【ジャーナル】[Part1]こうち100人カイギ vol.15 池田 詩乃さん(高知大学農林海洋科学部2回生)
2019年1月よりKochi Startup BASE®︎にて始まった「こうち100人カイギ」。
高知の様々な分野で活動するゲストを、毎回5人お呼びして、生き方やその思いについて語っていただいております。全部で100人になったら、終了なこの企画。
今回は、2020年11月24日(火)にKochi Startup BASE®︎会場と、オンライン上の2箇所で開催された、vol.15に登壇いただいた5名、1人1人の話にフォーカスを当てています。
参加したくても参加できなかった方、この方のお話が聞きたかった、など様々な方に読んでいただければ幸いです。
<こうち100人カイギ vol.15の登壇者>
5名それぞれの話を
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※お名前をクリックすると、その記事に飛べます。
池田 詩乃さん(Part 1掲載)
今村 かをりさん(Part2掲載)
岡田美保さん (Part 2掲載)
藤野 幸彦さん (Part 3掲載)
三谷 真平さん (Part3掲載)
1人目の登壇者は、
高知大学農林海洋科学部2回生の池田 詩乃さん。
大阪府出身。2000年生まれ。
魚の刺身が美味しいからという理由で高知大学農林海洋科学部に進学。青汁の原料であるケールを高知大学生で栽培し、経営まで行う『プロジェクトK』の代表。学生が感じた「自然が大好き」という思いで、第一次産業を、高知を、盛り上げたいと考えている。実際に現場に行くことや人と話すことで得られる学びを大切にしている。迷ったらどっちが面白いかで選んでいると、大抵の事が面白そう!と感じるようになり、頼まれたことは二つ返事で承諾する。日本酒が大好き。酔った人の熱い話を聞くのも大好き。
NGなしの人間です
「安心してください、私、誰よりも緊張しているので。」「安心してくださいと言えば、とにかく明るい安村さんのネタですが、私もとにかく明るい人間です。」と、和やかな雰囲気の語りだしとなった池田さんの話は、まず大学入学当時のエピソードから始まりました。
なんでも2秒でオッケーと言ってしまう「NGなし」の人間だったという池田さん。大学では、声をかけられた誘いにすべて「参加します」と答えていたところ、10個以上のサークルに入り、商店街に水族館を作るお手伝いをしたり、フェリーで13時間の離島で農業ボランティアをしたり、鹿児島、岩手、新潟と日本各地で農業、漁業、林業のボランティアをするなど、たくさんの活動をしていました。それだけではなく、香南市の観光大使になったり、哲学を学んだり、海外交流事業に参加したり、お笑い芸人のお手伝いをしたり…と、大学に入ってからの1年半でとにかく様々な経験をしました。
それほど多くの活動をしている池田さんですが、今最も頑張っていることがあります。それは、遠藤青汁さんと一緒に取り組んでいる『プロジェクトK』という事業。大学生がケール畑を一から経営し、育苗から販売までを行うプロジェクトで、池田さんが代表を務めています。ケールを、独自の商品開発など、どんどん広げていきたいと考えていると話しました。
とにかく私は現場主義
「とにかく私は現場主義です。」そう語る池田さんは、現場で人の話をしっかり聞くために、メモを一切取りません。
そのかわりに、気になることや、大事だと感じたことがあれば、すぐにスマートフォンで調べます。そうすることで、相手の話をしっかりと聞け、場の雰囲気を感じて考えることができ、そこからやる気が生まれ、行動する気力が湧いてきます。そのため、常に現場主義を貫いているのだと話しました。
これから大学を卒業し、現場に出てしていきたいことは「融合すること」。世の中にあるたくさんの選択肢のうち、どれか一つを集中して取り組むことが一般的で言われることも多い世の中ですが、池田さんは自分自身がこの1年半で様々な種類の経験をしたことを活かし、かけ合わせ、融合させることで、世の中を面白くしていきたいと考えています。
融合させていくうえで大切にしているのは、「ギャップ」。今取り組んでいる『プロジェクトK』も農業×女子大学生というよいギャップが生まれています。
