100名を超えるデザイン組織がマネージャー・リーダー採用に力を入れる理由
マネーフォワードのデザインマネージャーこちょうです。もともとプロダクトデザイン・UIデザインで広く役割を果たす目的で2022年にジョインさせていただきましたが、そこからの組織成長スピードが凄まじく、いまはマネジメント全般に携わらせていただいています。
現在マネーフォワードは55以上のプロダクトを提供しており、それぞれのプロダクト規模もかなり大きく、それらを支える2,000名を超える社員と結束して、デザイナーは各事業とプロダクトの成長のためのあらゆるデザインに取り組んでいます。
そんなこんなで、いまは100名以上のデザイナーが在籍しているのですが、
提供プロダクトの幅広さ
ひとつひとつの事業ドメインの複雑さ
各プロダクトの提供機能の多さ
バックオフィスSaaS市場のスピード感
グローバル開発の推進
という様々な課題に向き合いながら、組織をグロースさせるデザインマネージャーに求められる能力も、同時に高まっています。その状況はこちらのnoteでも語られています。
こんな背景もあり、2024年は立て続けに、デザインマネージャーをはじめとして、ご経験豊富なデザイナーのみなさんが組織に参画くださいました!心強い!
一方で、これだけの経験豊富なメンバーがいながら、先述した事業に向き合うのに、日々試行錯誤の毎日で、だれも明確な答えを持てているわけではありません。未知なるチャレンジの連続です。
ただ、みんなが同じベクトルを向きながら切磋琢磨している状況、マネージャー同士で長期的な議論をしている時間は本当にワクワクしますし、私自身も、マネージャーとしてまだまだ成長できると感じています。
一般論でのマネージャー必要人数
では、100名規模のデザイン組織のマネジャー人数ってどのくらいが適正なんだろうと日々考えていたりします。
マネジメントの一般論でいうと、1人あたりがマネジメントできる人数は5〜10名であり、それを超えるとフォローが行き渡らず上手くいかなくなると言われます(諸説あります)。また、スパンオブコントロールを踏まえてマネジメントでは、「1-3-9のチーム作り」がいいとされています(1名の管理職、3名のリーダー、それれぞれに3名、合計9名のメンバーの総計13名構成)。
上記のような一般論に、100名以上の組織を当てはめてみると、約25〜40名のマネージャーが必要と算出されました。市場のシニア・ミドルデザイナー人数を考えても、なかなかの人数です。
これはあくまで一般論ですが、実際の現場では、一般論には収められない複雑な変数要素が多くあります。いつでも理想人数のパフォーマンスが発揮できるわけではありません。これはマネージャーをされている方の多くが理解できるのではと思います。
マネーフォワードのデザインマネージャー事情
ただ、裏を返すと、マネーフォワードのデザインマネージャーは、多くの他のマネージャーと協力して組織課題に向き合える環境でもあると言えます。
私の場合、連携の多い福岡拠点のデザインマネージャー、バックオフィス向けプロダクトの隣接領域をみているデザインマネージャー、ブランド領域のデザインマネージャーなど、周囲を見回すと、お互いを支え合える仲間がいます。気軽に相談をして新たな気づきや解決策を導きだし、時にはタッグを組んで一緒に前進するような動きをとることもできます。
”マネーフォワードのデザインマネージャーは孤独じゃない”
そんなことを感じられる時がすごく多いです。一方で、
”もっとマネジメント・リード人材が必要だ”
とも思っています。その背景には人数規模だけではない事情もあります。
リードデザイナーの役割・期待の拡大
市場のスピード感にあわせて、プロダクトにおける開発規模も拡大し、開発スピードも早まっています。当然、デザイナーの体制も強化され、今では多くのプロダクトで複数人のプロダクトデザイナーがアサインされています。PdM、エンジニアを含む開発チームのなかでは、デザイナーはコミュニケーションのハブ役を担うことも多いです。
そのような開発チームにいるリードデザイナーは、マネジメントに近い、高いケイパビリティを求められることも多いです。多くのステークホルダーをポジティブに巻き込みながら、PdMと同等の視座で事業とメンバーの成長のために動くことが求められます。
ひとつのプロダクトのリードデザイナーでも十分期待が高いわけです。一般的な組織にもとづくマネージャー人材の理想人数では測れない多くのチャレンジがあります。
ワンブランド&マルチプロダクトでの連携強化
中堅以上の規模の企業に向けて提供しているプロダクト群である『マネーフォワード クラウドERP』を見ても、プロダクト同士の接続の多さがご理解いただけると思います。
デザイナーの立場としては、自身のプロダクトだけを気にすればいいわけではありません。エンドユーザーは個々にプロダクトを使うのではなく、周辺プロダクトと併用し、業務最適化したいことを考えると、デザイナー自身も周辺プロダクトの体験や業務にも気を配りデザインする必要があります。
そのために、周辺プロダクトの他デザイナーや開発チームのメンバーとも密に連携をとりながら、時には合同プロジェクト化して一緒に設計・開発を進めることもします。
さらに、マネーフォワード クラウドはこのコンパウンド戦略を推し進めるにあたり、併用利用時の体験の一貫性を担保するため、ワークフローなどの基盤機能の共通化にも力を入れています。
マネーフォワードのデザイン組織には、このプロダクト基盤開発を専門に扱うデザイナー部門も存在します。プロダクト個別最適ではなく、全体最適と長期のゴールを見据えて、基盤領域のデザイナーと密に連携することが求められますし、それによってユーザーへの更なる価値提供に繋がると考えています。
これからのマネーフォワードのデザイン組織づくり
以上のようなデザイン組織の状況を踏まえると、今まで通りの採用要件とは変わってきているかもとう思いもあり、採用イメージの見直しをすることにしました。
今後の組織づくりと採用に向けたイメージをコミュニケーションデザイナーのマネージャーOsamuさんとタッグを組んで具体化しました。
当初のイメージでは、「どのデザイナーも未知のチャレンジに向き合って成長している」「マネジメントやリードになっても、さらなるチャレンジが待っている」という想いがあり、理想の組織状態として「日本屈指のデザイナー集団」というテーマを考えていました。
一方、マネーフォワードのカルチャーやブランドイメージを考えると、やや強い印象で、誤解を与える印象にもなってしまうと考えました。さらに、何がチャレンジなのかを改めて言語化して要件を見えやすくした方がいいだとろうという見直しもあり、「不確実性の高い世の中で新たな感動体験を作っていくこと」にピン留めしました。
最終的には「デザイナーの到達点、その先のキャリアまでも共に描く〜未来の感動を創るデザインへの挑戦〜」というコピーを添え、ビジュアルでもそのシャープなイメージを伝えられるものを表現していただきました。
キャリアを積んで収束するのではなく、そこからさらなる広がり、そして右肩上がりのキャリア形成・自己実現ができる組織を目指していきます。
マネーフォワードのデザイン組織では、事業強化に向けてリードクラス以上のデザイナーを募集しています。新たなビジネスの局面を迎えたデザイン組織で、最高峰のデザイナー集団をつくり、最高のプロダクト群を世に届けるチャレンジを一緒にしていきませんか?