満州里のロシア料理。
深セン、大連と過去に訪れた都市の再訪が続きましたが、全省踏破に向けて次に選んだのが内モンゴル自治区。
内モンゴルの見どころは草原や砂漠ですが、草原の季節でもなし、砂漠は寧夏旅行でもう体験した。ほかにどこかオモシロイところはないかと路線図と格闘し、最後に選んだのは満州里でした。
春秋吉祥サブスクチャレンジ第10弾、内モンゴルの満州里。
満州里はフルンボイル市にある県級市で、ロシアと国境を接し、シベリア鉄道とも接続する交通の要衝です。北海道最北端の北緯45度よりさらに北、北緯49度に位置する満州里。10月下旬にもなるとそれなりの寒さが予想されます。
上海から満州里までの飛行距離は約2,900kmで、3時間強のフライト。試しにお金を払って春秋航空版プレミアムエコノミーの「商務経済座(スプリングプラス)」にアップグレードしてみました。
商務経済座のメリットは、優先チェックインや優先搭乗、広めの座席とミネラルウォーターなどです。以前は機内食もついてきたように記憶していますが、いまはありませんでした。ただ、広めの座席でも普通のフルキャリアのエコノミークラスと大差ないうえに、場合によってはまんなかの席に座らされるリスクもあるので、個人的にはあまりおすすめできません。
さて、満州里西郊空港に到着。気温は0度前後ですが、からっとした空気と強い日差しで寒さは意外に感じません。
満州里飯店
空港から白タクに15分ほど揺られて着いたのは、満州里飯店。100年以上前の1904年、帝政ロシアの将軍であったニキーチンという人物が満州里に開業した満州里ニキーチンホテルがその前身で、愛称「百年露式ホテル」です。ニキーチンホテルは満州里以外にハイラルなどにもあったようです。
ホテルに入ると、ニキーチンらしき人物の銅像がお出迎え。
そこかしこに歴史を感じさせる展示物があります。一番印象的だったのが、各階のエレベーター脇に置かれている電話。おそらく現役です。
部屋もロシア風の内装です。
ロシア料理
ちょうどお昼の時間だったので、ホテルの2階にあるロシア料理のレストランでランチ。
注文したのはTボーンステーキのセット。肝心のステーキはどうも合成肉感がすごかったのですが、代わりにしっとりした黒パンとつけあわせのボルシチとポテトサラダ(オリヴィエサラダ)でロシアの雰囲気を味わいます。
満州里市博物館と満州里駅
ロシア料理でお腹を満たしたあと、その日は特に予定を入れていなかったので、ホテルの近所をのんびり散歩します。
満州里駅に向かって歩くと、満州里の市街を見下ろす周恩来の銅像が。時は1950年の朝鮮戦争勃発時、物資をより安全かつ迅速に届けるため、線路を横切る歩道橋の建設を周恩来自らが指示したという故事を記念するものです。
その歩道橋から眺める満州里は異国情緒たっぷり。もっとも、ぼくにとっては中国そのものも異国ですが。
歩道橋からほど近くにある満州里市博物館。先客はおらず、じっくりと観覧できました。中国、モンゴル、ロシア、日本が交差する歴史を追っていく展示は想像以上に見応えありでした。
満州里市博物館の向かいにあるのが満州里駅。ここからロシアに向かう国際列車も出ているはずですが、このご時世、待合室の門は閉じたまま。
再びロシア料理
散歩を終えて、ついでにお昼寝も終えて、あたりはすっかり暗くなっていました。夜の満州里を散歩しながら、孤独のグルメよろしくお店を探します。
でも、オフシーズンだからか、空いていないお店が多い。散々ふらふらしながらも決め手に欠け、結局ホテルまで戻ってきてしまいました。
最後は禁断の一手、デリバリー。頼んだのはベラルーシの家庭料理です。
前菜は、いくらがたっぷり乗ったロシアのサラダ。これもオリヴィエサラダでしょうか。いくらは特に下味がなく、お醤油があればもっとよかった。
メインは数種のロシアソーセージの盛りあわせ。これだけでビール何杯も飲めます。
主食は野菜を包んだパン。具のたっぷり入ったピロシキを期待していたのですが、食べたらなんとも味気のない揚げパンでした。
ぼくのなかでロシア料理を代表するのはやっぱりピロシキ。小学校の給食でたまに登場するピロシキが大の楽しみでした。しかし、満州里では最後まで期待するピロシキに出会えませんでした。
最後にまたロシア料理
どうにも消化不良だったので、最終日、またロシア料理に挑戦します。
中華料理とロシア料理の両方を供するらしい食堂に入り、最初は羊の串焼きを注文するも、オフシーズンのため串焼き職人は不在。代わりにボルシチとハンバーグ。
ボルシチは羊ベースなのでしょうか。紅焼羊肉湯といったところ。
ハンバーグは、メニューの写真が美味しそうだったので頼んでみたのですが、その写真とは似ても似つかないシロモノでした。
お肉が足りなくて代わりに白米を入れた疑惑あり。とても食べられるものではなく、ほとんどを残して泣く泣く満州里最後の夜を終えました。