Day.11 敗戦で不満爆発!海外選手の不満に対応するには
「ベルギー社会人野球 監督奮闘記」のDay.11です。前回、連戦連敗の原因の一つとなっているベルギー野球連盟のルールについて書きました。今回は連敗後の選手の不満爆発!についてお話したいと思います。
前々回の記事では、連戦連敗により1勝4敗のリーグ最下位に沈み、巻き返しを図るために新しい選手をリクルートした話をお伝えしました。
その後、何とか勝利を重ねたもの3勝6敗、2024年シーズンは18戦あるので、ちょうど中間地点が過ぎたところでした。この時点でも他のチームと同率最下位。シーズン後半は何としても勝ちを増さないと、3部リーグ→4部リーグへの降格となってしまいます。
さらに、2024年のベルギー野球連盟ルールでは、3部リーグに所属する7チーム中、2チーム(最下位と準最下位のチーム)が降格となります。7分2は結構キツイ。。
本気でシーズン後半戦は巻き返さないといけません。監督の責任も大きい。
そんな中迎えた後半戦の1戦目は、3部リーグの首位に位置するBorgerhout Squirrels。絶対負けられない戦いのはずなのに、一番勝つのが難しい相手が来てしまいました。さらに、オランダ語圏のチームで、とにかく名前が読みにくいし、スペルも覚えられない(笑)。Borgerhoutは、"ボーガーオウト"と読むらしいです。Squirrelsは英語でリスを意味しますが、イギリス英語ではスクウィレルと発音し、アメリカ英語だとスクウォールになる。野球も名前も面倒くさいチームだ(失礼)。
とは言え試合は全力を尽くすしかありません。
我らKangaroosピッチャーは、エースのウィリアム。好不調の波が激しいのが特徴なので監督としては使いにくいのですが、球速、変化球はチーム1です。
この日は好調で3イニングを自責点3。四死球は5と多めですが、三振も4つ奪いトップチーム相手にまずまずの出来です。
一方、攻撃は3回まで1安打、1四死球、5三振。これでは得点が奪えない。まずはどうにか出塁しないと作戦も何もない。
ということで、3回が終わった時点で0−3でビハインド。
4回以降、エースのウィリアムがすでに80球近くで肘に違和感もあるということで、ヘルナンデスにスイッチ。これがもう、悲劇の始まりでした😭
4回〜5回の2イニングを11被安打、8四死球。自責点は12。もうこれで敗戦が決まったようなものでした。後半はチームの士気もガクンと落ちる。最後は、監督兼選手の私がリリーフで登板して敗戦処理をしました。
最終的な結果は、6ー17の完敗です。
敗戦後、いつも通りみんなで集まってミーティングをしました。
ここからは、まあもう思い出すのもちょっと嫌な気分になります。嫌なことが起こったというより、もっとそれに上手く対応できたのにという反省でもあります。
試合の良かったプレー、改善が必要なプレーなど話し合った後、数人の選手から不満が爆発します。不満があるなら個別で話そう、と提案しましたが、もうみんなの前で言いたいらしく言わせました。
ウィリアム(ピッチャー):「なんでトムがファーストなんだ。タティスは前の試合でファーストで良いプレーをしてたじゃないか」
マイク(内野手):「なぜおれがベンチに下がって、トムが外野に代わったんだ。彼は普段外野なんてプレーしてないだろ」
再びマイク(内野手)「ヘルナンデスがピッチャーをやるのはどうなのか。結果を出してないじゃないか」
その他、色々・・・・
要は、監督の選手起用、交代などへの不満です。いや、でももうこれは他の選手への批判も入ってるよね?チームミーティングで、日本人なら絶対に言わないでしょ。
さすがにここまで言うとは思わなかったので、正直どう対応しようか迷いました。
選手起用の考え方を説明するだけでいいのか。いや、不満が出たからってそれに返答して説明するのは、後手になるだけ。もっと問題の根本は違うところにある気もする。っていうか、選手起用も交代も、作戦もめちゃくちゃ考えて準備した上でやっている。選手に言われる筋合いあるのか。海外でわざわざ監督なんてやってらんないな、といったことも頭をよぎる。全ての不満に対して、ひろゆきばりに論破することもできない訳ではない。でも、論破が目的になるのは良くない。
選手の話を聞きながら、色々と考える。結局どういう形で対応したかのか、また次回に詳しく書きたいと思います。この問題に端を発して、退団する選手も出ることになります。
監督業の難しいところは、全員に好かれることはないこと。
元ロッテの捕手、里崎智也が言ってました。「選手にとって良い監督は、試合に出してくれる監督。悪い監督は、試合に出してくれない監督」
単純ですが、現実です。
好かれるか、好かれないかという意味においては。
さあ、ちょっと長くなってきたのでいったん今回はここまでにさせてもらい、次回にまた詳しく続きを書きたいと思います。面白かったら、スキ・フォローよろしくお願いします!