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会津駒ヶ岳登山日記
ネットで見たあの景色を、自分の目で見てみたい。
山に登りたいと衝動に駆られる理由はいたって単純なもの。
今年は、山形県の鳥海山に登りたいという目標があったものの、毎度のことだけどなかなか天気とスケジュールが合わない。
天気優先で登る山を割り出し、今回は会津駒ヶ岳を選んだ。
朝4時起床、自家製梅干しおにぎりを握って出発。東北自動車道を南下し、白河ICで下りる。そこから国道を走り9時に目的地到着。ここで問題なのは目的の登山口である滝沢登山口の駐車場は20台程度しかないということ。満車の場合は歩いて20分程度の第二駐車場になる。
一か八かどんどん登山口付近に車を走らせていく。案の定、駐車場は満車だったがここでなんとラッキーなことに下山したソロの方が「ここ今すぐ出るから!」と駐車スペースを空けてくれた。
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ザックに食料を詰め込み…というか詰め込み過ぎで登山道へ。
登り始めから急登…景色はほぼほぼ無い。時々登ってきた高低差を感じれる場所はあったものの試練が続く。目安の地点としていた水場までは本当に長く感じて、まだかまだかと登ってきた。
水場はオアシスそのものだった。光景が云々ではなく…精神的な面でのオアシス?
休憩できる場所から水が流れ出る場所まで数分歩く必要があるが水そのものは本当に美味しかった。
登山客が各々思い思いの休息をしている。山の水でコーヒーをドリップしてるソロの女性や、お菓子を頬張る私たち、すごい量の荷物を背負って来た男性等。実はその男性も山小屋に泊まる方だと後に知ることになる。
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水場から登り始めて約1時間。
ネットで見たあの景色が見えてきて「やっとこれた〜🥹」と感動。それは、駒の小屋が一望できるまるで絵本のような光景。そして、今夜は山小屋に泊まるのだ!
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小屋に着いたら、休憩しつつもう夕食の準備が始まった。
それぞれ宿泊者同士同じ空間で食事を共にして、お裾分けしあったり…小屋のオーナーさんは皆さんと交流して楽しそうにお酒を飲んでいる。オーナーさんは、小説深夜特急の世界観を経験してきた方のようだ。初めましてなのに、直ぐに溶け込んでしまう不思議な感覚。
確かに、山に行くとすれ違って挨拶するのが当たり前だし、場合によっては見知らぬ人と会話したりして。山に来ると非日常を味わえる。それって景色もそうだけど、人との関係性もそうなのではないだろうか。
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初めまして!で語らい合って、翌朝にはまたどこかの山で逢えたらいいですね!とそんな出逢いと別れが山小屋にはあったりして。
その日は運良く夕日を眺めることができた。これもまた、初対面同士で夕日を見て盛り上がる。人って本当はピュアな存在なんだな〜と改めて感じた一瞬。
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翌朝は、朝日を見がてら山頂(約20分)経由で中門岳(山頂から40分)を目指す。
ゆっくりと上がってくる朝日に照らされた湿原は輝いて見える。鳥の囀りしか聴こえない贅沢な世界。
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その後朝食を済ませて、7時40分下山開始!
下山はテンポ良く下ることができたが、やはり下りは転倒が怖い。
毎回思うのは、どうやったら早く登れてテンポ良く下れるようになるんだろうってこと。
自分より高齢の方が、トントントンと軽快に登ったり下ったりして。うらやましい!
こんなんじゃ、憧れの槍ヶ岳は登れそうにないな…。
10時15分にはゴール。
お疲れ様でした〜。
疲れてるはずなのに、清々しい達成感で満ちているのは山の神様が労ってくれているからだろうか…。
檜枝岐村を後にして、会津若松駅で先にバスで帰る仲間を見送り、荷物をコインランドリーで洗濯し、東山温泉御宿東鳳に泊まる。
毎回何もない世界から普段の生活に戻ると…お風呂があること、電気があること、Wi-Fiがあること等当たり前のことに妙に感慨深くなり、なんだか人に優しくなっている気がしてならない。
無事に山に登れたこと、無事に下山できたこと
予定通り旅ができたことに感謝して今回も山旅を終え、またネットで山の景色を検索する日々を送ることになる。
限られた人生…挑戦することが人生を謳歌することでもあることを信じて。
最後に、駒の小屋で出逢った沢山のご馳走を差し入れしてくださった方、お腹を抱えるくらい笑わせてくださった方、ズッキーニの美味しさを教えてくださった方、そして陽気な駒の小屋オーナー夫妻へ心から感謝申し上げます。
忘れられない思い出となりました。
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