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老舗になる日
三菱電機が昨日の2月1日にめでたく創立百周年を迎えました。
《……今日は8日なのです。スミマセン。二日?三日連続で押してしまいました。(この《》内の文はこの記事だけだと意味不明なのですが、2月9日の記事 #後悔の先 にて理由を掲載する予定ですので今の所は読み飛ばして下さい。)》
日本の大手電機会社は8社と言われ、SONY 8.5兆円、日立製作所 7.94兆円、パナソニック 6.54兆円、三菱電機 4.05兆円、富士通 3.61兆円、東芝 3.09兆円、NEC(日本電気) 3.03兆円、シャープ 2.35兆円 (21/3期売上高見通し)。
上記8社は〝総合電機メーカー〟と呼ばれていますが、これは俗語で本来は明確に定義されている訳では無いそうです。
キヤノン 3.16兆円も業種としては電気機器であり、売り上げでもトップ10に入っているのだけれど、大手8社には入っていないのは何故なのか。 もう、キヤノンを入れて大手10社で良いんじゃないかと思うのは仕方が無い筈。なんだけど次点10位はリコー 2兆円で、10〜15位ってけっこう僅差で準王手っぽいから微妙なのだろう。
ともかく、百周年に到達するのは東芝、NEC、日立製作所などに続いて三菱電機が六社目。Google先生やウィキ教授に教えて貰える事ばかりですが、今日はこの総合電気メーカー8社+1社の創業年数にちょっとばかりの豆知識を添えて記事にしました。※尚、情報量や文字数の偏りに執筆者の知識不足であり、決して他意は御座いません。 (以下、人物の敬称略)
東芝は大手電機で最も歴史が古く、1875(明治5)年に創業の田中製造所(後の芝浦製作所)と1890年に創業の白熱舎(後の東京電気)が母体。両社が1939年に合併して東京芝浦電気となり、短縮して〝東芝(TOSHIBA)〟(1984年に東芝へ社名変更)となった。『ウェスティングハウス・エレクトリック・カンパニー(WEC)』による原子力関連部品メーカー『ニュークリアーロジスティクス』の買収計画の買収失敗が元で債務超過に陥って、東証一部から降格してそして又、今年一月末に約三年半振りに一部へ復帰を果たしたのは記憶に新しいかと。
NECは1899年日本初の日米合弁企業として設立。大手8社で通信系を生い立ちとするのはNEC(日本電気)と富士通。外資導入による日本初の日米合弁企業として発足し、電話交換機の生産を始めたのが始まり。合弁相手は米通信大手AT&Tの製造部門『ウェスタン・エレクトリック』。因みに旧英社名 Nippon Electric Company, Limited の略。
日立製作所は意外にも久原鉱業所日立鉱山という鉱業の一部門が分離し、1910年に電動機事業に乗り出したのが始まり。ケチを付ける心算は全く無いけれど、実は日本汽船から笠戸造船所を買収して『株式会社日立製作所』として完全独立したのは1920年2月1日だったりする。以前はコングロマリット(複合企業体)に分類されていた(他にコングロマリットとしてはゼネラル・エレクトリック、シーメンス等が分類されていた)が、2019年にはエレクトロニクスに分類され、世界的にも電気メーカーの認識に返った。総従業員数が29万5,941人は、総合電機最大であり、日本の全業種中でもトヨタ自動車、日本電信電話に次ぐ第三位の規模の従業員数を誇る超巨大企業。
日立の二年後となる1912年(大正元年)に早川徳次が現在の江東区新大橋で民家を借り、開業資金十円と借金四十円、従業員二名の金属加工業を開業したのが、シャープ株式会社の前身となる。現社名は自社開発したシャープペンシルに由来するのだが、シャーペンの和名が〝金属製繰出鉛筆〟とか地味に凄い。2012年頃からの過大投資が裏目となり、2016年4月2日に台湾の『鴻海精密工業』が三分の二弱のシャープ株式を取得、日本の大手電機メーカーとして非常に残念ながら、初の外資傘下の企業となってしまった。つまり、シャープは日本企業では無くなってしまった。もうシャープが日本企業として帰ってくる事は無いだろう……。
