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【ジャーナル】[Part2]こうち100人カイギ vol.12 森田 将之さん(農業個人事業主【ピーマン農家】)/横田 明依さん(現役JK)


2019年1月よりKochi Startup BASEにて始まった「こうち100人カイギ」。
高知の様々な分野で活動するゲストを、毎回5人お呼びして、生き方やその思いについて語っていただいております。全部で100人になったら、終了なこの企画。
今回は、2020年2月12日(水)に開催された、vol.12に登壇いただいた4名、1人1人の話にフォーカスを当てています。

今回の登壇者は下は17歳、上は30歳と、過去一番平均年齢の若い回となりまましたが、それぞれが今まで生きてきた中で感じたことや変化していることを言葉で表現してくれました。

参加したくても参加できなかった方、この方のお話が聞きたかった、など様々な方に読んでいただければ幸いです。


<こうち100人カイギ vol.12の登壇者>
4名それぞれの話を
もっと深く知りたい方は、こちらの記事もチェック!
※お名前をクリックすると、その記事に飛べます。

難波 佳希さん(Part 1掲載)
道野 勇輝さん (Part 1掲載)

森田 将之さん (Part 2掲載)
横田 明依さん (Part 2掲載)


3人目の登壇者は、農業個人事業主【ピーマン農家】の森田 将之(もりた まさゆき)さん。

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ものごごろついてから、24歳まで野球に明け暮れる日々を過ごす。学生時代はプロになれると思って続けていたが、年齢を重ねるごとにプロの世界で活躍する事が困難かと思い始め、24歳に左膝の靭帯断裂を理由に現役を引退。その後2.3年は、自分が生活するためだけのお金を稼ぎ、仕事に没頭する事もなく、何かを目指す事もなく、ただただ何となく日々を過ごす。26歳の冬、京都で営業マンをしていた時に父から電話があり、実家の高知に帰ることを決意。それと同時に家業の農家を継ぐことに。その1年後、父は他界。農業経験一年足らずで、経営から生産までを任され、今年3年目の春を迎える。

夢を諦める

高知県生まれの森田さんは、物心ついた時から野球ボールを投げていた、と話し始めました。父親とキャッチボールを始め、それから17年間、プロ野球選手を目指していました。小中高は高知県内の学校、大学は関西の学校へ進学。どれも野球受験したものばかりで、想像を超える以上に勉強はしなかった、と言います。大学卒業後も野球で就職し2年間過ごしましたが、その時プロになることへの厳しさを感じました。そんな折、左足の靭帯を痛めてしまいます。この怪我が引き金となり、「野球で飯を食っていく」夢は諦めざるを得なくなりました。

人生の転機

当時、森田さんは24歳。それまでの人生は本当に野球一色で、自分から野球がなくなるなんて考えてもみませんでした。一般的な24歳は大学も卒業して社会に出て働かないといけない年齢。関西で一人暮らしの生活は、家賃にしろ食費にしろ、何をするにもお金のいる状態でした。生きていくためにサラリーマンをしましたが、自分のエネルギーを注げるものにはならず、「目標も夢も何もなく、なんとなく毎日を過ごすだけで楽しくなかった」と振り返りました。野球を辞め、社会人になって3年が経った頃、突然転機が訪れました。
それは、農業をしている実家の父の身体が悪くなったという知らせ。一度だけではなく、何度も続く知らせに心配になり、実家に帰ることにしました。そこで見たのは想像を遥かに超える、父親の動けなくなった姿。その様子を目の当たりにした森田さんは「自分が継がなければいけない」と思い、実家の農業を継ぐために帰省することを決意しました。

とにかく動くこと

26歳の4月に帰省しましたが、それから1年半くらいの間、良いことも悪いことも含め、沢山のことが起こりました。自身の結婚、子どもの出産、父親の死、農業の継承・・・目まぐるしく日々が過ぎ去る中で、「自分は大丈夫なのか」と不安がよぎりました。
このままでは生きていけないと思い始めたとき、地元の農業をしている方と知り合いました。農業についてももちろん、経営者としても初心者同然の森田さんは、その方からたくさんのことを学びました。そして、2年前に誘ってもらった講演会で自身の考えが大きく変わったと言います。
その講演会の内容は、「とにかく動け」というもの。動くことによって例え間違えたとしても何かしら結果は出ること、頭で考えるだけじゃなく自分の体を動かして、自分で感じて軌道修正していけばいい、という内容でした。
当時、何か言い訳をして一歩踏み出せなかったことが多かった自身を振り返り、それからは結果を考えずに瞬発的に行動することを意識しています。農業4年目にして、行動力がない時や、気分で行動にムラはあるものの、少しでも意識すること、行動するようになった自分に対して変わってきた自覚もあると言いました。

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まだまだ成長していく

今森田さんには、2歳半の子どもがいます。子どもを見ていて自分自身教えてもらっていることが多いそうです。「子どもがなんで歩けるようになるか考えたことありますか?」と観衆に尋ねました。
だいたい1歳くらいで立ち始めて、月日が経つにつれ、10歩20歩と歩けるようになり、次第に走り出せるようになる。これは歩き出せるから歩き出すのではなくて、歩いている人を見て、自分も歩けるんじゃないかと思い、行動し続けた結果だ、と我が子の成長を見て感じました。
大人になると目で見てわかる変化は子どもより少なくなりますが、子どもがそれぐらい行動して成長できるということは、大人でも頭の中、心の中と行動することによって成長の幅はまだまだ広がるのでは、と考えています。
まだ明確な目標はありませんが、いろんな人の教え、勧めはできる限り時間と家族が許す限り、行動して感じて今後の人生のプラスになるように続けていきたい、と自身の話を締めました。

