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「荻上チキ・Session」に堀川惠子さん出演(特集「パートナーが透析を止めた日~日本の透析医療と緩和ケア」)
透析患者であるパートナーの闘病を支え、最期を看取った経験をもとに今後の医療の在り方を描いた医療ノンフィクション『透析を止めた日』が話題です。2月3日には著者・堀川惠子さんが、TBSラジオ「荻上チキ・Session」に出演しました。
【#radikoタイムフリー】
— 荻上チキ・Session (@Session_1530) February 3, 2025
2025年2月3日(月)放送分
特集「パートナーが透析を止めた日~日本の透析医療と緩和ケアの現状」
出演:ノンフィクション作家の堀川惠子さんhttps://t.co/IANQeOhTKm #ss954 #radiko pic.twitter.com/PWP4hek7pi
日本の透析患者は約34万人、人口比では中国と台湾に次ぐ透析大国です。
透析医療は腎機能が低下した患者のために、血液中の老廃物や余分な水分を取り除く治療法です。多くは血液透析という、患者の血液を体外に取り出し、ダイアライザーという人工腎臓を通して濾過し、再び体内に戻す方法で、通常は週に3回、1回4時間程度を行います。
これだけ多くの患者がいながら、私は透析が受けられなくなった終末期患者の選択肢が狭まれていることや、安らかな死を送ることが難しいことをはじめて知りました。番組では堀川さんも「当事者になってはじめて気づくことになった」と語っています。
番組では、10年以上におよぶ血液透析、腎移植、再透析の末に透析を止める決断をしたパートナーをみとった経緯をはじめ、透析の現状と課題について、荻上さんの質問にこたえる形でわかりやすく語られています。
透析医療とは何か? 透析がまわらなくなるとはどういうことか? 症状の悪化や変化とどう付き合ったのか? また日本における緩和ケアの現状など、堀川さんが経験した透析医療の現在を知ることは、医療制度の矛盾や生きること死ぬことについて、あらためて考える契機となるでしょう。
ぜひradikoのタイムフリーでお聴きください!(聴取期限は過去7日以内の番組まで)
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<序章>より
「夫の全身状態が悪化し、命綱であった透析を維持することができなくなり始めたとき、
どう対処すればいいのか途方に暮れた。
医師に問うても、答えは返ってこない。
私たちには、どんな苦痛を伴おうとも、たとえ本人の意識がなくなろうとも、
とことん透析をまわし続ける道しか示されなかった。
そして60歳と3ヵ月、人生最後の数日に人生最大の苦しみを味わうことになった。
それは、本当に避けられぬ苦痛だったか、今も少なからぬ疑問を抱いている。
なぜ、膨大に存在するはずの透析患者の終末期のデータが、死の臨床に生かされていないのか。
なぜ、矛盾だらけの医療制度を誰も変えようとしないのか。
医療とは、いったい誰のためのものなのか」
<目次>
序章
《第一部》
第1章 長期透析患者の苦悩
第2章 腎臓移植という希望
第3章 移植腎の「実力」
第4章 透析の限界
第5章 透析を止めた日
《第二部》
第6章 巨大医療ビジネス市場の現在地
第7章 透析患者と緩和ケア
第8章 腹膜透析という選択肢
第9章 納得して看取る
献体――あとがき
解説 南学正臣(日本腎臓学会理事長)
著者紹介:堀川惠子(ホリカワ ケイコ)
1969年広島県生まれ。ノンフィクション作家。広島大学特別招聘教授。
『チンチン電車と女学生』(小笠原信之氏と共著)を皮切りに、ノンフィクション作品を次々と発表。『死刑の基準―「永山裁判」が遺したもの』で第32回講談社ノンフィクション賞、『裁かれた命―死刑囚から届いた手紙』で第10回新潮ドキュメント賞、『永山則夫―封印された鑑定記録』で第4回いける本大賞、『教誨師』で第1回城山三郎賞、『原爆供養塔―忘れられた遺骨の70年』で第47回大宅壮一ノンフィクション賞、『戦禍に生きた演劇人たち―演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇』で第23回AICT演劇評論賞、『狼の義―新 犬養木堂伝』(林新氏と共著)で第23回司馬遼太郎賞、『暁の宇品―陸軍船舶司令官たちのヒロシマ』で第48回大佛次郎賞を受賞。