パナソニックの創業は1918年。創業者は知る人ぞ知る“経営の神様”と呼ばれる松下幸之助。旧称は松下電器産業株式会社で、すごい田舎に行くと稀に〝松下電器〟や商標の〝ナショナル(National)〟の看板が残っていたりして知っている方も多いかと思います。東京都台東区にある浅草寺の雷門にある大提灯の銘板は松下電器から変更されていないらしい謎。その上、中国の法律で社名は漢字しか認められておらず、中国内では引き続き日系企業の一社として『松下電器』の名称を使用しているので、未だに〝松下〟は生き残ってるっぽい。
大手電機8社の中で三菱電機は日立、東芝と並んで重電系として括られる事が多いのは、三菱造船の電機製作所を母体にして独立したからかも知れない。登記上の会社設立日は1月15日なのだけれど、創立記念日は何故だか2月1日。かつては日立、東芝に続く三番手とされていたが、経営再建に伴い東芝が落ちてしまったので、百周年直前に売上高で二位に浮上。大元の三菱創業者は、古くは【竜馬がゆく】や2010年のNHK大河ドラマで香川照之が【竜馬伝】で演じて有名になった岩崎弥太郎。
富士通の発足は1935年。富士電機製造(現富士電機)の交換、伝送の電話部所管業務が分離独立した。近年はスパコン市場での活躍がクローズアップされているのが特徴的で、世界最高性能を記録した京や富岳を送り出している。非接触型の手のひら静脈認証を世界初の商品として開発した事も有名。個人的に富士通は企業向け製品が多い気がしていますが、日本勢としてこれからも頑張って頂きたい。どうでも良いけれど、当方が初めてふれたパソコンは富士通製でした。
最後発のソニー株式会社は戦後の混乱期1946年に東京、日本橋の百貨店『白木屋』(後の東急百貨店日本橋店、現コレド日本橋)の三階で盛田昭夫、井深大の二人が立ち上げたのが始まり。旧社名は東京通信工業。当方、二十代初めの頃までSONYは海外企業だと思っていましたが、今も昔も純然たる日本企業ですね。実は海外からは日本の多国籍コングロマリットとして認識されているけれども、一応、ちゃんと電気機器メーカー。当方もプレステにはお世話になっておりますよ。「戦後生まれで最も成長した企業はほかならぬソニーと言っても過言では無い」ととある記事。2021年3月期には売上高で日立を追い抜き、ソニーが日本大手電機のトップに立つ見通しだ。グループ会社数も1,733社あり、日本最多となっている。
最後に、総合電気メーカー8社には入っていないけれど、キヤノンを紹介。正式な表記はキ〝ヤ〟ノンだけれど読みは「キャノン」で間違いではありませんよ。正式な創業は精機光学工業株式会社として1937年。原初は東京麻布六本木に高級小型写真機の研究を目的とする精機光学研究所が1933年に設立。うん、ゴメン。こうして見ると、電気メーカーじゃなくて光学機器メーカーかな?しかし凄いのは1949年の上場以来、年間での赤字は一度も無い中々に手堅い稀有な会社な事。2014年には日本企業として初めて米国特許取得件数が4,000件を突破した会社でもあり、2014年末時点で特許・実用新案を世界全体で約9万2,000件も保持している。ロゴの色はキヤノンレッドという色らしい。カラーまで作ってしまうとは。
どうだったでしょうか?何処でも拾える知識ばかりだったかとは思いますが、こうして列べて見てみると歴史の長さも凄いですし、冒頭の売上高も凄まじい。電気メーカーとしてキヤノンと10位のリコーを足した上位10社の総額売上高は44.27兆円!!2017年度世界で十番目オーストラリアの歳入国家予算が4,900億ドル(54兆8,800億円)なので、あと10兆円で同規模に。どれだけ凄い規模なのか、もう想像がつきませんですよ。
〝老舗〟と呼ばれるのは正式創業から百周年だそうで、次の富士通は十五年後、ちょっと長いですけどイケなくはないですよね。