【あと1週間】4日目

今朝、カリカリと何かをかじるような音で目が覚めた。
昨日の夜にいろいろと食べそうなものを置いたものの、こっちゃんが食べたのは鶏肉ひとかけらだった。
一晩置いて乾燥してしまったどれかをちょっと食べようとしたんだろうなあ。
どれくらい食べてくれたのかはわからない。
今日1日で、何かを食べたのはこの時だけだった。

苦しそうに呼吸をしながら横になっているこっちゃん。
今日は祝日なので、学校に電話したりしないでよかったので私ものんびりしていた。
でも時間に余裕があれば、毎日ちょっとずつさみしい変化があることに気づいて、マイナスに考えてしまう時間もあるということ。

食べられなくても何か料理をしはじめたら、キッチンで寝転がったりしていたのが、今日は玄関のすみに隠れるように倒れたまま、ほとんど動かなかった。

お客さんが来れば必ずなでなでアピールをするのに、外を眺めただけで立ち上がることもなかった。
でもお客さんが帰っていく時には「わん！わんわん！」とか細い声で何度も吠えた。

お客さんが帰る時に吠えるのは、「帰らんといて、もうちょっとおってよ」という意味があった。
今日も同じ気持ちで吠えてくれたかな？
また来週も来てね、って思ってくれたかな。

今日はおしっこの回数も少ない。水は飲んでるけれど脱水に近くなっているのだろうか。
でも無理矢理飲ませたり、また注射をしてもらえば顔まわりのリンパ節が腫れ上がることがわかったので、どうすればいいか迷う。

今まで飼ってた猫も犬も食べたり水も飲めなくなると1週間というのは同じだった。
どの子にも最後は横で一緒に寝て、うちの子になった時のことから思い出した。

こっちゃんは息子にとって、初めて自分がお世話をするわんことして我が家に来た。
ぱぱが亡くなってから一年経って、息子の友達、妹のような存在としてやってきた。
ペットショップに金魚を買いに行ったはずが、あまりにもカワイイ姿に私が負けて買ってきてしまった。
初めてペットショップで動物を買った出来事だった。

過去一番高い衝動買いで、家の中の家電よりも高い、誰かに盗まれるんじゃないかと私達がおびえる、高貴で輝けるわんことなった。

こっちゃんは家の中でほとんど寝ているばかりになってしまった。
最期に散歩に行きたいところはどこだろう。
最期に会いたい人は誰だろう。
食べたい物も用意してやりたい。
教えてほしいなあ。
こうやって考える日がずっと続けばいいのに。