ゲーム機のペアレンタルコントロール概論
小寺・西田の金曜ランチビュッフェ 38号(2015年6月12日発行)より
来月10日に、うちの小学校で子供とインターネットの講演をやることになった。これまで多くの学校で講演してきたが、自分の子供が通う小学校で講演するのは初めてである。
そもそも地元の小学校での講演は、すでに2年前から無料でやれるがどうか? という打診をPTA会長に投げていた。だが当時のPTA会長はその点にまったく無関心で、3年前にDocomoに依頼してケータイ研修を行なったが全然人が集まらなかったので、しばらくはいいわ、と断わられてしまっていた。僕もその時の研修に出席したが、確かに参加者は25名程度であった。家庭数が450ぐらいある学校で、その人数はたしかに少ない。せめて1割は欲しいところである。
子供とネットの話は、毎年状況がどんどん変わっていくのに、2年も3年も研修なしではまずいんじゃないかと思っていたのだが、PTA最後の年に成人教育委員会という、保護者向けの研修を主催する委員が回ってきたので、自分で企画して実施することにしたのである。
実は昨年から、その種は撒いていた。昨年は広報委員会の委員長をやったのだが、広報紙第1号で、小学校の保護者全員に子供とインターネットに関するアンケートを実施した。所持率やゲーム機のネット接続状況、フィルタリング設定の有無などを調査した。
その際に、自由記載欄に大量のご意見やご質問をいただいていたのだが、広報委員会ではそれ以上どうすることもできず、意見をテキスト化してPTA本部と学校側に提出した。何か研修でもしてくれるかと期待していたのだが、結局その資料は活かされることはなかった。
そんなダメダメな経緯もあって、今回の研修は当時の質問をピックアップして、全てにお答えするという内容にした。フィルタリングの仕組み、ゲーム機のネットアクセス、LINEいじめ、つながり依存といったところだ。結果的には子供とネットの問題ほぼ全方向をあたることになるので、なかなか忙しい研修になりそうだが、3年間何もしていないので、全部を広く手当てすることは間違いではないだろう。
今回はそんな中で、ゲーム機のネットアクセスについてまとめてみたい。というのも、僕は自分でゲームをやらないので、ここが自分的には一番弱いところなのだ。講演では全部をしゃべるわけではないが、今回の講演に向けて下調べした内容を皆さんにも共有したいと思う。
■子供達のゲーム環境
今年3月に日本PTAが発行した、平成26年度 子供とメディアに関する意識調査という冊子がある。小学5年生と中学2年生に対して、過去数年間同様の調査を続けており、この手のものでは一番新しいデータだと言える。冊子は210ページにも及ぶ詳細なデータが掲載されているが、概要は日本PTAのサイトから読むことができる。
・平成26年度 マスメディアに関するアンケート調査
http://nippon-pta.or.jp/n-pta-content/uploads/2015/01/4b2bc00cec4028a2ce61c2e6e884542f.pdf
これのゲーム機のところに注目してみると、ゲーム機の所有は小学5年生で93.9%、中学2年生で94.4%。過去から所持率はあまり変化がないようである。
Wi-Fiのスポットサービスを知っているかという点については、5年生で54.3%、中学生で82.7%となっており、学齢が上がるごとにWi-Fiスポットの存在も認識が高まっている。またその利用率も、5年生で67.5%、中学2年生で80.7%と、かなり高い。
一方保護者への調査としては、ゲーム機でWi-Fiを使ってインターネット利用ができることを知っているかという問いに対し、5年生保護者は86.1%、中学2年生保護者は88.1%が知っていると回答している。
認知率としては、かなり高いと言える。ただしこのアンケートの性質として、PTAの調査に協力する会員は、どちらかと言えば意識が高い保護者の集団であり、真の実態は7掛けぐらいで考えた方が無難ではないかという気がする。
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