エルメスボリード、100年以上の歴史
ボリードの誕生
ボリードが誕生したのは、1923年。エルメスの長い歴史の中でも、大きな変化が現れた年ともいえます。今までのバッグは、ベルトや紐で閉めるか、そのまま開いた状態で持ち歩くかとかなり極端な方法しかありませんでした。
第一次大戦当時であったこの時代に、アメリカでファスナーが発明されました。そこからカナダで自動車の幌を固定するファスナーを、当時の社長であるエミール氏が発見。
そのあとファスナーを輸入したエルメスは「システム エクレーヌ」という名前で特許を取得し、エルメスアイテムに採用しました。ヨーロッパではまだ見たことがない技法であったファスナーは、「エルメス式」として多くのエルメスフリークから愛されたのです。
ヨーロッパではファスナーそのものがなかった時代に開発されたファスナー付きバッグは、バッグの荷物が飛び出ることを防ぐメリットと、その革新的なデザインから、またたく間に女性たちの注目を集めたのです。
このファスナーの導入が、高級馬具店であったエルメスが、完全にファッションブランドとしてシフトチェンジするきっかけになりました。
デザインとしては、なだらかな丸みを帯びているのが特徴。柔らかいシルエットが、優しい印象を醸し出しながら高級感も生み出しています。
キーが収納されたクロシェット、上品に揺れるカデナもボリードの特徴。ネームタグのマカロンや、前面にほどこされたステッチなどのクラシカルなデザインは、タイムレスな美しさを演出しています。
ボリードの名前の由来
まずボリードの前身である「ブガッティ」が旅行バッグとして発売されることになります。ブガッティの名前の由来は、生みの親である当時の社長であるエミールが馬車の時代から自動車の時代になると予測していた為、「走る宝石」と呼ばれる高級車であったブガッティの前面に位置するラジエーターの形状と、バッグのフォルムが似ていることが名前の由来といわれています。
その後、半楕円形フォルムのバッグは「ブガッティ型」という総称が一般的となり、それらのバッグとの差別化を図るべく1923年に「ボリード」というレーシングカーの名前に改名されたのです。
ネーミングの由来からファスナーが取り入れられた理由まで、エルメスが歩む歴史がそのままデザイン化されたバッグが、ボリードといえますね。
ボリードの素材
ボリードの定番素材トリヨンクレマンス
傷に強い性質があるトリヨンクレマンスはくったりとした質感とほどよい革目が特徴的な雄成牛のレザーだ。使えば使うほどレザー全体が味わい深くなる素材でもあるため、ボリードを気兼ねなく持ち歩けるようにもなりました。
牛革素材 ヴォー・エプソン
ヴォー・エプソンは細かい型押しとプレス加工をほどこした雄仔牛のレザーで、クシュベルの後継素材として2003年に登場した人気素材。かためのしっかりとした質感のヴォー・エプソンは、傷や摩擦にも強い丈夫さと、軽さを兼ね備えた実用素材。水濡れにも強く型くずれもしにくいことから、ボリードを毎日のように使いたい方に是非お勧めしたいです。
発色性に優れた、スイフト
傷や摩擦にも弱く、デリケートだが、バッグと合わせると上品な印象に仕上げる性質がある。滑らかな手触りと、優れた発色性でボリードの魅力をさらに上げてくれます。
コットンキャンバス素材 トワルアッシュ
トワルアッシュは、エルメスの頭文字「H」を取り入れたネーミングの、コットンキャンバス素材。異なる2色の糸を平織りにしたトワルアッシュは、摩擦などにも強く、普段使いに最適な素材です。
ボリードのサイズ
ボリードのサイズは全部で7種類。それぞれの個性、ボリードの魅力を存分に記していきます。
ボリード15
サイズ: 約W15cm×H12cm×D6.5cm
ボリード15は、ボリードのなかでもっとも小さいサイズ。まるでポーチのようなサイズ感で、ファッションアイテムとして取り入れたいバッグだ。小さいながらも携帯電話・ハンカチ・コインケースタイプの財布が収納できるため、付属のショルダーストラップを使用したポシェットのような斜め掛けスタイルがお勧めです。
ボリード21
サイズ: 約W21cm×H15cm×D7.5cm
ボリード21は、ちょっとしたお出かけにぴったりなミニバッグ。
見た目はコンパクトだが、小さめのポーチや二つ折り財布なども収納可能。
ボリード15と同様、ポシェット使いはもちろんのこと、ハンドバッグとして使用してもOKです。
ボリード27
サイズ: 約W27cm×H20cm×D7.5cm
ボリード27も一見するとコンパクトな印象のバッグだが、意外と収納力の高いサイズ。長財布や大きめの化粧ポーチも問題なく収納でき、食事やショッピングの際に利用しやすいです。
ボリード30
ボリードの生誕を記念した復刻デザイン
サイズ: 約W30cm×H24cm×D12cm
ボリード30は、初のファスナー付きバッグとして登場したブガッティをボリードとして復刻させたバッグ。ネームタグのマカロンとショルダーストラップが付かないハンドバッグタイプで、スタンダードなボリードよりもシンプルでソフトな印象に仕上がっています。バッグ前面のステッチ部分に備わるオープンポケット、従来のボリードよりも若干短めのハンドルや、ダブルファスナーのデザインが特徴的。
ボリード31
サイズ: 約W31cm×H25cm×D12cm
ボリード31は復刻版デザインに近いサイズで、普段のお出かけに必要なアイテムがスムーズに収納可能。どんなスタイリングにも自然になじむのが特徴です。
ボリード37
サイズ: 約W37cm×H27cm×D14cm
お出かけに必要な荷物のほかに、A4ファイル・システムノート・タブレットなどのビジネスアイテムも収納できる実用バッグ。
毎日の通勤で使われる方から、日ごろから荷物が多くなりがちな女性の人気も集めている。オン&オフを問わず愛用できそう。
ボリード47
サイズ: 約W47cm×H35cm×D25cm
頼れる収納力をもつボリード47は、サイズラインナップのなかではもっとも大きなサイズで、男性からも多くの支持を集めています。
出張・旅行などのアクティブなお出かけから、タオルや着替えを収納するマザーバッグとしても大活躍してくれほどのボリューム。
ボリード47を手に、スタイリッシュなスリムスーツで颯爽と歩く姿は、できるビジネスパーソンに見えるでしょう。
エルメスのボリードは、ブランドの歴史と革新性が表現されたバッグ。サイズや素材も豊富なため、ビジネスシーンやデイリーシーンなど、どんな場面にでも使用可能。是非自分に合ったデザインのものを選んでほしいです。