【天下繚乱】戦闘の流れ
チャンバラ。
それは時代劇において欠かすことの出来ないものである。
『天下繚乱』のほとんどのシナリオは、剣戟と呪術、銃撃と忍法によって解決することになるだろう。
これは交渉による事態の解決の否定ではない。逆である――水戸黄門の印籠、金さんのお白州を引っ張り出し、世界に法と秩序を取り戻すためには、やむを得ず振るわねばならない暴力というものがあるのだ。
では、その正義の執行たる戦闘はどのように行なわれるか、流れを見てみよう!
■アクション
PCは【行動値】の順に行動し、[メインプロセス(いわゆる手番)]を1ラウンドに1回行なうことができる。
[メインプロセス]では、英傑は次の順番で行動をそれぞれ1回ずつ行なう。行なわなくてもよい。
▼ムーブアクション
[移動]を行なう。[敵]とエンゲージしている場合は行えない。
▼マイナーアクション
武器を取り出したり、アイテムを使用したりする。
▼メジャーアクション
攻撃や魔法など、判定が必要な行動を行なう。あるいは[敵]とエンゲージしているなら、そこから[離脱]する。
■移動
『天下繚乱』における移動はスムーズだ。
英傑は1回の[移動]で、【移動力】m移動できる。移動の結果、[敵]や[味方]と隣接し、接近戦の距離に入ったら[エンゲージ]となる。
他のキャラクターとの距離は、[エンゲージ]するまでの距離ということになる。たとえば5m向こうに敵の忍者がいる、と言えば、「5m移動すれば[エンゲージ]する(される)」という意味だ。
[敵]と[エンゲージ]している場合、メジャーアクションを消費しなければそのエンゲージから離れることはできない。しかし、[味方]しかいないなら、ムーブアクションでそこから離れることができる。
■攻撃
攻撃は大きく分けて、武器や素手を用いて行なう[物理攻撃]と、魔術や忍法を用いて行なう[特殊攻撃]に分けられる。
このふたつはさらに細かく分類されるが、ひとまず[物理攻撃]と[特殊攻撃]のことだけ覚えておけば大丈夫だ。
攻撃の手順は一般的な判定と同じである。
つまり、サイコロ2個(以下、2D)を振り、[判定値]に加算し、[達成値]を計算する。[達成値]が、防御側が行なう防御判定の[達成値]を上回れば、攻撃は命中だ。
[物理攻撃]の[達成値]=2D+【命中値】
[特殊攻撃]の[達成値]=2D+【魔導値】
とにかくこれだけ覚えておけばいい。出目が12なら[クリティカル]で素晴らしくよい結果が得られ、[ファンブル]なら攻撃は外れた上にひどいことになる。
●防御
攻撃を受けた側は完全な無防備状態でない限り(たとえばハリツケ台にかけられているとかだ)、[防御判定]を行なうことができる。
[防御判定]の[達成値]が、攻撃側の[達成値]以上なら、防御側は攻撃を回避したことになる。
[物理攻撃]に対する[防御判定]の[達成値]=2D+【回避値】
[特殊攻撃]に対する[防御判定]の[達成値]=2D+【抗魔値】
となる。
防御側が[クリティカル]すれば、たとえ攻撃側が[クリティカル]でも、攻撃は回避出来たことになる。
[ファンブル]してしまったなら……ご愁傷様。攻撃は[クリティカル]扱いとなる。
●ダメージロール
攻撃によるダメージは次の手順で算出される。
[物理攻撃]=【物理攻撃力】+【武器攻撃力】+2D
たとえば、【物理攻撃力】が3のキャラクターが、【武器攻撃力】〈斬〉+10の打刀で攻撃した場合、ダメージロールは〈斬〉2D+13となる。
[特殊攻撃]=【異能攻撃力】+使用した特技のダメージ修正
たとえば、4D点のダメージを与える《妖術:熱》を使用した【異能攻撃力】3のキャラクターは、対象に〈熱〉4D+3点のダメージを与えることができる。
“おぼろの君”は代表的な[特殊攻撃]の使い手だ
●防御修正
ダメージロールで算出されたダメージに対して、攻撃を受けた側は該当するダメージ属性の[防御修正]をダメージから引くことができる。
たとえば、打刀なら〈斬〉属性で、《妖術:熱》なら〈熱〉属性というわけだ。
一般的な鎖帷子なら、〈斬〉に対しては8点の防御修正がある。しかし、〈熱〉に対しては1点の防御修正もない。《妖術:炎》のほうが、鎧を着た相手には有効ということだ。
算出されたダメージから[防御修正]を引いた数値が[実ダメージ]となり、【HP】からマイナスされる。【HP】が0になったキャラクターは戦闘不能となり、そのシーン中は倒れているか、あるいは[死亡]のリスクを冒して[覚悟を決めて]立ちあがるかを選ぶ。
▼覚悟を決める
覚悟を決めたキャラクターは[覚悟状態]となる。
基本的に特技のコストを支払う必要がなくなるが、【HP】の回復効果を受けられなくなり、次に【HP】が0になると[死亡]する。
そのシーン中に[死亡]を回復できなかったキャラクターは[ロスト]し、永遠に失われてしまう。
◆ダメージ算出のサンプル
剣客・横井藤十郎は、打刀で忍者を切りつけた。
彼の【命中値】は8である。[命中判定]で彼は2Dを振り、出目は7。[達成値]は8+7=15となる。
忍者の【回避値】は7である。[回避判定]で忍者は2Dを振り、出目は6であった。[達成値は]7+6=13。
結果、藤十郎の刀は忍者に命中したことになった。
藤十郎の打刀の【武器攻撃力】は〈斬〉+10、彼の【物理攻撃力】は5だ。
すなわち、〈斬〉2D+15がダメージとなる。
藤十郎は2Dし、その結果は8であった。〈斬〉23ダメージとなる。
忍者の身につけている忍者鎧は、〈斬〉に対して6点の[防御修正]を有する。
23点から6点をマイナスして、17点が忍者が受ける[実ダメージ]だ。
忍者の【HP】は30である。30-17で、忍者の【HP】は13まで減少した。戦いはまだ続く……。
●次回予告
次回はみんなの強い味方、サマリーの使い方について説明しよう!