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【レポート】こうち100人カイギvol.13 ~楽しみながら未来を切り開く~


地域で働く100人をきっかけに、まちの在り方や価値を再発見し、ゆるく人を繋げる「100人カイギ」がKochi Startup BASEを拠点として2019年1月よりスタートしています。
新型肺炎の拡大により一時的に開催をおやすみしていましたが、2020年9月、満を辞してオンラインイベントとして再開しました。

100人カイギのルールは1つ。「ゲストが100名に達したら解散」。

高知で活躍するゲストを毎回5人お呼びして、生き方やその思いについて語っていただきます。

今回は、2020年9月29日に開催されたこうち100人カイギvol.13の様子をレポート。高知県内外、多様な分野で活動する5名の方々をオンラインで繋ぎ、それぞれが自分自身の生き方や働き方について話題提供を行い、参加者とともにネットワーキングを行いました。


オープニング、アイスブレイク

はじめに、100人カイギ、KSBの概要について紹介を行ったあと、アイスブレイクを行いました。今回はオンライン開催ということもあり、zoomの名前変更機能を使って、名前の後ろに@で、『最近のマイブーム』を記載しました。季節感が感じられるものや、詳しく聞かないとわからないものまで、様々なマイブームが記載され、少し緊張感のあった場が和やかな雰囲気に変化していきました。


各者各様の想い


登壇者1

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浦安 慧さん(土佐塾中学・高等学校 教諭 /GEG Kochi Leader/Founder)

<プロフィール>
1991年2月生まれ。広島県三原市出身。
高知工科大学大学院で、淡水のミジンコ類と水質・地球温暖化の関連について研究をする傍ら、教員免許を取得。あらゆる「環境」を整えることに興味が湧き、大学4年時に、学校サポーター学生運営委員会を設立し、小学校等の放課後教室のサポートに行く学生たちを支援する基盤をつくる。2015年から私立土佐塾中学・高等学校の理科(生物)の教員として勤務。Google認定教育者の資格を取得し、Google Educator Groups Kochi(GEG Kochi)を設立し、高知県におけるICT教育の発展に寄与するために日々活動している。経済産業省「未来の教室」実証事業「Hero Makers 2期生」。好きなことは、野球、温泉、キャンプ。

子どもたちにITを使わない未来はあるか?

 ご自身を「プーさん」と名乗る浦安さんは、大学進学を期に高知に。大学での学びの他にもあらゆる「環境」の調整に関わりを持ち、現在は土佐塾中学・高等学校の教員として働きながら、GEG kochiの立ち上げなど、ITを活用した教育にも携わっています。
『全ての人にアップデートし続ける教育を』というモットーを持って活動する中で、憤りを感じる部分もあるそうで、「これからの子どもたちにITを使わない未来はありますか?」と強い想いを伝える場面もありました。
 今後取り組みたいこととして、「できない。ではなく、やれることはどこか。を他の教員とも一緒に考え、手が届く範囲から21世紀の教育をアップデートしたい。」と語ってくれました。

登壇者2

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楠瀬まどかさん(まんまる高知共同代表/㈱SKK)

<プロフィール>
1992年生まれ。高知市出身。京都や韓国で大学生活を送った後、色んな挫折を味わって高知にUターン。2015年秋より、海上クレーンメーカーの㈱SKKで採用・広報・防災担当として業務に従事。採用活動に関わる中で、高知の人口流出が激しい現実を目の当たりにする。人口流出を防ぐためには、「企業と学校の連携」が必要だと考え、高知の企業と学校をつなぐ活動を開始。
また、2019年には「まんまる高知」を数名のメンバーと立ち上げる。まんまる高知は、強くてあたたかい高知を目指し様々な課題解決アクションや、業種を超えた横のつながりづくりに励んでいる。


自分自身が楽しいと思える高知を

 現在株式会社SKKにて採用・広報・防災担当として働きながら、高知での面白い生き方などを発信する『まんまる高知』の共同代表も務める楠瀬さん。現在、彼女には高知好きというイメージがついていますが、そのイメージとはうってかわって、「高知はおもしろくない」と感じていたそうです。その考えが変わったのは、高知で働きはじめてからのこと。就職して採用担当になった楠瀬さんは、高知に就職希望の学生があまりにも少ないことに驚愕しました。その原因の中でも「楽しそうな大人(同世代)が少ない」ことが大きなネックだと感じ、その思いから『まんまる高知」を仲間と立ち上げ、現在はビジネスも行政も手をつけない、やりたがらない『スキマ』を埋める活動しています。
これまでの活動を紹介しながら、「問題だと思ったことを、自分たちで解決しながら、自分自身が楽しいと思える高知を作っていきたい」と笑顔で語りました。



登壇者3

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土居 桃子さん(MOMO-CO-CREATION 代表)

<プロフィール>
1964年生まれ。日高村出身。4人の子どもを育てながら25年余り保育園勤務。離婚、失業、難病発病を経て、2016年、著者『絵を聴く保育〜自己肯定感を育む描画活動』を出版。一念発起、起業家に。2018年度 高知ビジネスプランコンテスト優秀賞・参加者賞ダブル受賞。『絵を聴く人養成プラン』実施中。2019年度経済産業省『未来の教室』実証事業i.Dareに参加。Hero makers2修了。
2020年8月FFC(フーズフォーチルドレン)高知支部長就任。『ケミカルフリーな食と農』を推進。すべての子ども達が自己肯定感を持ち夢と希望を描き、生き生きと暮らせる環境づくりを目指し、対話的描画活動『絵を聴く保育』の実践と子どもの食から自然栽培、地球環境への意識を高める活動をはじめている。