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4人目の登壇者は、現役JKの横田 明依(よこた めい)さん。

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2002年生まれ、高知県出身。今、高知で最も大人を巻き込んでいるJK。高知大学起業部に所属。昨年10月に参加した起業体験イベント「Startup Weekend」で人生が変わる。人と繋がることや、何かを共有し創造する楽しさを経験し、学校では誰も教えてくれない「学び」の楽しさに気づく。「学校」以外の場所で、高知の高校生が社会と関わるためのハードルを下げる仕組みを創ることが目標。

高校生でありながら

前回登壇した方が行なっていた参加者との自撮り撮影がしたかったと、登壇早々動き出す横田さん。現役女子高生、過去の100人カイギ登壇者で最年少です。高知生まれ、高知育ちで、自身のことを県内では珍しいタイプの高校生と話しはじました。その一番の違いは、「いろんなところに顔を持っていること」。一般的な同年代の学生は、学校では生徒、家では娘や息子、その2面が多いかと思いますが、横田さんにはたくさんの顔があります。『高知大学起業部』、『TOSA EDUCATOR‘S GUILD』のメンバー、『Startup Weekend』のオーガナイザーなど、高校生ながら様々な活動を精力的に行っています。

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きっかけは『Startup Weekend』

なぜこのような活動をするようになったかというと、それは『Startup Weekend』の影響が大きいと話しました。これは『特定非営利活動法人 Startup Weekend』という組織が始めた起業イベントです。金曜日の夜から日曜日の夜までの54時間で、ビジネスのプロトタイプを作っていくというもので、現在は全国各地で開催されています。高知は昨年(2019年)の10月に初開催。横田さんはその時に参加し、最年少参加者でありながら、チームリーダーを担いました。このイベントで作ったアイディアが最終発表で準優勝に輝いたり、また別の地方創生アイディアコンテストでも、このアイディアをもとに大学生とタッグを組んで優秀賞に輝いたりと、イベントを通じて普段味わうことのできない経験を積むことが出来ました。

学校は変わるべき

中学、高校と学生生活を送っていて感じていることは、「学校の大人は何も知らない」ということ。今まで出会った中の一部ではありますが、少なからずそう感じてしまうような出来事があったそうです。
自身の経験を踏まえた上で、今の高校の探求活動では、「一人一台PC配備しましょう」と言われているものの、そんな時代に学ぼうとしない、外の世界を知ろうとしない先生から学ぼうとする「主体的な生徒が生まれることは不可能」だと思っています。
こうした一部の価値観が凝り固まった人々に影響されて、自分たちの未来ある可能性が削られるのは本当におかしい。本当に学校はもう変わるべきだ、と自身の考えを伝えました。
世間一般では、ジェンダーや働き方など、刻一刻と多様化している現代。しかし、なぜか学校の中は全然変わっていない現実。その例として、ある校則を挙げました。
『学習に不要なものは学校に持ってこない(雑誌、漫画、ゲーム用品、携帯電話など)』
これは実際にある校則ですが、横田さん自身は、その不要と決められているものからたくさんの学びを得ていると言います。そこで、本当に学習に不要なものかは学習者自身が決めるべきであって、学校の大人に決められるべきではないと言いました。

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FUTURE I WANNA CREATE

今の時代は学習者が先生や教材を選ぶ時代。話を聞きたくない先生の授業は話を聞かないし、話を聞きたい先生の話は聞く、そう言葉は続きました。
しかし、こんなにいろいろ口にしたところで、本当に変わってくれない人がいることを横田さん自身感じています。そこで、これからは「変わってくれない」と気づいた自分たちが学校や未来を「変えていくべき」と言います。
自身と同じように考えている同年代の人たちと一緒に、学校の枠を飛び出して勝手に関わり合って影響していける関係を高知に作っていきたい。そしてこの行動は、自分のためだけではなく、自分と似たような環境の学生のためでもある、とこれからの活動について前向きに話してくれました。



【総括】

マイクもスライドも使わず自分の声だけでまっすぐ前を見て話してくれた森田さん。一つのことを追い続け、追い続けられなくなったその先で、また自分を再構築できた姿に勇気をもらった方も多いのではないでしょうか。
また、最年少登壇者ながらも自身の思いをはっきり言葉にした横田さん。高校生から見た大人への辛辣な意見に会場から笑いも絶えませんでしたが、これからの世代としての頼もしさも感じました。

(レポート:畠中 詩織)

100人カイギとは 
一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の"身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動を始めました。 2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。
100人カイギの一番の特徴ともいえるのが、「ゲストの合計が100人になったら会を解散する」ということ。100人の話を起点に、肩書や職種ではなく、「想い」でつながる、ゆるやかなコミュニティを作ります。

問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒781-0084 高知県高知市南御座90-1 高知 蔦屋書店3F
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/


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