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Theme 7: ステイホーム

(全3話 その2)

医師/精神分析家(慶應義塾大学環境情報学部)
岡田暁宜(おかだ・あきよし)さんが綴るワンテーマ・エッセイ
《ぼくたちコロナ世代》避密ライフのこころの秘密
Theme 5「リモート」と続けて読むと 味わい深い? かも...


2/3 平日の昼間 家に居る体験

 私は、2021年4月から平日に《ステイホーム》を経験して、幼稚園に入園してから現在まで、ゴールデンウィーク・盆・年末年始を除いて、平日の昼間に自宅に居ることはなかったということを、あらためて実感しました。
 私にとって、平日の昼間に家に居るのはとても不自然なことで、自宅から大学のオンライン授業していても、なんとなく仕事をしていないような気持ちがしています。頭のなかでは「必ずしも “出勤すること=仕事をすること” ではない」と思っていますが、平日に家に居るとなんとなく、自分が病気で自宅療養をしているような気持ちにもなります。きっと小学生の時に麻疹、風疹、水痘などの病気を罹って学校を休んだ時の辛かった経験が重なっているように思います。

 精神科臨床において「休務による休養及び加療が必要と判断します」などの文面で診断書を作成することがよくあります。
 今回の《ステイホーム》体験は、「患者さんが診断書を職場や学校に提出したあと、自宅でどのような療養生活をしているのか」を考える機会になりましたし、休務による休養の期間についての時間的な感覚もなんとなく感じることができました。
 また、専業主婦をされている人が家族を送り出したあと、自宅でどのような生活をしてどのように時間が過ぎていくのかも、なんとなく感じることができました。さらに、自分が仕事を引退した後の生活を想像する機会にもなりました。
 このように《ステイホーム》を通じて私は、今まで考えなかったことや体験できなかったことに触れることができたように思います。

Theme 7:ステイホーム  3/3へ つづく


岡田先生のお言葉から
外に出て行動することが新しい体験に触れることとは
限らないのだとあらためて感じます。
家に居ることが ”仕事をしていない感覚" を持つことが
これまでの自分の経験からくるものであれば
自宅が仕事場であり続ける人は
ずっと "仕事し続けている感覚" になってしまうのではないかと
イメージしてしまいます。
その方々の「自宅療養」はどういったものなのでしょう?
これもまた自分のこれまでの経験からくるものなのかもしれませんね。

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