そして、これから取り組みたいのは「教育×地域」です。勉強がとても嫌いだと言う池田さんですが、「勉強が嫌いな人が取り組む教育」というギャップに面白さを感じています。兵庫県尼崎市で、夏休みの学校を借りて行われるサマーセミナーという活動があります。そこでは、地域の農業スペシャリストやポケモンの大好きな女の子が先生として、みんなの前で話をします。誰でも先生になれる環境というのは、「ギャップ」を生むことができる面白い取り組みだと感じ、学生のうちに高知で開催できないかと、現在計画しているところです。
ギャップを融合させる
ここまで話の節々で登場している「ギャップのある何かを融合させる」という考え方ですが、高知県で活躍するお笑い芸人『あつかんDRAGON』の2人の考えに共感したことから始まっています。『あつかんDRAGON』の2人は、ビジネスや教育、いじめ、日常等、どんな内容でもお笑いを掛け合わせることで、全てプラスの方向に動くという考えのもと活動をしています。
実際に真逆のように思えることでも、実は密接にかかわっているものはたくさんあります。例えば、農業と漁業。アクアポニックスという野菜も魚も育てることができる装置があったり、海の生き物を畑の肥料に使ったり、廃棄する農作物が海の生き物の餌になったり、と様々な分野で真逆に思えるものが掛け合わさって良い効果を生んでいます。
「私も『あつかんDRAGON』さんに倣って、現場に出ながら、真逆のことを掛け合わせてプラスに変換させる活動をしていきたいです」と笑顔で話しました。
「高知人型」のやる気
大学卒業後も高知県に残るつもりだという池田さん。
「まず、魚が美味しい。高知のお酒も大好き。高知家と呼ばれるほど密接な人間関係も私に合っていて、とても好きです」と高知愛を熱弁しました。
そして、高知県の特に好きな部分は「高知県民のやる気」だと言います。一般的に、人のやる気は「着火型」「誘引型」「不燃焼型」「消火型」4つに分類されます。やる気の火をつけて回る人や消してしまう人など様々な種類がありますが、池田さんはそれにもう一つの種類があるのではないかと提唱しています。それは「高知人型」。「高知人型」は例えると美しい絵画のようで、本当にたくさんの良いものを持っています。しかし、今でこそ巨匠と評されるピカソも、生前に絵が売れることがなかったように、高知の場合もその魅力が十分に伝わっていないといいます。池田さんはそれがとてももったいないことだと感じ、だからこそ、高知という一種の“美しい絵画”を売りまわりたい、と力強く訴えました。
「ただ、今はまだ高知県のことしか知りません。日本全国どこよりも高知県が好き!と胸を張って言えるように、これから日本全国を回ってみようと思っています。それぞれの地域の好きを吸収して、高知の良さも広めていきたいです。」と話を締めました。
【総括】
今までの変化にとんだ学生生活や日々大事にしていること、これからの目標など10分とは思えないくらい密度の濃いお話をしてくださった池田さん。常に信念を忘れずに動き続ける池田さんの姿勢から学ばせていただくことが多くありました。いつか、池田さんの手によって、高知県という“美しい絵画”が世に広まることがとても楽しみです。
(レポート:前田 大我)
100人カイギとは
一般社団法人INTO THE FABRIC 高嶋 大介氏が「同じ会社に勤めていても、1度も話したことがない人がいる」と気づいたことをきっかけに、会社、組織、地域の"身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動を始めました。 2016年六本木で「港区100人カイギ」スタートさせたのを皮切りに、渋谷区、新宿区、相模原市、つくば市、雲南市など全国各地へ広がっています。
100人カイギの一番の特徴ともいえるのが、「ゲストの合計が100人になったら会を解散する」ということ。100人の話を起点に、肩書や職種ではなく、「想い」でつながる、ゆるやかなコミュニティを作ります。
問い合わせ
Kochi Startup BASE®️
住所:〒780-0822 高知県高知市はりまや町3-3-3 GAIAビル2階
運営:エイチタス株式会社 高知支社
Mail: ksb@htus.jp
Webサイト:http://startup-base.jp/