鎌倉路地裏道の調べ方- 2つの路地裏マップ-
前回は鎌倉路地裏道分類学と称して、路地裏道のタイプについて記しました。鎌倉には、山の道、川の道、海辺の道、住宅街の道などさまざま路地裏道が存在しています。
このような路地裏道を散策しようとする時、サポートしてくれるマップがあると便利です。山歩きなら登山地図、ドライブなら道路地図があるように、路地裏歩きにもガイドマップが欲しいところですね。今回は路地裏散策をサポートする2つのガイドマップについて記します。
🔹一つ目は、Googleマップ。
今や誰もが使っている..と言ってもよいほど有名なマップです。2005年の提供開始からスマホとともに利用が拡大し、現在は世界で10億を超える人が利用しているサービスです。ルートのみならず、ストリートビュー、航空写真、店舗などの案内、場合によってはお店の混雑状況まで表示してくれます。
グーグルマップは路地裏歩きをするインバウンド客にも好評です。その理由を聞くと、表示が各国言語に翻訳されていることに加えて、口コミ情報がとても有益だとのことです。日本人の口コミは(母国のものに比べて)とても細かいので役立つ!とのことでした。
🔹二つ目は......国土地理院の地形図です。
路地裏道を歩く時にグーグルマップに合わせて利用すると便利なマップです。かつては5万分の1地形図とか、2万5千分の1地形図などと呼ばれ、登山者の必携品でありました。大手書店には専用の棚があって、旅先のエリアの地図を探したことが懐かしくおもえます。
デジタル化が進んだ今はスマホやPCで、”国土地理院 地形図"と入力すると無料で活用できます。
実際に路地裏道を歩くケースを例として、この2つのマップの役割を事例で紹介します。
<例>江ノ電由比ヶ浜駅から、隠れ家的カフェ"鎌倉香山"へ行く
出発点はこちら。鎌倉駅から江ノ電で2つ目の駅です。
目的地はこちら。カフェ鎌倉香山さんは、鎌倉由比ヶ浜の住宅街にあるカフェ。民家をそのまま活用されています。ご主人が所有されている豊富な銀食器を使って紅茶を淹れてくださいます。
グーグルマップでルートを検索するとこんな感じで経路が案内されます。
駅改札を出て右の踏切を渡り、三叉路を左に曲がり、踏切をわたると右側にカフェが現れます。要する時間は3-4分ほど。
ところが、地元の人が駅から鎌倉香山に行くときによく使う道はこの道ではないのです。国土地理院地形図にはこのように表示されています。
駅を出て左に進んだところから右手路地道に入り、突き当りを左に曲がります。所要時間は1分余り。
由比ヶ浜駅と鎌倉香山の間には、途中の一部に幅1メートルほどの極端に狭い道があります。人がすれ違うのがやっとの広さです。自転車の通行は難しい道です。
国土地理院地形図の凡例を見てみました。道についてさまざまな区分で表記されています。
路地裏道に該当するところについての説明文は以下です。
・軽車道...道幅3メートル以下の道路
・徒歩道....1メートル以下の道(登山観光路や集落を結ぶ交通路など)
これらの情報は路地裏道散策にはとても大切な情報です。この道がどこに繋がっているか、分岐がどうなっているか、行き止まりになっているか、などという情報が正確に記述されています。
路地裏歩きには、グーグルマップと国土地理院地形図という、測量量方法がちがう2つをマップをうまく活用すると、より楽しい散策をすることができます。よりディープな路地裏"沼"にはまるかもしれませんけど….(^^)。
グーグルマップと国土地理院地形図の両者の情報を合わせて活用できるアプリも登場しています。2つのマップとGPSの位置情報などを連携して使えるようになってきたことも、うれしい技術進化です。
路地裏カフェ案内人 こうちゃんより