こうち観光実践しゃべりば#16 ~withコロナ・afterコロナの高知県観光を考えよう~
第16回目のテーマ「コロナの先の高知県観光」
『こうち観光実践しゃべりば』は、観光に対する自身の活動や想いを語り合い、自分たちで気づき、認め合い、応援することで、高知の観光に緩やかなつながりを生み出す場です。
講師の話を聞くのとは異なり、参加者同士で話し、見つめなおすことで、明日から使える、より実践的な学びを提供します。
今回は、新型コロナウイルスの影響による初のオンライン開催。
「withコロナ、afterコロナの高知県観光」をテーマに、今厳しい局面にある観光業がこの状況をどう乗り切り、どう次のチャンスにつなげていくかを考える時間としました。参加者の方々がお持ちの情報や経験を交換し合い、悩みを相談し合い、次すべきことを前向きに考えることを目標に語り合いました。
コロナ禍における観光業の現状と対応策について知る
今回はオンライン開催のため、遠方から初参加という方もいらっしゃいました。チェックインでお互いのことを知った後、まずは高知県、そして観光業界におけるコロナ対策の指針(ガイドライン)について確認しました。
以前から繰り返し言われている「マスク着用、手指消毒、3密の防止」等を基本とし、これからの観光業が実際どういった点に配慮して観光客の誘致を再開していけばいいのかについて、例を参考にしながら考えていきました。
また、国の「Go To Travelキャンペーン」や、高知県の「高知県観光リカバリーキャンペーン」といった、観光復興に向けた補助制度の活用についても情報交換しました。
参加者からは、市町村が独自に行っている補助制度の紹介や、実際に制度を活用しようとしているプランについての共有があり、他の参加者は参考にしていました。
他地域の事例を見てみよう
次に、旅行者、特にインバウンドが訪日できなくなったことによって大きな打撃を受けている地域で、今どんなことに取り組んでいるのかを学びました。
近場の客に狙いを定めた旅行商品に切り替え、新たな顧客の呼び込みに挑む地域や、観光名所の清掃、シェフやガイドの養成研修開催、PR材料の整理など、これまで後回しになっていたことを一つずつ行い、観光地の質を高めて備えている地域。旅館を疑似体験できる動画の配信、SNSを使ったPR、旅館HPの多言語対応など、回復期に備えた情報発信を積極的に行っている地域など。それぞれがwithコロナ・afterコロナを見据えて前向きに取り組んでいる様子が分かりました。
こうした他地域の事例を学んで、参加者の方でもアイデアが湧き、旅行代行サービスやお取り寄せの可能性を議論していました。
一方で、一時しのぎではなくコロナ終息後も継続的に新たな資源や客層を取り込んでいくようなサービスの必要性に気付いた参加者や、地域住民の気持ちを重視する姿勢の重要性を感じている参加者からの意見もあり、共感を呼んでいました。
地元民でも行きたい!高知の旅行コンテンツを考えてみよう
インプットと議論の後、実際に自分たちは何をしていくかを考えました。
県をまたいだ往来がまだ厳しい状況下なので、今回はマイクロツーリズム(近場の旅行プラン)やネットを用いたサービスで、高知県民が行きたいと思えるような旅行プラン、また県外の人が高知と繋がれるようなサービスをそれぞれが考えてみました。
色々な案が出た中でも、趣味のマッチングや旅先での地元住民との交流など、「人」を動機付けとする旅行の案が目立ち、人と容易に会えない今だからこそ生身の人との交流により価値が見出されるのではないか、と皆さんが感じているようでした。
一方で、「地酒を取り寄せで送って、高知のおんちゃんとzoom飲み」など、オンラインだからこそできるこれまでにない旅の楽しみ方も提案されていて、これからますます旅行形態が多様になり、観光業が工夫次第で面白くなっていく予感もした議論となりました。
チェックアウト
最後に、参加者それぞれがこれからしていきたいことや感想を述べました。
普段はオンラインに苦手意識を持っているという参加者もおられましたが、オンラインだからこそ繋がれた仲間のおかげで新たな気づきがあったという方が多く、ネット活用の可能性を改めて感じていました。
また、こんな状況下だからこそ画面越しでも同じ志を持つ仲間としゃべり合えるのは楽しいという意見も挙がり、オンライン・オフライン関係なく、人と繋がり共に何かをしていくことのパワーを強く感じました。
総括
今回は初のオンライン開催で、初参加の方や県外からの参加者もいらっしゃり、いつにも増して新鮮味のある楽しい場になりました。こんな時期だからこそ、これまでの観光の在り方を見直したり、人とのつながりという力を再評価することができたりするのではないかと思います。
そうした備えの上で、インターネットを活用した新たなサービスや斬新なアイディアが観光業界を進化させていく、その潮流に乗っていけるよう行動していきたいという参加者の方々の前向きな意思を感じました。高知県の観光人たちがコロナ禍に負けず、次なる道を切り拓いていけるよう、しゃべりばもますますオープンで面白い場にしていきたいと感じました。
(レポート:陶山 智美)
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