個人的自由研究、でっかいトールボーイ型スピーカーを作る
小寺・西田の金曜ランチビュッフェ 46号(2015年8月21日発行)より
7月29日に、AV Watchにて雑誌付録のスピーカーユニットとエンクロージャーキットを使って、バックロードホーンスピーカーを自作する記事を書いた。
雑誌付録を超えた音! バックロードホーンスピーカーを作ってみたhttp://av.watch.impress.co.jp/docs/series/zooma/20150729_713783.html
毎年恒例の企画ではあるのだが、例年はもっと凝ったことをやっている。単に付録を作るだけでなく、自分で材料を買ってきてスピーカーを自作していたのだ。今回もそれを予定していたのだが、雑誌が届くのが結構ギリギリだったのと、近くのホームセンターの木材売り場が大幅に縮小されているのを知らず、いざ材料を買いにいったら売ってない、という事態に陥ったからである。
何がなかったかというと、MDFという合板だ。これは木材を切断した際に出る切りくずのような粉末状の木と接着材を混ぜ、圧力をかけて形成したものである。本物の木と同じぐらいの強度を持ちながら、繊維の方向性がないので、スピーカーのエンクロージャ(箱部分)によく使われる。MDFは内部損失が大きいためだ。内部損失とは、ザックリ言うと音が響かない性質とでも言えばいいだろうか。本物の木を叩くとコンコンと固い音がするが、これはその周波数をよく伝導するからである。特定の周波数だけ共鳴するような材質は、いろんな周波数をまんべんなく聴かせるスピーカーには向いてない。どこの周波数にも共鳴しない材質がいいわけである。
そこにMDFはピッタリはまる。値段も安いし寸法も揃っている。ただ、小さいものならそれこそダイソーにも売っているが、通称「サブロク板」と呼ばれる1800×900mmという大型の物が、近くのホームセンターのどこにも売ってないんである。
そんなわけで一旦は断念した自作スピーカー制作だが、夏休みでちょっと時間がとれたので、ちょっと離れたホームセンターまで行ってMDF板を探してみた。付録スピーカーのFostex P1000が1セット余っているので、改めて自分用に、10cmフルレンジながらもっと大型のスピーカーを作りたかったのである。AV Watchの夏休み特集には間に合わなかったが、あれの続編だと思って読んで貰えれば幸いである。
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