絵を聴く魔法

子供の頃ネガティブ思考だった自身の経験から、「いつか魔法使いになって自分も周りも変えたい」と考えていた桃子さん。そんな思いから保育士になり、ある時現場で出会った5歳児の絵を見て、「どんな環境で育ったらこんな絵を描くのか?」と強い衝撃を受けました。
その後、自身で経験と学びを積み、「どんなダメなあなたでも私はあなたの味方」という保育観を持って、子どもと1対1で話を聴きながら個性を引き出す『絵を聴く保育』を実践しはじめます。絵には子どもたちの思いや発達が現れるため、豊かな経験と伝えたい思いがあることによって、子どもたちの絵はより豊かになっていきます。25年間絵を聴き続け、子ども達の絵の変化と、自己肯定感が生まれていく過程を共にする中で、最近は少しずつ自分の目指していた魔法が使えるようになったと感じられるようになったと話してくれました。


登壇者4

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古川 森さん(TOMARIGI HOSTEL/マネージャー)

<プロフィール>
1996年千葉県市川市出身。2013年、隠岐島前高校への島留学生として海士町へ移住。地域を創る大人たちの背中を目指して、高知大学地域協働学部に入学し、さらに地域への関わりを深める。大学3年生の際にTOMARIGI HOSTELのオープン時からスタッフとして携わり、1年で100本以上のイベントを企画・運営と共に広報を担当。大学を卒業後、現在はマネージャーとしてTOMARIGI HOSTELの宿の運営の傍、「人の価値」にフォーカスを当てたBarの運営やメディアの企画を手掛ける。様々な経験を培わせてもらう中で、今たどり着いた自分を表す言葉は、”意思をもって流れてみる”。

宿づくりを通して在り方を考える

 人生初のゲストハウス滞在で感銘を受けた古川さんは、高知市菜園場町にある『TOMARIGI HOSTEL』でのインターンを経て、現在は『TOMARIGI HOSTEL』のマネージャー兼合同会社とまり木の業務執行役員を務めています。「滞在に新たな価値を」というテーマのもと、基本的な宿の運営業務のみならず、ECサイトや、インスタマガジンの立ち上げ・運営なども行っています。
 宿づくりを通して、自分自身の在り方も考えているという古川さん。「宿に滞在する時間を、寝る場所から旅を彩る場所にしていきたい」という想いから、興味のあるイラストを描いてみたり、「五感」にアプローチした宿企画を立てたりしています。最後には今、自身の軸となっている「とまり木が教えてくれた大切にしたいこと」を紹介してくれ、様々な気づきや機会を与えてくれるとまり木で、「これからも挑戦していきたい」と宣言してくれました。

登壇者5

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吉冨 慎作さん(土佐山アカデミー事務局長/水の人/アイデアを作る百姓)

<プロフィール>
山口県下関市出身。
宇部高専時代ロボットコンテスト等で活躍するも、デザイナーに転向。その後外資系広告代理店へ移籍し、企業ブランディング・Webキャンペーン・商品開発・TVCM・ポスター制作等に関わるなかで坂本龍馬のポータルサイト「龍馬街道」を立上げ高知と深く関わっていく。2013年2月、土佐山アカデミーの想いに共感し移住を決意。個人・企業・行政を対象に、地域課題を資源と捉える逆転の発想で「教材」としてワークショップ・企業研修など、中山間地域を学びの場に変えていく活動を展開中。その他にも起業支援・チームビルディング・新規事業開発・ビジョンシェアリングを得意とする。
内閣府「地域活性化伝道師」/高知家移住促進プロジェクトKIP理事/高知県社会教育委員/高知県観光特使/高知県観光プロモーションクリエイティブアドバイザー/高知高専非常勤講師


「大人の才能の無駄遣い」

「あなたの役割って何ですか?」という問いかけから始まった吉冨さんのゲストトーク。吉冨さん自身、土の人(地元の人)と風の人(外から来る人)をつなぐ、『水の人』の役割を担っていると話しました。実際、土佐山アカデミーでは、地域の課題をポジティブに捉え直し、資源に変え、さらにアイデアを加えていくことで、話題性を作り出し、土佐山に人がめぐる仕組みをつくりだしています。例えば竹害を課題に置いたイベントでは、JALの協力を経て、世界最速のそうめん流しを行うなど。どうやって楽しくビジネスにしていくか、ということに全力で取り組む「大人の才能の無駄遣い」を子どもたちに見せることを大切にしています。
今後は、こうした活動を通じて一緒に楽しんでくれる仲間を増やしながら、オンラインでも土佐山と関わりを持ってくれる関係にシフトしていきたい、と話してくれました。


ネットワーキング

登壇者と参加者の垣根を超え、ゆるくつながるネットワーキングの時間。
今回はzoomの機能の一つ、『ブレイクアウトルーム』の機能を使って、参加者を3つの部屋に分け、対話をしました。入れ替えの時間には、それぞれの部屋でどんな話題で盛り上がったかを簡単に共有しました。

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総括

オンラインでの開催は初となった今回の100人カイギ。今回ご登壇いただいた5名の方は、コロナ禍においても悲観しすぎず、前向きにご自身の考える目標やビジョンに向かって、進んでいるように感じました。楽しみながら未来を切り開いていく登壇者の想いは、オンラインであっても参加者のみなさんにしっかりと伝わったようで、ゲストトークの間もチャットを通じてリアクションを返したり、情報交換が行われたりと、とても活発な回となりました。ネットワーキング終了後も話が盛り上がり、参加者同士で新たなイベントの企画が生まれるなど、新たな生活様式のなかでの100人カイギの可能性を感じました。


※100人カイギとは
100人カイギは、一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の“身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動です。2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。

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(レポート:檜山 諒 )


問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒781-0084 高知県高知市南御座6-10 高知蔦屋書店3F
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/

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