人生雑談
毎日新聞の日曜日の人生相談欄は、高橋源一郎さんが担当しておられる。
文章は上手いし、切り口も鮮やかなので何時もたのしみにしている。
近頃はまず質問者の文だけを読み、私ならどう答えるかを考えてから、高橋さんの回答を読むことにしている。「わが意を居たり」と喜ぶこともあれば、「ちょっと違うな」と思うことも当然ある。
そこいら当りをネタに、ひまつぶしに書いてみようと思い立って、書き始めた次第。名付けて『人生雑談(じんせいぞうだん』
今日(2022/08/25)の高橋さんの記事は次である。
https://mainichi.jp/articles/20220828/ddm/013/070/010000c
人生相談:退職しパチンコざんまい
夫は67歳。退職し年金生活ですることがなく毎日、パチンコに行っています。週に2、3日のアルバイトでも探したら、と声をかけると「もう仕事はしない。40年間働いてきたから」といいます。趣味の教室やボランティアなども行きたくないそうです。そのくせ「お前は行くところ(パート)があっていいな」というのです。こんな夫をどうしたらいいでしょう。(61歳・女性)
【人生雑談】
趣味の教室やボランティアなどに行ったらという相談者の書きぶりから考えると、夫が稼ぎに行かなくとも生活には困っていない感じである。
ちょっと状況を変えて、これがもし「夫が毎日碁会所や将棋会所に通っている」のだったら、多分、高橋さんに相談するまでのことではなかったのだろうし、これがもし「夫が毎日ゴルフに出かけている」ということだったら、愚痴を装った自慢話をしてるのかもしれないだろう。
そうすると質問者が困っているのは、「家の亭主がパチンコのような下賤の趣味に耽っているのがみっともない」ということだけであろう。女性の多くがパチンコをやる男を堕落の権化のように見なしてるは確かである。だが、定年退職をした男に、さらに立派なことをやることを期待するのは酷なことであろう。
いろいろあったにせよ、兎にも角にも定年まで無事働いてきたのだから、働きアリとしてそれなりに頑張ったと思う。体力は落ち目であり、気力も尽きかけていてもおかしくない。男なんてそんなもんである。パチンコなんて世間体が悪いだけの話であって、他人様に迷惑をかけてるわけじゃない。知り合いに「お宅のご主人はパチンコ・・・」という顔をされたら、「しょうがない宿六だね。私ゃつくつく男運が悪かった」とで言っておきましょう。