公認会計士を目指した訳
1993年に公認会計士第二次試験(当時の名称)に合格してから今年でちょうど30年になる。
せっかくなのでこの30年間のキャリアを振り返ってみたいと思う。
自分が公認会計士という資格を知ったのは高校の時だ。附属高校だから部活の練習場も大学生と一緒で、大学1年生の先輩が公認会計士試験にチャレンジするため部活をやめると聞いた。当時は公認会計士のことなど1ミリも知らず、公務員のようなものだろうと思っていた。
それから2年ほど経ち、自分も大学生となりキャンパスをうろついていたところ(たぶん夏休み前ぐらいだったと思う)、資格試験の専門学校のパンフレットが目に入った。公認会計士・・・、そういえばあの先輩が挑戦していた資格だ。どんな資格なのだろうとパンフレットの中身を読んでみると、これはチャレンジする価値があるのかもしれないと直感的に思った。
附属校から上がった自分はちゃんとした受験勉強もしていなかったし、特に英語などは高校受験で出てくる熟語もすっかり忘れている始末。いまからこれらの教科をがんばったところで、人並みになるのが関の山。それからこれはあまり褒められたことではないが、いわゆる遊んだ学生生活というのは高校の時にやってきたので大学生になって弾けて遊ぶ気持ちにもなれなかった。将来を考えたら差別化できる何かを学生のうちに手に入れる必要がある。そんな風に考えていたところだったのでもう少しこの国家資格について調べてみることにした。
パンフレットを読むと、専念すれば2年~3年ぐらいで合格できるらしい、合格後は監査が主な仕事だがコンサルティングや税務の仕事も可能。合格しさえすれば引く手あまたで就職には全く困らないとのことであった。
仕事の内容も面白そうだし、なによりサラリーマンとは少し違うプロフェッショナルとしての職業人生を歩むことができる。そして今から始めればなんとか在学中に合格することもできそうだ。そうはいっても大学の授業を疎かにして留年してしまっては意味がない。そこで大学1年のカリキュラムが終わる春休みから始め1.5年で1回目の本試験を受けるコースを受講することにした。
当時公認会計士試験のための専門学校はTAC、大原簿記学校、東京商科学院の3つがあり、たまたま大学生協で手に取ったパンフレットがTACだったからそのままそこを選んだ。当時は神保町の8Fに本校があり、その周辺の雑居ビルにいくつか教室を有する私塾のような感じの専門学校だった。