Theme 7: ステイホーム
(全3話 その1の後半)
医師/精神分析家(慶應義塾大学環境情報学部)
岡田暁宜(おかだ・あきよし)さんが綴るワンテーマ・エッセイ
《ぼくたちコロナ世代》避密ライフのこころの秘密
Theme 5「リモート」と続けて読むと 味わい深い? かも...
1/3 両面のスローガン(その後半)
《外に出ない》ということは、基本的に〈ない〉ことですので、本来、家の外で体験できるはずだったことを体験できないという「喪失」や「剥奪」の体験となるでしょうし、人によっては、行動の自由を奪われる軟禁生活のように体験する人もいるかもしれません。これに対して《家に居る》ということは、基本的に〈いる/ある〉ことですので、多くの人にとって在宅をめぐる「新たな体験」をする機会になったでしょう。
(ここまで「両面のスローガン」前半)
アパートなどで一人暮らしをしている学生や社会人などにとって“ステイホーム”は「孤独」を体験させたでしょう。“ステイホーム”のなか、オンラインでおこなわれた学生相談で、『授業もオンラインだから、誰にも会ってない』という声をしばしば聞きました。
しかし社会人のなかには、『いつも居ない時間に家に居ることができるので、今までなかなかできなかった家事をしたり休養をとったりできた』という声もありました。“ステイホーム”で若い世代の妊娠が増えたというニュース報道もありました。
家族と同居している人たちのなかには、「いつも一緒に居ない時間に家に一緒に居る時間が増えて、息が詰まる、イライラする」といったネガティブな思いを抱いた人も少なくないように思いますし、実際にドメスティックバイオレンスが増えたという報道もありました。
今回の“ステイホーム”は、「自分にとって“家”というものがどのような場所であるのか」を知る機会になったように思います。
Theme 7:ステイホーム 2/3へ つづく
同じ"家"に住む家族であっても、感じ方はさまざまなのでしょうね
一人暮らしをしている人でも、それぞれの感じ方があるのだと思います
同じ感じ方の人と分かち合う機会が持てれば
そこにホッとする人もいるかもしれません。
「自分だけではないんだ」と
人と会わないと「孤独」を感じるし、
家族とずっと一緒だと「息が詰まり、イライラする」
人と人との距離のちょうどいい塩梅とは?
あなたにとっての”家”というものはどのような場所でしょうか?