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洛陽の龍門石窟。
ぼくの春秋サブスクチャレンジは、上海浦東空港を洛陽に向けて朝7時50分に発つフライトで幕を開けました。
浦東の国内線ターミナルは安全検査でしばしば混雑するため、離陸の2時間前には空港に到着しているのが望ましいでしょう。となると、朝6時前には到着しておきたい。自然、交通手段はタクシー一択。春秋航空は朝一番や深夜着のフライトが多く、貧乏旅行のつもりがかえって高くついてしまうというのは春秋あるあるです。
河南省の洛陽は、後漢、曹魏、西晋、北魏、隋、後唐が都とした古都です。少林サッカーで有名な少林寺や中国最古の仏教寺院である白馬寺が有名ですが、同じ古都である西安の秦の兵馬俑ほどのインパクトはなく、北宋などが都を置いた同じ河南省の開封同様、やや地味な印象は拭えません。でも、そうした土地も気軽に訪れられるところにサブスクの価値があります。
洛陽北郊空港
さて、洛陽北郊空港はコンパクトな空港です。飛行機から降りてちょっと歩くとすぐに出口。ここで河南省の健康コード「豫事弁」のチェックが入ります。ぼくは事前に登録していたので余裕かと思いきや、そこは携帯電話の電波が悪く、空港のフリーWiFiもこれまたいまいち。長坂橋の張飛よろしく健康コードを見せるまで誰も通さない空港職員を突破するまでに10分ほど要しました。
無事に空港を出て、事前に予約していた白タクに揺られること約45分。最初の目的地、龍門石窟に到着しました。
龍門石窟
龍門石窟は、中国の南北朝時代の北魏によって開かれ、中国仏教の最盛期の姿を残す世界遺産です。もっとも、歴史にも宗教にも疎いぼくは、ただその石窟の壮観をこの目で見るためだけにやってきました。
時期により異なりますが、龍門石窟のチケットは120元(約1,800円)でした。日本の感覚からすると高いのですが、中国ではごく普通、むしろこの広さからすると安いぐらいです。
辺り一面の石の壁に掘られた仏教彫刻は圧巻です。大小の仏像はもちろん、美しい蓮の紋様や卒塔婆など、とにかく見ていて飽きません。
特に、石窟の中央に鎮座する盧遮那仏は圧巻です。
しかし、強烈な蒸し暑さと止まらない汗、断続的に落ちてくる小雨には勝てず、ほどほどに退散します。
河南燴麺
その日、朝から何も口にしていなかったので、出口の近くにあった「龍之麺」という勇ましい名前のレストランで河南名物の河南燴麺(烩面)と焼き餃子をいただいて腹ごしらえ。
お店を出るころには雨足がやや強くなり、不穏な雰囲気。でも、焼き餃子をつまみに飲んだ青島ビールで気分よく酔ったぼくは、気にせずにまたとぼとぼと歩きはじめました。