銀川の水洞溝と西夏王陵。
春秋サブスクチャレンジの2回目は、寧夏回族自治区の省都(省会)である銀川です。
朝の7時に上海虹橋空港を出発する便。自然、家を出るのは早朝の5時前ですが、日本人エリアからそう離れていない上海虹橋空港はとにかく利便性がいい。ドアツードアで30分もかからず到着します。
上海虹橋空港の第1ターミナルは国内線と国際線があり、うち国内線のほぼすべてを春秋航空が占めています。なので、チェックインカウンターも巨大で手続に時間がかからず、建物も新しいので快適です。
この日の銀川行きはガラガラ。搭乗率は半分から3分の2でしょうか。
銀川河東空港
コロナ後の中国国内旅行。最初にして最大の難関は、新しい街に足を踏みいれる瞬間です。
寧夏回族自治区はスマホアプリ「我的寧夏」内の独自の健康コードを設けていますが、外国人の登録には未対応。事前に寧夏回族自治区の政務サービスホットラインに電話で確認し、全国共通の「防疫健康コード(入境人員版)」で問題ないとの言質を得ていたものの、いざ空港の検疫を通過するときはドキドキします。
空港に掲げられたポスターには「疫情防控行程コード」と「防疫健康コード」のふたつを同時に提示しなければならない、とありますが、実際には全国共通、携帯電話のキャリアごとに設けられた「通信大数据行程カード」を提示するだけで済みました。
水洞溝
さて、最初の目的地は水洞溝。銀川河東空港から11km離れたところにある旧石器時代の遺跡です。
空港で拾ったタクシーで水洞溝まで向かうなか、運転手さんのおすすめでその日タクシーをチャーターすることにしました。距離や時間は一切気にせず、300元(約4,500円)ぽっきり。
携程(Ctrip)で事前に調べていたチャーターの価格は280元前後。100kmを超える、あるいは8時間を超える場合は追加料金が必要で、この日は100km以上を移動する予定だったので、300元というお値段は妥当です。運転手さんの感じもよく、しかもチャーター代は全額後払い。交渉成立です。
5A級の観光地に指定されている水洞溝は、水洞溝遺跡を中心とした大きな公園です。約100年前にフランス人の考古学者によって発掘が進められた水洞溝遺跡は「中国先史考古学発祥の地」とされています。
発掘の風景を再現した人形や劇、出土物などが展示された水洞溝遺跡博物館からはじまり、いくつかのスポットをあらかじめ指定された順路に沿って次々と見てまわっていきます。
火打石を一定のリズムで淡々と叩く人形。かと思いきや、リアルの人間。かなり不気味。
明の時代に建てられた長城を超えると、そこは内モンゴル自治区のオルドスです。看板もモンゴル文字になり、パオ(ゲル)が並ぶ風景。パオのなかにはチンギス・ハンの肖像画も。
水洞溝はとにかく広大で、とても徒歩ではまわれません。スポットとスポットのあいだの移動は、徒歩以外に電動カートやラクダ、船、馬車などがあり、すべてチケット代に含まれています。都度お金を払うべきか悩む必要がないのは気が楽です。
それぞれのスポットは軽く流す程度でしたが、それでも優に3時間はかかるたっぷりのボリュームでした。
西夏王陵
さて、水洞溝から次の目的地の西夏王陵までは約60kmの距離。チャーターのタクシーで45分ほど走ります。
連れていかれたのはこの立派な門。ガイドブックで見かける西夏王陵のこの写真、実はダミー。
2019年の西夏博物館のリニューアルに伴い、2km以上離れたところにチケット売場や入口も移動しています。
西夏博物館で予備知識を仕入れたうえで、博物館横の地下道から西夏王陵へ向かいます。
西夏王陵には9つの陵があり、見学できるのは3号陵。3号陵の近くまで電動カートで移動し、終わったら同じく電動カートで出口まで。水洞溝と違い非常にシンプル。でも、ちょっと物足りなくもある。
古代エジプトのピラミッドから3千年以上が経過して建造された東洋のピラミッド。当時からこの姿ではなく、モンゴルに破壊され、長年の風雨にさらされた結果、いまに至ります。
漢民族の文化とは異なる羌族、タングート族の遺跡。中国の悠久の歴史と広大さをただただ実感しました。
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