【人生雑談：希望を見つけるには】

大学卒業後、派遣社員をしています。消費者金融などに借金を抱えたまま、返せるあてもなく生活しています。現在の派遣先での更新を続けたところで退職金はゼロですし、あまりの見通しのなさに絶望しかかっています。どのように希望を見つければよいか途方にくれています。高橋さんが経験された中で、希望をつなぐきっかけとなったことを教えてください。（45歳・男性）

人生相談：希望を見つけるには＝回答者・高橋源一郎 | 毎日新聞

住みにくい世の中ですね。周りがなにかと不安を押しつけてきて…

消費者金融への借金とか退職金ゼロと書かれているように、相談者さんの「希望のなさ」とは今金がない／先々も金がないだろうということだろうと思います。

大昔から金持ちと貧乏人がいて、貧乏人は結局貧乏のままでどうにもならないってのは変わっていません。
「あなたがこう変われば・・・」といって迫ってくる自己啓発タイプや「座っているだけではだめ。まず参加して・・・」と誘う取り敢えずタイプ等々いろいろありますが、どれもこれも貧乏人から金を巻き上げようとする貧困ビジネス。
相談者さんに具体的に言えるのは、高い金利は無駄だから、なんとしてでも消費者金融への借金をなくしなさい、ぐらいでしょう。

他人事だから言えるだろうと言われればそれまでですが、相談者さんの絶望は先々への不安がほとんど。今日明日をどうするのかという切羽詰まった状況ではありません。
今の日本は、人類史上でまれにしかない安穏とした時代です。高々二百年くらい前には、飢饉で一村ほとんど餓死の状態であった日本ですが…。

上を見ればきりがありませんし、下を見てもきりがありません。
相談者さんに言える言葉はただ一つ『死生自命也。貧窮自時也』（死生は天の定める所（＝命）であり、貧窮はその時々で決る。自はいまでも自…至として使う「～より」の意味）。『列子』という古い本に出てくる言葉です。