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「高校生たちの勇気に圧倒された」「読者に考えるテーマを与えてくれる」 いとうみく『真実の口』【4月11日発売】 NetGalleyに寄せられた感想 ①図書館関係者
人の善意とは、正しい行いとは何なのかを模索する高校生たちを描き切る!
夏の読書感想文全国コンクールの課題図書に作品が選ばれる常連、いとうみくさんによる書きおろし最新作『真実の口』を4/11に発売します!
本記事では発売前作品のゲラ読みサービスNetGalleyに寄せられた感想の中から、図書館関係者の会員さんに限定してご紹介します! (たくさん感想が来ているので3回にわけてご紹介していきます)
※感想は一部抜粋しております。
![](https://assets.st-note.com/img/1711348085466-UK4lAwwrxl.jpg?width=1200)
◆あらすじ
ある冬の夜、外で凍えて震えている幼い少女を見つけた中学3年生三人。彼らは少女を保護して交番に連れて行き、その結果、警察から感謝状を受け取って、一躍時の人となりました。
それから半年。
それぞれ別の高校へと進学した彼らは、等しくあの夜の自分たちの行動に引っ掛かりを覚えていました。なぜ、少女は自分たちに口をきこうとしなかったのだろう。なぜ、あんな幼い子があんな時間に一人で外にいたんだろう。なぜ、少女は警察に行くことを頑なに拒んだのだろう。
彼らの頭には、同じ思いがよぎります。
もしかすると少女は、親から虐待を受けていたのではないだろうか――。
彼らは自分たちの行いが「善行」とされるようなものだったのか、自分たちの力で決着をつけようと動き始めます。
■編集部よりメッセージ■
河合隼雄物語賞、坪田譲治文学賞、野間児童文芸賞など数えきれないほどの受賞歴を誇る、いとうみくさん。押しも押されぬ児童文学界のトップランナーが書き下ろした新作のテーマは、「親による子への虐待」であり、「自分の振る舞いを省みる難しさ」です。
メイン読者層を子ども、若者として見くびらず、ひとりの人間としてとことん向き合い、時に格闘する「いとう文学」の真骨頂を、じっくりとお楽しみください。
◆図書館関係者の会員さんの感想
毎日のように見聞きする児童虐待のニュースには、この物語のような出来事がたくさん潜んでいるのかもしれない。3人の高校生たちの姿が、リアルで、好感が持てる。この3人はどんな大人になるんだろう。ぜひ続編も読んでみたい。
三人のとった行動は、正しいのか? 許されるのか? それぞれの事情も相まってストーリーに引き込まれる。そこには、今の社会問題が映し出されている。読者に考えるテーマを与えてくれる物語。
助けを求める誰かのための「正義」ってなんなんだろう。正義のために行動する高校生たちの勇気に圧倒された。
まだそこまで力を持たない高校生だから、あのような行動を起こすことができるのかもしれない。でも、単純な判断をするだけではダメなんだよということも、主人公たちは分かっている。
わがままは、愛されている自信のある者が言えること。すべての子どもたちが安心して親や周りの大人に甘えることができるようにと祈る。児童虐待だけでなく、ヤングケアラーや、親の過干渉などにも触れられていて、いろいろな気付きを得られるストーリー。
相手の幸せを願ったときに起こした行動が社会にどう裁かれようとも、そこにあるのは誠実な真実の愛に近づこうとするこころではないでしょうか。
著者・いとうみく
神奈川県生まれ。『糸子の体重計』(童心社)で日本児童文学者協会新人賞、『朔と新』(講談社)で野間児童文芸賞、『きみひろくん』(くもん出版)でひろすけ童話賞、『あしたの幸福』(理論社)で河合隼雄物語賞、『ぼくんちのねこのはなし』(くもん出版)で坪田譲治文学賞を受賞。『二日月』(そうえん社)、『チキン!』(文研出版)、『天使のにもつ』(童心社)などが青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれた。他の著書に、『かあちゃん取扱説明書』(童心社)、「車夫」シリーズ(小峰書店)、『夜空にひらく』(アリス館)などがある。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人。
◆書誌情報
書名: 『真実の口』
著者: いとう みく
発売日: 2024年4月11日
定価: 本体1650円(税込)
サイズ: 四六判ハードカバー
ページ数: 272ページ
発行: 講談社