蘇州麺旅。
11月の上旬。蘭州旅行の翌週、次の目的地は天津の予定でしたが、その天津で新規症例。訪れるつもりだったエリアは低リスク地区のままでしたが、サラリーマン根性で自粛。
そして、天津の代わりに高鉄に乗っての蘇州旅行で気を紛らわせ、相変わらずの週末旅行生活をしていました。
8月末から毎週欠かさず飛行機に乗っていたので、たまの休憩も悪くない。そう思っていた矢先の11月中旬、今度は上海の一部が中リスク地区になってしまいました。
新規の感染者を出さないまま2週間経てば、中リスク地区が低リスク地区に戻りますが、2週間経過まであと数日というころに運悪く新規発生。
自粛おかわりとなり、今度は頼みの綱の蘇州も上海との出入りを厳しく制限しはじめたため、今度こそはしっかり自粛。
12月の第2週には低リスク地区に戻る見込のため、それまで旅行はお休みです。そのあいだはnoteを更新するネタがないので、代わりになんちゃって自粛中の蘇州旅行の様子をお送りします。
土曜日のお昼過ぎ、上海駅から蘇州駅まで高鉄で向かいます。上海から蘇州までは30分弱の距離。
かつてはチケットを発券するために駅の窓口で並ぶか、あるいは事前に街中の販売店で紙のチケットを購入しなければなりませんでしたが、今年になって全面電子化され、パスポートを改札にかざすだけでOKになりました。駅で過ごさなければならない時間も大幅に減り、飛行機に慣れた身にとっては気軽すぎてやや拍子抜け。
偉記奥麺館
最初に訪れたのは、蘇州駅からそう遠くない距離にある偉記奥麺館。蘇州の隣、崑山の名物である奥竈麺を提供するお店です。
お昼過ぎには営業を終える蘇州麺のお店が多いなか、通しで営業しているこの偉記奥麺館は中途半端な時間の来客にも寛容です。
蘇州麺、もしくは蘇式麺は幾度となく食べてきたものの、奥竈麺ははじめて。もっともポピュラーであろう爆魚麺に燜肉(煮豚)と目玉焼きをトッピングしたものをいただきます。
淡水魚をだしにしているのが特徴のようですが、蘇州麺の紅湯に比べて色が濃く、やや甘めでこってりしている以外に大きな差はありません。蘇州麺や上海料理に抵抗がなければきっと好きになるお味です。
瓊琳閣
翌朝、2杯目をいただきます。
訪れたのは、同得興や裕興記ほどではありませんが有名な蘇州ラーメンの有名店として度々名前の挙がる瓊琳閣というお店です。
ひと目でわかるあっさりスープです。同じ蘇州麺である同得興の紅湯と比べても色が薄い。蘇州麺の朝に食べるラーメン、朝ラーとしては理想的なお味かもしれません。
奥竈館
さらに、その日の午後。上海への帰り道、崑山で途中下車して本場の奥竈麺をいただきに奥竈館まで足を延ばしました。
崑山南駅からバスに乗り、その名も奥竈館停留所で下車。
歴史を感じさせる堂々とした店構えは、停留所の名前になるのも納得の存在感です。
ぼくが食べたのは、トッピングを2つ選べる双澆麺。入口でお金を払ったあと、最初の窓口でトッピングの小皿を選び、もうひとつの窓口で素ラーメンをもらうというスタイルです。
前日の偉記奥麺館と同じく爆魚と燜肉にするつもりが、揚げたてでオススメという文句に惹かれ、燜肉と大排(豚の天ぷら)というやんちゃな選択に。
スープは偉記奥麺館以上に黒くこってり。中国の麺料理は、あくまでも麺を食べさせるものでスープは引立役というイメージが強いのですが、この奥竈館の奥竈麺は実に力強いスープです。
ここに先程のやんちゃなトッピングを盛れば、ガツンと来る麺のできあがりです。
崑山へは、上海から高鉄で20分、蘇州からは10分。華やかな蘇州麺に隠れがちな崑山の奥竈麺ですが、これだけを食べに来る価値、十分にありです。