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どこに事務所を構えるか

公認会計士・税理士として独立開業するとどこに事務所を構えるかは悩ましくもあり楽しくもある問題です。
絶対にこの形が良いというものではなく、どんな戦略かによると思いますのでその態様別にどんなパターンに向くかご紹介していきます。


自宅事務所

1番コストのかからないパターンがこれです。スタッフを雇用せず、業務はクライアントに出向いて行い、事務所自体のブランドというよりは個人のネットワークで仕事を取ってくるようなタイプであれば固定費はほぼゼロです。
デメリットとしては
最初のうちはよいですが、長く続けているとそれなりに書類等が増えてくるので手狭に感じてくる
自分も家族もオンオフの切替えが難しい
税理士登録する際は自宅であっても税理士会支部の担当者が事務所の確認に来られてしまう
が挙げられます。

家の近くの事務所

私の今の事務所がこのパターンです。自宅の場所にもよりますが家賃も都心に比べれば低く抑えることが可能です。オフィス仕様の物件は少なめでSOHO可能なマンションの1室を借りるというのが一般的なパターンではないです。1人事務所であれば10~15帖が使い勝手のよい広さと感じています。
地域密着型で近隣のクライアントを集客し、近所のスタッフを雇用して規模を拡大していこうという事務所であれば店舗型の物件がターゲット二なるかと思います。
近所のパートさんを雇用する場合も通勤しやすくて募集しやすいのではないでしょうか(うちは雇用していないのでその辺りはよく分かりません)。

参考までに当事務所は、

  • 自宅から徒歩でも30分、自転車・車で15分、電車でも15分

  • 急行停車駅

  • 新宿・渋谷に1本、大手町も千代田線直通で1本

  • 駅近の築古マンション(当初は住居専用だったが古くなったのでオフィス可にしたらしい)

ということで下北沢にオフィスを借りています。

都心の事務所

上場企業やその子会社など比較的大きめのクライアントをターゲットにしている事務所に向く立地と思います。
事務所の場所自体が事務所のブランドになることもあります。特に大企業をメインのクライアントにしようとしている場合は、「○○ビルに入居している先生だったら信頼できる会計事務所だろう」と考えてくれるかもしれません。実際に私の知り合いはこの効果を実感していて、高い家賃や敷金は広告宣伝費だと考えれば決して高くはないと言っていました。
ちなみに私はこの営業戦略ではないので、都心の事務所は不要です。通勤も面倒ですし。

シェアオフィス

私も自宅事務所だった当初は打合せ場所として、アポイントとアポイントの間のつなぎとして利用していました。いくつかのサービス提供会社によってはターミナル駅に複数のオフィスがあり、月額料金でどこでも利用することができるものもあります。
ただし周囲に不特定多数の人がいますので、できる仕事の内容は自ずと限られてきます。たまにスタッフと一緒に仕事をしている同業者を見かけますが、情報管理の観点からあまり感心はしません。個室を借りることも可能ですが、そうなると上記の都心の事務所と同じぐらいのコストになってしまいます(物件にもよりますが)。

ということで、士業にとって賃料は大きな固定費になるものですので事務所の営業戦略にマッチした物件を選ぶ必要があります。
最後にやめた方がよいパターンを述べますが、同じぐらいのタイミングで独立した同業者と物件をシェアするやり方です。共同事務所として運命共同体を誓えるほどの関係だったらよいのですが、単に固定費を安くしたいという理由だけなら避けるべきです。いずれそれぞれの成長スピードに差異がでてきて嫉妬心含みの意見の食い違いが大きなストレスになってしまいます。

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