乳腺腫瘍は突然に
あの日、あの時〜
あの場所で〜という訳でラブストーリーばりに突然に現れた乳腺腫瘍。
2022年、10月下旬から私は怒涛の日々を送っていた。
巷でウワサの例の風邪にかかり、家族にうつさぬ様必死。
無事1人だけの感染にとどまり、やれやれと空咳と付き合いながら職場と家との往復の日々を過ごしていたら11月の半ばに次男が発熱。
名前のない風邪という事で私も仕事を休み、看病。
発熱4日目、今度は長男が発熱。
次男の風邪がうつったな…と思っていたら、まさかの流行りのお風邪。
次の日長男、解熱。
次男発熱5日目…名前のない風邪の方が酷いがな!
濃厚接触者扱いで満足に病院もかかれず、なんとか点滴を射ってもらって解熱。
翌週、やっと平常運転に戻るかと思ったら長男の発症から遅れる事7日、私の母が発熱。
その2日後、在宅介護をしていた私の祖母が息を引き取り、葬式前に検査で母と祖父が陽性で葬儀延期…火葬のみ先に済ませる事に。
世知辛い世の中だぜ…。
祖母の死から3日後、火葬を済ませてホッとしていたら祖父が発熱してきて、酸素飽和度も88%…おいおいマジかよ。
市内の病院では受診不可だった為、隣の隣の市まで救急車で運ばれた祖父。
すでに罹患済み、療養期間も満了した濃厚接触者じゃない家族は私しか居らず、大雨の夜に車で救急車の後を追った。
コロナっていうより誤嚥性肺炎の肺炎像という話だったけど祖父は感染病棟へ入院、そして1週間で退院する102歳の驚異的な回復力に脱帽。
それが11月終わり頃の話。
走り抜けた11月。
青春よりも、トップアイドルの1年よりも走り抜けた自負がある。
それは祖父が入院した夜だったと思う。
深夜0時をまわって帰宅した私はお風呂に入り、布団に横になった。
大変だった日々を思い、何気なく右手で鎖骨下の辺りから右胸の上部辺りを撫でた。
「え…?」
今までそこにこんなものあったっけ?
それがシコリとの出会いだった。