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虹の先に何があるか/あさき 解釈

意味調べ


『雨脚の みな消えて
 抜き足 斑に染める』

雨脚
 雨が降り注ぐのが筋のように見えるもの。
 降る雨が通り過ぎていくぐあい。

抜き足
 足音を忍ばせ、つまさき立てて歩くこと。
 足音を立てないために、足を物から抜き上げるように上げて静かに歩くこと。


 種々の色が入りまじっていたり、色の濃いものと淡いものとがまじっていること。
 また、そのものやそのさま。ぶち。



降っていた雨が完全に止み
うつ向きながら水溜りの上をゆっくりと歩き、乾いた地面に斑に足跡が付く。


『まだ少し遊びたいと 
 待ちわびる 
 空のぶらんこ』

まだ少し遊びたい
 雨上がりに少しの間残るもの

待ちわびる
 来るものがなかなか来ないため、気をもみながら待つ。

ブランコ
 振り子の動き 揺れる 半円
 →以上の事から虹と推測

何を誰を待っているのか

水溜りに雨上がりの虹が名残惜しげに写る


人はそこで思い知る 
 追いつけぬ 帰心のつぶさ

思い知る
 ある物事を身に染みて理解する。なるほどと悟る

帰心
 故郷やわが家に帰りたいと願う心。
 ある人を心から尊敬すること。

つぶさ
 すべて備わっているさま。
 もれなく揃っているさま。完全なさま。
 細かく詳しいさま。つまびらかなさま。詳細。


その虹をみて思い知る
うつ向いてばかりで晴れた空にかかる虹に気付いていなかったように、過去に捕らわれ今を見れていなかったことを
もう居ない人を思う自分の心は、追いかけても届かずすぐ消えてしまう虹を追うのと同じである


ああ 
 速度あげて風まかせ 
 あれは どこへ いくのかな』

風まかせ
 自分の意志によらないで、その時のなりゆきに任せること。


先程までゆっくりと歩いていたが、虹を見ているうちに無意識に、何かに突き動かされるように走り出した
近付けば遠退くあの虹は、どこへ向かっているのだろう


息をとめ 空を歩く

一度立ち止まり
空を写す水溜りの上を歩く


すぐさ
 すぐつく距離さ
 だから泣くな』

雨が止まないと現れない虹にあなたを重ねている虹は空のかけ橋
泣いたままでは(虹)あなたに会えない
あなたがまだ泣いているのなら虹(橋)がかからないお互い泣いていては会えない


愛していると 
 あなたに あなただけに言えた 
 今も幸せです と 
 凍空を来し両眼を茫漠の樹下に閉ず』

凍空
 凍りついたように寒々とした冬の空。

来し
 既に来た 過ぎた

茫漠
 だだっ広くて、とりとめのないさま。
 ぼうっとしてはっきりしないさま。

樹下
 樹の下 暗い 木陰?

雨宿り
 雨上がりなので葉に乗った滴が落ちる事がある


愛しているとあなただけに言えた
凍りついた寒空のような時は過ぎたのだから
あなたがいなくなった今も幸せです
と言えなければ

もう雨は降っていないが樹の下で雨宿りをする
雨は止んでいるはずなのにどこからか落ちてくる滴でぼやけた両目を閉じる

虹に追い付けたのか追い付けなかったのかは不明


駆け足で
 それぞれは向かい合い 
 ささやかに 生きた証 と飛ぶ 
 訪れた春の雪に抱かれながら

駆け足
 人生はあっという間の意味だと思っている

生きた証
 思い出を忘れずに生きていればあなたが確かにいたことの証明になることだと思っている

飛ぶ
 生きることを意味すると思っている
 類義語 歩く 泳ぐ


 暖かで幸せなときを意味すると思っている


 暖かな思い出を意味すると思っている


あっという間に過ぎて行く人生の中では駆け足ですれ違うほどの短い間でしかないが
その瞬間で人々は向かい合い
ささやかに生きた証を互いに遺し
またそれぞれの道を歩んでいく

ようやく気付けた『あなたとのささやかで幸せな思い出』と共にこれからも生きて行こうと思う


まとめ


雨が止み、空が晴れ渡っているが
ひとりうつ向きながら水溜りの上をのろのろと歩いている。
乾いた地面に足跡が斑についていく。

ふと、足元で名残惜しげに虹が揺れていることに気付く
その虹をみて思い至る

うつ向いてばかりで晴れた空にかかる虹に気付いていなかったように、過去に捕らわれ今を見れていなかったことを

もう居ない人を思う自分の心は、追いかけても届かず、すぐ消えてしまう虹を追うのと同じであると

先程までのろのろと歩いていたのが嘘のように、突き動かされるように走り出していた
近付けば遠退くあの虹は、どこへ向かっているのだろう
虹の先には何があるのだろうか

走り続けた足を止め、いちど呼吸を止めてから
空を写す水溜りの上を歩きだした

すぐさ
すぐつく距離さ

走れど届かないあの虹にあなたに重ねた
雨が降り続けていては虹がかからない
泣いていてはあなたに会えないではないか
もう雨は止んでいる

だから泣くな


愛しているとあなただけに言えた
凍りついた寒空のように辛い時は過ぎたのだからあなたがいなくなった今でも
幸せです
と言えなければ

もう雨は降っていないが樹の下で雨宿りをする
雨は止んでいるはずなのにどこからか落ちてくる滴でぼやけた両目を閉じる

駆け足で過ぎ行く人生の中で
それぞれの人生が向かい合い
ささやかに生きた証を遺して
またそれぞれの道を歩んでいく

わたしもそのように、あなたと共に歩んだ者としてこれからも生きていこうと思う
あなたとのささやかで幸せな思い出と共に


"曲全体"の解釈(イメージ)

イントロの部分は雨降りで、雨粒が水溜まりに落ちて波紋が広がるようなイメージと雲間から光が差し込んできたイメージ

『斑に染める』の後のギター(みゃんって音)は水溜まりを踏んでその水が靴裏にひっついてきてそれが『まだ少し遊びたい』と袖をひかれたように感じるイメージ

『ぶらんこ』で反響するところとそのギターは振り返った際に水溜まりに映る虹が揺れていてそれが強調されているイメージ

『帰心のつぶさ』の追いギターは一歩踏み出しまた一歩強く踏み出して走り出すイメージ

『息をとめ 空を歩く』のところは走っていた足が次第に落ちて、息も絶え絶えに膝に手をついてうつ向くイメージ

『すぐさ』で無理にでも笑って
『すぐつく距離さ』歯をくいしばって
『だから泣くな』流れ出る涙をぬぐいながら前を向いてまた駆け出すイメージ

『駆け足で』で空に手を伸ばし
『それぞれは向かい合い』で眩しいほどに白い雪が降ってきて
『ささやかに 生きた証 と飛ぶ』で手にのった雪を確かめてほほえみ
『訪れた春の雪に抱かれながら』で手のひらで溶けて行く雪を優しく握りながら目をとじ、思い出に浸るイメージ

アウトロでフェードアウトしているので、彼の人生はこれからも続いて行く
ということを意味してたらいいなと思っている

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