【祝・合格🎊】令和6年公認会計士試験合格者へのメッセージ
公認会計士試験合格おめでとうございます
令和6年公認会計士試験に合格された皆さま、この度はおめでとうございます!
公認会計士を目指してから今日まで苦しいことも多かったと思いますが、本当にお疲れ様でした。
さて、去年に引き続き今年も合格者へのメッセージをお伝えするプロジェクトにお誘いいただきこのようなnoteを投稿することになりました。てりたまさんを始めプロジェクトメンバーの皆さまには、この場を借りて感謝申し上げます。
昨年のメッセージでは、会計士の資格をセーフティーネットとして挑戦をしようということをお伝えしたのですが、今年は、もう少し実務チックなお話をお伝えできればと考えています。
なお、このプロジェクトはリレー形式になっています。私以外にもたくさんの方々が合格者へのメッセージを贈っておりますので、是非そちらもお読みください。
私の経歴
メッセージの前に私の経歴を簡単に紹介します。私は大学を卒業した年に公認会計士試験に合格し、そのまま監査法人に入社をしました。その後、税理士法人へ転職をして数年が経ったところという経歴です。税理士法人では法人顧問を中心に業務を行っています。
私からのメッセージ
僭越ながら今年も私から少しだけメッセージをお伝えしたいと思います。
去年もそうだったのですが、合格者へのメッセージを書くことになったのは嬉しい反面、何を書けば良いか分からず、今年も結局ギリギリまで筆が進みませんでした。一度書き終えた下書きを2回ほど白紙に戻したりもしました。
会計士試験に合格した方の大半が就職するであろう監査業界を離れているということもあり、皆さまの今後に役立ちそうな情報を提供できるのものは何かと色々と悩みました。
その中で今回は、私が税務や会計の業務をする際に大切にしている考え方や向き合い方を2つ紹介できればと考えています。
違和感を覚えたら調べ切る
「違和感を覚えたら調べ切る」私が働くうえで最も大切にしていることの一つです。
この考えを紹介したかったのは、私が会計処理や分析結果に違和感を覚えたにも関わらず大丈夫だろうと思いそのままにした論点が後に大きな問題につながったという経験をしたことがあるからです。
繁忙期などは複数の仕事を同時並行で行う必要があり、時間的にも精神的にもいっぱいいっぱいになることがあります。
上司に質問しようと思ってもその違和感を上手く言語化できずにためらってしまうことや、入社したばかりの時は自分の経験が浅いから理解できないだけだと思い込んで放置してしまうこともあるかと思います。
しかし、このような違和感は正しいことが多く、放置して問題が発覚したときには重大になることもあります。
合格者の皆さまは、これから現場に出て監査業務を経験する方が多いと思います。新人の頃は重要な勘定科目を任せてもらう機会は多くないかもしれません。しかしそれでも「違和感を覚えたら調べ切る」という癖をつけることが後々の重要な勘定科目を任せてもらう際に生きてきます。
そのため、もし違和感を覚えたら必ず調べ切ることをおすすめします。
仕訳を常に意識する
合格者の皆さまは、これから実務に出る中でクライアントの経理担当者が説明してくれる内容や、上司からの説明などについて、内容が複雑でよく理解できないこともあると思います。何より、新人の頃の私がそうでした。正直なところ、今でもクライアントとのやり取りの中でよくわかないとな感じることがあります。
その時に私が大切にしていることは、「仕訳に落とし込む」ということです。
複雑なスキームの説明を受けたときには、必ず「登場人物」と「資金の流れ」、「財やサービスの流れ」を意識して仕訳に落とし込みます。まれにスキームの中で仕訳が切れないようなイレギュラーな事象が出てくるのですが、この場合は、疑問に思ったことを深堀していきながら仕訳をイメージできるまで質問を繰り返すということを行っています。
そうすると、抽象的でイメージできなかったスキームの全体像を把握できたり、会社のビジネスモデルを理解することができます。
特に、私が所属している税務の世界では、会計上の取扱いと税務上の取扱いにずれがある場合もあるので、私は会社の方の説明を聞きながら会計の仕訳と税務の仕訳の二本をイメージしながら議論することを習慣にしています。
是非皆さまも、実務に出て理解できない説明やスキームに当たったときには原点に立ち返って仕訳に落とし込むという作業をしていただくとよいかと思います。
最後に、ちょっとだけ税務の紹介
冒頭でもお伝えした通り、私は現在税理士法人で勤務をしています。業務内容は、上場企業や非上場企業の税務相談、申告書作成、税務調査立会などの法人を対象とした顧問業務がメインです。
顧問業務は監査業務と似ていて、会社のブレーキ役として、如何に事前にリスクを潰せるかが重要です。時には攻めの税務戦略を練ることもありますが、それでも事前にリスクを洗い出し一定の限度を超えそうな場合はブレーキを踏みます。
言い換えると、顧問先が税務論点で心配することなく事業の成長を加速させることに集中できる環境を整えることが税務顧問にとって重要です。
そのため、顧問先が何事もなく無事に一年を終えることが顧問税理士にとっての役割だったりもします。
公認会計士試験に合格された大半の方々は、これから監査法人へ就職されると思います。私も合格後は監査法人に就職しました。
しかし、いつかは転職を考えるときがくると思います。まだ監査法人に入社していないにも関わらず転職のお話をするのは憚られますが、少しでも税務の世界にも興味を持ってくれると嬉しいです。せっかくの機会でしたので税務の紹介をお伝えして、今回のメッセージを締めさせていただきます。
明日は、morningstarさんからのメッセージです。morningstarさんは、内部監査のプロフェッショナルで監査法人や事業会社、海外赴任や官庁への出向など幅広い経験をされていてとても尊敬できるお方です。
そんなmorningstarさんからのメッセージを私も楽しみにしています!
最後に、改めて公認会計士試験合格おめでとうございます。これからのご活躍を心よりお祈り申し上げます。そして、今後皆さまと一緒に働けることを楽しみにしています。
幸田 架