沙渓古鎮で一息。
麗江で2泊、香格里拉(シャングリラ)で同じく2泊したあと、次に向かったのは剣川県の沙渓鎮です。
位置的には麗江と大理のあいだにあり、香格里拉から麗江を経て、そこからさらに100kmほど南下するというイメージです。かつて雲南のお茶とチベットの馬の交易路であった茶馬古道、別の名を「もうひとつのシルクロード」「南のシルクロード」とも呼ばれるルートにあったのが沙渓です。
20世紀半ばに雲南省に高速道路が建設されてからは茶馬古道は寂れ、沙渓古鎮も消滅の危機にありましたが、2004年にスイスの大学の協力のもとで修復が進められ、現存する唯一の茶馬古道の集落となっています。
さて、香格里拉から沙渓までは、途中の剣川バスターミナルで乗継ぎ、計5時間の道のりです。香格里拉から剣川までが中型バスで50元、約4時間。剣川バスターミナルから沙渓までが乗合のコミュニティータクシーで15元、1時間弱。
コミュニティータクシーは剣川バスターミナルの手前に大量に止まっており、人数がそろいしだい発車します。ただ、剣川バスターミナルは人の出入りが決して多くないため、場合によっては相当の待ちを覚悟しなければならないかもしれません。ぼくは30分ほど待ってからようやく出発。剣川から沙渓までは結構な山道でした。
沙渓古鎮
沙渓古鎮を訪れた目的は、ただただグルメのみ。
酒徒さんのブログのこちらの記事を拝見し、これは絶対に訪れなければと直感。この民宿に泊まり、この民宿のごはんを食し、そして沙渓を去るという段取りを立てていました。
しかし、沙渓古鎮に一歩足を踏みいれた瞬間、その雰囲気にすっかり魅せられました。
国慶節と中秋節の連休だからこそ観光客はそこそこいるものの、麗江やシャングリラほどのごちゃごちゃ感はない。
十数年前にリノベーションされた古鎮は、適度に古い面影を残しながら、非常に清潔感がある。
もともと沙渓古鎮では1泊だけの予定でしたが、8日間の雲南旅行も半ばになり、やや疲れも感じていたところなので、ここでもう1泊のんびり過ごすことにしました。
剣川翕廬小苑客棧
最初の1泊は、酒徒さんも泊まられた食事自慢のお宿、剣川翕廬小苑客棧。
1泊50元程度、一番高い部屋でも200元弱のザ・安宿ですが、田舎の古鎮で昔懐かしい安宿感を楽しむのもまた旅行の醍醐味です。
今回ぼくが泊まる観景大床房は、レストランとして使われている中庭を横切り、階段で3階まで登ったところにあるちょっとした離れにあります。
大きなベッドと洗面所だけのシンプルなお部屋。安宿だから小汚いわけではありません。ベッドの横には入口とはまた別のドアがあり、ドアを開けると沙渓の風景を楽しめるというおまけつき。
剣川翕廬小苑客棧でも十分満足できるのですが、せっかくねらいをグルメとホテルステイに絞ったからには、もっといいホテルも体験してみたい。ということで、ぼくにとってはかなり奮発し、剣川翕廬小苑客棧で1泊したあとは1泊700元台の客棧に移ります。
沙渓古鎮嵐生客棧
国慶節と中秋節の連休期間中は1泊700元を超える沙渓古鎮嵐生客棧。沙渓古鎮のどまんなかにあるのに加え、部屋に湯船があるのが決め手でした。
日本の旅館を思わせる佇まい。全9部屋のこじんまりした客棧です。
今回ぼくが泊まるのは套房、つまりはスイートルーム。広いベッドに開放的な浴槽。
それに、妙に不気味なベッド脇の置物。
窓から見える景色が公衆トイレという以外はパーフェクトです。
旅先で昼間からのんびりお風呂に浸かる。なんてぜいたくでしょうか。
沙渓古鎮で疲れを癒やし、7泊8日の雲南旅行もいよいよ終盤に突入です。