなら。

さて、今回、「解雇規制緩和」を言い出した政治家がいたので、
「その前にやることがあるだろ」感じたことを書きたいと思う。

私は日本以外の3つの国で勤務経験があり、そのうち2つは経営陣にいた。
これら3つの国は、いわゆる「雇用の流動性」が日本より高かった。
はるかに高かった。それはなぜか。
ブラック企業が存在しないからだ。なぜ存在しないか。
ブラック企業は市場から退場させられ、最悪の場合、経営者は刑務所に行くからだ。
これにより、これらの国で働く人々には
「どこに行っても最低限守られるルールがある」
「いくらなんでもこれはあり得ないだろう」
「最悪の最悪の場合は、通報した上で転職すればいい」
という、安心感がある。
このため「給料が上がるから」「ポジションが上がるから」「活躍できそう」など、本来優先すべき事柄を念頭に転職を検討できる。
一方、企業側はルールに従えばいつでも従業員を解雇できる。
これにより「誰かが退職するから誰かが就職する」「誰かが解雇するから誰かが雇用する」労働市場が出来上がるのだ。

一方、日本はどうだろうか。
私が働き始めた約40年前から見れば、かなり改善されたと思う。
それでもまだまだブラック企業が存在する。近年でも
〇ワンオペ長時間労働をさせる牛丼チェーン
〇長時間労働、残業代未払いの居酒屋チェーン
〇部下に暴力をふるう大手引っ越し業者
これらは一時的にマスコミに取り上げられ、批判を受けたが今も残っている。
この「市場に残っている」状態は働く人に
「結局、企業は何をやっても最後は許されるんだ」と諦めの気持ちを持たせ
経営者側には「あそこまで酷くなければ大丈夫だろう」と思わせるのだ。
ここ数年で経験、直接見聞きしたものでは
〇有給休暇を取ると給料が減る派遣会社
〇勤務時間の最後の1時間で「昼食休憩」を取らせる工場
〇「管理業務だから」と資料作成には残業手当を払わない工場
〇欧州時間に合わせて毎回深夜にオンライン会議をする外資系企業
〇「新人アルバイトをいじめるのが楽しみ」の親子がいる加工倉庫
〇発生した「代休」が数か月で消えてしまう物流倉庫
などなど、私の住む田舎でこれなのだから、都会ではもっとあるだろう。
そしてそれらの悪例の結晶と言えるのが「退職代行」の存在だ。
こんなのは他の国ではあり得ない、「過労死」以来の日本の恥だ。
「辞めたくても辞めさせてもらえない」
「代わりの人が見つかるまで辞めさせてもらえない」
こんなバカバカしい話が存在する労働市場で、安心して転職活動することが
出来るはずないのだ。

「解雇規制緩和」を言う政治家は、アメリカを例にしているのだろう。
それならアメリカに倣い、経営者側にも「1回目は罰金」「2回目は刑務所」の法律を作るべきだろう。
また、現行法でも出来ることはあるはずだ。
上記のような「グレーな例」の通報を受け入れ、立ち入り検査すればいいのだ。
そしてその結果を各求人求職サイトに掲載を義務付ければいい。
グレー経営者は当局には弱い。後ろめたさがあるからだ。
私も「有給を取ったら給料が減る」のが通報一発で改善されたのを見ている。所詮、ブラック・グレー企業、経営者はその程度なのだ。

最後に、今の若い人はどんどん転職する。
昔は「就職したらまずは三年」などと言われたが今の若者には通用しない。
少しでも「これはおかしい」「なんか変だ」「納得できない」と
感じたら転職する。それでいい。頼もしい。
政治家が何を言おうが関係なく、若者が市場からブラック・グレー企業を駆逐し、まともな労働市場を成立させる未来を期待したい。

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