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【天下繚乱】サンプル紹介⑬ カムイの戦士
「悪しきカムイに憑かれた者を裁くため私はやってきた」
キミははるか北方、和人(シャモ)が蝦夷地と呼ぶアイヌモシリの地で生まれた。森には鹿が、川には鮭が溢れていた。いずれもカムイの恵みだった。
だが、富士が噴火し、空が黒く染まってから、すべては変わってしまった。山野のカムイは人を害するようになり、和人の商人たちはアイヌを対等に扱わぬようになった。暴力と流血が、キミの住む村(コタン)を染めていった。
キミは一族のシャーマンとして幣垣(ヌササシ)を行い、神託(カムイノミ)を問うた。そしてキミは知った。この時空破断と呼ばれる異変を収めるには和人の土地に赴き、“村雨丸”なる宝を持ち帰らねばならぬと。もはや一刻の猶予もない。アイヌと和人を共に救うため、キミは津軽海峡を越え、日本へと向かった――!
“カムイの戦士”ははるか北方、我々が現在北海道と呼ぶ地からやってきた先住民の英傑だ。
バックアップに優れた魔法戦士である彼女は、手にしたアイヌの霊刀エペタムによって、“コストのかからない魔術攻撃”を連発することができる。他の魔法使いたちが継戦能力に不安を抱える中で、これは最大のアドバンテージといえるだろう。
もちろんそれだけではない。シャーマンである彼女は、《聖霊の光》によって強力な〈光〉属性攻撃を行なうことができ、《陣形構築》によって味方を素早く動かすこともできる。
攻撃、防御、回復、支援とあらゆる状況で活躍でき、かつデータは単純明快でわかりやすい。“カムイの戦士”は間違いなくあなたの期待に応えてくれるはずだ!
●クラス解説~異邦人(いほうじん)~
異邦人は客人クラスである。
江戸時代、日本は海禁策、いわゆる鎖国体制を敷いて日本国内への外国人の流入を厳しく制限していた。だが、一切外国との関わりがなかったわけではない。実際には密貿易や漂流者、密偵、あるいはその子弟という形で、さまざまな異邦人が日本に流入していたのである。
このクラスはあなたがオランダ人やロシア人、中国や朝鮮、あるいはアイヌや琉球といった周辺諸民族であることをあらわす客人クラスである。オランダに密留学した鳩野宗巴や、漂流してロシアにたどり着いた大黒屋光太夫のように、外国の文化を受け入れた日本人もこのクラスで表現されるものとする。
また、時空破断に巻き込まれたことによって室町時代以前の過去、あるいは明治以降の未来、たとえば大正時代やヴィクトリア朝末期から時間移動してきたキャラクターもこのクラスで表現するとよいだろう。
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化政時代の日本は孤立した国家ではない。
西欧列強を始めとする外国は日本との関わりを保ち続けており、さまざまな形で日本へと干渉を行なっている。彼らは敵となることも味方となることもあるだろう。
そうした外国人の中でも、主要なNPCを二名紹介しよう。
エカチェリーナⅡ世
ポメラニア(あるいはポンメルン、ポモージェ)の貧しい貴族より出てロシア皇帝へと成り上がり、右手に啓蒙の光、左手に秘密警察の鎖を握る女帝(ツァーリナ)エカチェリーナは玉座にあること百年を超える。
彼女が古く悍ましい吸血鬼(デュナミス)であることは公然の秘密だが、その非を鳴らす勇気を持つ者は誰もいない。
ナポレオンを完膚なきまでに打ちのめし、東欧支配を確立した彼女が次に狙うのは中央アジア、そして極東だ。エカチェリーナ率いる不死の兵団は、今や蝦夷地を、そして本州へと至ろうとしているのだ――。
南部の親分
ナヴリオーネ・ヴォナパルテ、フランス人民の皇帝にして革命の簒奪者であった男。
江戸にも名高いあの伝説の英雄、皇帝ナポレオンその人である。忠臣たちの助けで流刑先より脱出した彼は、十手持ちの大親分として江戸の下町に数千の配下を率いて潜伏している。
何のために? もちろん、時空を修復する刀“村雨丸”を手にいれ、ふたたび皇帝の地位へと返り咲くためだ。彼の野心と叡智は、英傑たちの心強い味方にも、恐るべき敵にもなるだろう……。
●次回予告
次回はいよいよ最後のサンプルキャラクター“まつろわぬ鬼”と、新クラス“鬼”について紹介しよう!