Vol.5 言葉で己を律する
これまで出会った人や書物からぼくは多くの言葉を習得してきた。そんな僕が大切にしている言葉、ぜひみんなに知ってもらいたい。
謙虚にひたむきに
高校の恩師からもらった言葉。スポーツにおける勝ち負けに寄与するものは何だろうか。みんな口をそろえて「技術、実力」というだろう。だが、アマチュアにとって「心の持ちよう」、これも勝ち負けに大きく関係している。
ぼくの恩師は常に、「調子に乗るな、常に謙虚にひたむきに」と言っていた。この言葉、不思議なもので、調子に乗っているときほど試合に勝てない。泥臭くでも勝ちにこだわって必死こいているときはなんだかんだで勝てたりする。
傲慢になって上から見下すのではなく、常に自分はチャレンジャーだという気概。そういう気持ちはいくつになっても大切にしたい。
感謝の気持ち
小学校のコーチからもらった言葉。当時のぼくはどうしようもない人間で、人や物に感謝の気持ちをもって接することができなかった。ソフトボールをやっていたのだが、試合をして満足してグローブやスパイクの手入れはほとんどしなかった。
そんなぼくを見かねたコーチは「ものには魂が宿る、常に感謝の気持ちを忘れるな」と何度も叱咤した。幼き日のぼくは自分勝手だった。何度も何度も言われてようやくその言葉の意味を理解できたのはいつだっただろうか。
今でもその言葉はぼくの心に残っている。
夢は逃げない、逃げるのはいつも自分だ
高校の数学の先生がくれた言葉。聞いた当時は大した感情も持たなかった。言葉は時に、時間を超えてぼくの心を揺さぶってくる。年を重ねるごとにこの言葉の重みは増す。
かつて抱いた夢を今もまだ追いかけられているだろうか。今自分は胸を張って頑張っているといえるのだろうか。目の前のことから逃げずにきちんと向き合っているのだろうか。
この言葉のおかげで、いまぼくは前に進む意思を持つことができている。
Life is an adventure
朝ドラ「マッサン」でのエリーの言葉。「マッサン」はニッカウヰスキーの創業者竹鶴とその奥さんリタがモデルとなった話。大正時代に遠い異国日本にやってきたエリー。周りに気を許せる人間は夫のマッサンただ一人。波乱の人生を歩んだ彼女が最後に残した言葉。
この言葉を聞くと、ぼくは何でもできるような気持ちになる。楽しいこと、つらいこと、悲しいこと、うれしいこと、生きているうちに自分が体験できることそれはすべてがアドベンチャー。
つらくてふさぎ込んでしまうことも時にはある。そんなときぼくはこの言葉を思い出しながら一歩踏み出す。
自らを律す
なにかあったとき、自分のよりどころになる言葉はあったほうがいい。ただの言葉、されど言葉。言葉は時に何にも代えることのできないほどの力を持つ。自分を律す。どんな時でも我を忘れることなく、目の前のことと向き合い、なるだけ楽しく生きていく。
2020.5.14 こーだい
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