美保神社の創建
島根県松江市美保関町美保関に鎮座する美保神社は現在、右殿に事代主神、左殿に大国主神の后の三穂津姫命を祭ります。『出雲国風土記』によると美保郷は、天の下所造らしし大神命(大国主神)と奴奈冝波比賣の子の御穂須々美命の名前を由来にするといい、同様の親を持つ人物に、建御名方神がいます。ここから本来の地主は、御穂須々美命(建御名方神)であったと思われます。この美保神社の創立は、大国主神の活躍が描かれる神話の時代ではなく、歴史時代の七代の孝霊天皇の御代だといいます。
美保神社の地からは大山を望め、その麓には孝霊天皇の行宮ともいう高杉神社が鎮座します。美保神社創建の口伝の意味は、考慮するべきものといえるのではないでしょうか。