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ベルギーの歯医者へ行った 【技術・費用を日本と比較!②】
みなさん、お元気でしょうか?前回、ベルギーの歯医者について書いてから2ヶ月以上経ってしまいました。今回は、後編を書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします!(前編はこちら)
さて、前回は最初の歯医者に行って診断をしてもらい、インプラントはおそらく必要ではなく、神経を抜いた歯の根をもう一度治療すれば大丈夫だろう、ということで紹介してくれた新しい歯医者を訪問してきました。
行く前にGoogleでホームページなどを見てどんな診療所なのかを確認。Endo Dentistという名前だったのですが、今回の治療で分かったことは日本の歯医者は「歯医者」という名前だけが一般的ですが、 歯の根などは根管治療・歯内療法を意味する"Endo Dentist"という専門の歯科医が治療します。
それはなぜか?シンプルに言うと、歯の治療においては根の治療がめちゃ難しい部類に入るからです。虫歯になっちゃって、神経に到達しているから神経抜いて被せ物するねー、なんて軽いノリで治療しているのが我が国、日が上る国・ニッポンですが、よく調べるととても難しい処置なのです。
歯の根というのは複雑で、途中で曲がってたり分岐していることも多く、そこをしっかり消毒してセメントを流さないと空洞になる部分でできて、そこが細菌感染を起こします。そして、「これはもうダメだから歯を抜くしかないね」という流れで納得させられてしまいます。
このように難しい歯の根は平面のレントゲンだけではわからないことも多く、しっかり3Dで全体のレントゲンを撮ったり局所を細かく確認する作業が必要になります。また、その根の細かい部分まで手作業で治療をする技術も必要。
だからこそ、根の治療についてはホイホイとそこらへんの町医者に行くのはリスクが高いのです。
知り合いのベルギー🇧🇪人の大学生で歯医者を目指して勉強をしている人がいたので聞いてみました。私の調べた情報通り、彼もEndo Dentistになるため頑張っているらしく、スマホに歯の根の写真がずらっと保存されていて、美術館を開設できるレベルでした。
なのでみなさん、日本であってもしっかり歯医者を調べて、根の治療専門だったり、3Dレントゲンで見てしっかり調べるところを選びましょう。
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余談が長くなりましたが、今回言った歯医者にて再度歯の状況を確認してもらい、やはり紹介してもらった先と同じ意見ということで、すぐに根の処置をしてもらいました。
再度、ここが日本と異なるところで、今回の治療(およそ60分)ですべてを完結し、再度くる必要はないとのこと。予約の段階で事前に600ユーロかかりますよと教えてくれて、キャッシュカードを固く握りしてめて訪問するだけでした。
何回も通わなくて良いのでストレス・労力という観点ではかなり良いです。(日本は保険制度により、一回で適用できる治療範囲が限られているので、何回も通う必要があるのです)
さあ、60分だけ我慢しようと気合いを入れて処置を受けました。日本と同じく最初に麻酔をしてもらい、処置を進めていきます。さすがはNot Conventional = 自由価格の歯医者、とても手際が良い感じがしました。処置がとてもスピーディ。唯一気になることといえば、処置をしながら鼻歌を歌いながら助手と雑談を交わすことくらい(笑)。お堅い日本で育った私からすると、「いいな〜楽しそうで」という感じでした。
また、処置中に根の処置が行き届いていない箇所をしっかり発見し、いまからやるね、と声をかけてもらいました。その瞬間、とても嫌なニオイがしたのですが、歯医者さんによるとこれが細菌感染している証拠だと。そこをしっかり消毒してセメントを流してもらいます。
とここまで順調だったのですが、30分も過ぎて私はそろそろ限界を迎えていました。。もう苦しい、ダメだ。人生で30分以上も口を開けっぱなしにしたことがない。顎が経験したことない疲労に見舞われており、開けていられないのだ(笑)。強制的に口が開く器具を装着してもらったが、マジで気休めにしかならない。あと30分は地獄すぎる。
気を失いそうな疲労と戦いながら、後少しだと言い聞かせながら絶える自分。「はい、じゃあ一度うがいをして下さいね」みたいな小休憩を挟んでくれる日本ですが、ベルギーでは患者の休憩時間など考慮に入っていない。
一方、まだ鼻歌と雑談でご機嫌な歯医者。残り10分くらいになったところで、ようやく口を閉じれる瞬間が訪れる。「レントゲン撮るので一回口を閉じてください」という言葉が仏のお言葉のように感じられました。
そうこうするうちに、ようやく60分の治療が終わり、全てがうまくいったとの報告を受けました。日本で処置した際に、根の治療がミスってたんですかねと質問すると、まあ今回も難しい処置だったし専門家じゃないと厳しいから仕方ないよ、とのことでした。
費用について
今回、神経を抜いた根の治療で不十分だった箇所を処置してもらうという内容で、新たな被せ物などはなし。約1時間の処置で620ユーロでした(保険適用前)。これは前回の記事で説明した通りですが、"自由価格"の歯医者のため公定価格より3〜4割高い感じはしますが、設備・技術を考えるとかなり妥当な感じはしました。
ベルギーの皆保険の適用でおよそ半額弱、残りは加入している民間保険でカバーされる予定です。
技術を含めた費用感としては、決して高すぎることはないという印象です。
歯医者の技術について
今回の記事で最初に書いた通り、歯の根を専門で処置してくれる根管治療の歯科医であり、日本の町医者と比べると技術は高いのではという印象を受けました。口の中の処置なので見えないのが残念ですが、手際が良く設備(3Dレントゲンやその他器具)も豊富で、難しい歯の根の治療を安心して任せられる気はしました。
術後すでに2ヶ月以上経ちましたが、1年以上気になっていた歯茎の腫れがすぐになくなりました。おそらく空洞だった根の一部が今回の処置でしっかり埋まったのでしょう。ただ、歯茎の違和感が完全に取れた訳ではなく、これは時間がかかるのか、後遺症なのか、さらに処置が必要なのかは不明です。半年後にチェックで来てくれと言われたので、その際に聞いてみようと思います。
その他
純粋な治療はとっても良かったのですが(口開けっ放し地獄以外)、その後に今回の治療の証明書を送ってもらったり、民間保険適用に伴う事務的な連絡を後日したのですが、ここはやはりベルギースタンダード。メールで1回送っても返事なし。2、3回催促してやっと返事あり。その後に郵送してくれると言ったものの来なく、また催促してやっと2週間後に届きました。でもこちらではこれが本当に普通です。このような病院やお店など、特にメールは返信がない率が高いです。なので、面倒ですが電話で催促が効果的ですので、みなさんもお気をつけください。
今回の記事を読んでいただき、もし私の行った歯医者を紹介してほしいなどありましたら、コメントなどでご連絡いただければと思います。
それではまた!
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