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「なかなかに重たい、けれどとても大切な事を問いかける本」いとうみく『真実の口』【4月11日発売】 NetGalleyに寄せられた感想 ③一般会員

人の善意とは、正しい行いとは何なのかを模索する高校生たちを描き切る!

夏の読書感想文全国コンクールの課題図書に作品が選ばれる常連、いとうみくさんによる書きおろし最新作『真実の口』が4/11に発売されました。

本記事では発売前作品のゲラ読みサービスNetGalleyに感想の中から、前々回の図書館関係者、前回の書店関係者・教育関係者に続き、一般の会員さんに限定してご紹介します!
※感想は一部抜粋しております。

『真実の口』いとうみく

◆あらすじ

ある冬の夜、外で凍えて震えている幼い少女を見つけた中学3年生三人。彼らは少女を保護して交番に連れて行き、その結果、警察から感謝状を受け取って、一躍時の人となりました。それから半年。それぞれ別の高校へと進学した彼らは、等しくあの夜の自分たちの行動に引っ掛かりを覚えていました。なぜ、少女は自分たちに口をきこうとしなかったのだろう。なぜ、あんな幼い子があんな時間に一人で外にいたんだろう。なぜ、少女は警察に行くことを頑なに拒んだのだろう。彼らの頭には、同じ思いがよぎります。もしかすると少女は、親から虐待を受けていたのではないだろうか――。彼らは自分たちの行いが「善行」とされるようなものだったのか、自分たちの力で決着をつけようと動き始めます。

■編集部よりメッセージ■

河合隼雄物語賞、坪田譲治文学賞、野間児童文芸賞など数えきれないほどの受賞歴を誇る、いとうみくさん。
押しも押されぬ児童文学界のトップランナーが書き下ろした新作のテーマは、「親による子への虐待」であり、「自分の振る舞いを省みる難しさ」です。メイン読者層を子ども、若者として見くびらず、ひとりの人間としてとことん向き合い、時に格闘する「いとう文学」の真骨頂を、じっくりとお楽しみください。

◆一般会員さんの感想


虐待されているかもしれない家庭のことを書きながら、世間の無関心な大人たちを痛烈に批判していた。


いとうみくさんは、今回もまた、これは本当に「児童書」なのですか、と思う、なかなかに重たい、けれどとても大切な事を問いかける本を書いてくださいました。


「親による虐待」「自分の振る舞いを省みる難しさ」という重いテーマを扱いながらも読者をエンターテインすることを忘れない著者の作家魂を感じた。


もし隣家にこの少女がいたら私は行動することが出来るだろうかと何度も考えました。私の恩師がいつも口にしていた傍観者になるなという言葉を思い出しました。


登場人物たちの個性豊かな設定、会話文のみごとさ、細かい心情描写の的確さには、読みほれてしまいます。


ピンチに意外な人物が進み出る場面で滂沱ですよ。「言ったれ!もっと言ったれ!」って、もう、感情移入しすぎるほどに。


著者・いとうみく

神奈川県生まれ。『糸子の体重計』(童心社)で日本児童文学者協会新人賞、『朔と新』(講談社)で野間児童文芸賞、『きみひろくん』(くもん出版)でひろすけ童話賞、『あしたの幸福』(理論社)で河合隼雄物語賞、『ぼくんちのねこのはなし』(くもん出版)で坪田譲治文学賞を受賞。『二日月』(そうえん社)、『チキン!』(文研出版)、『天使のにもつ』(童心社)などが青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれた。他の著書に、『かあちゃん取扱説明書』(童心社)、「車夫」シリーズ(小峰書店)、『夜空にひらく』(アリス館)などがある。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人。

◆書誌情報

書名: 『真実の口』
著者: いとう みく
発売日: 2024年4月11日
定価: 本体1650円(税込)
サイズ: 四六判ハードカバー
ページ数: 272ページ
発行: 講談社

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