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【天下繚乱】Role&Roll vol.203

さて、夏も終わりに近づいているが、今月も『天下繚乱RPG』のホットな情報をお届けしよう! そう、もちろんRole&Rollのことだ!

 今月のRole&Rollでは、新クラス『渡世人』が紹介される。

 長谷川伸の戯曲『瞼の母』や、TVドラマ『木枯らし紋次郎』はもちろん、TVゲーム『風来のシレン』や『くにおくんの時代劇だよ全員集合』など、三度笠姿でふらりと宿場に現れ、やむにやまれぬ義理と人情故に悪を蹴散らして去って行く渡世人は、時代劇に欠かせないクラスといえるだろう。

 クラスとしての渡世人は、防御に秀で、これと決めたものを守り抜くことに優れている。確かに渡世人は剣客のように訓練された剣技を持たないし、忍者のような超人的な体術も身につけていない。だが、彼らが任侠の心に生きる限り、その生き様はどんなサムライにも負けない鋼鉄の闘志を与えてくれるのだ。

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時に渡世人は大切なものを失う。視力、故郷、感情、記憶――だが、喪った傷は必ず、おまえに何かを与えるだろう。

●次回予告

「なるほど、豪商とつるんで賄賂を受け取らぬ役人を殺して回り、すがりついてきた頼み人までを食い物にする仕事人がいると聞いたが……それは、主らのことであったか」
 奇妙な男であった。
 坊主とも神主ともつかない。ひどく白い、まるで死蝋のような肌をしている男であった。女というには艶やかすぎ、男というには美しすぎた。
 ひどく濡れた、鴉のような長い髪が風にたなびいている。
「ああ、そうや。それをとがめ立てしたこのアホどもも今殺したところや」         悪党どもは、墓地に転がる死体を蹴り飛ばした。
「なにが仕事人の仁義や。あほらし。殺し屋に仁義もへったくれもあるかいな。お天道様がなんやっちゅうねん」
「――主ら、今なんと云った」
 男は、奇妙な怒りの表情を見せた。それまでは澄み切った冬の夜空のようだった頬が、あきらかな怒気を孕んだ。
「殺し屋に仁義もへったくれも――」
「その後だ」
「お天道様がなんやっちゅうねん」
「それだ。それは許せぬ」
「何? ほたら己はお天道様かいな」
「さよう」
 どこかで、鴉が鳴いた。
 一羽や二羽ではない。古寺のどこにそんな数が隠れていたのか、何百羽もの鴉たちが、一斉に天にむかって鳴いた。
 黒い羽根が、男を包み込む。
 そこに立っていたのは、半人半鳥の、ばけものだった。
「俺が生まれは鞍馬山、護法魔王尊サナート・クマラの末裔なり。日輪の化身なる八咫の鴉に遣わされ、貴様ら妖異を滅ぼす者、穢れた荒魂を常世へと送る者じゃ。よいか」
 鴉の顔をした、しかし鴉などではあろうはずのない男が、吼えた。
「日輪の文句は、俺に云え――!」
 次回『天下繚乱運用指南・説四 天狗』

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