Day.1 監督になって初めての練習【マガジン:ベルギー野球 監督奮闘記】
2023年11月、監督となってから初めての練習を迎えました。
私が率いるのは、ベルギーアマチュア野球リーグ3部(1部〜4部まである)に所属するチーム。レベルは高くはないが、決して初心者ではないプレーヤーたち。日本の平均的な中学生くらいのレベルと言っていいかもしれません。
そんなチームを何をゴールに置いて、これから導いていくのか、どんな練習をやっていくのか。色々と考え、野球経験のある友達からもアドバイスをもらい、迎えた初練習でした。
監督とは言っても昨年はプレーヤーだったので、ある程度の選手たちは顔見知りではあります。ただ、一緒のディビジョンでプレーしていた訳ではないので、細かい技術的なレベルはうる覚えでした。また、どれだけモチベーションがあって、一人一人がどこを目指しているかもまだ不明。
まずは、初練習でいきなり立派な監督スピーチやゴール設定をするより、オフシーズンの練習ということもあって、選手のレベルや人柄、モチベーションも確認しながら色々と決めていこうと思ってました。
選手は概ね20代〜30代であり、もちろんみんな仕事持ち。野球をやるのは趣味+αであり、MLBやニッポンプロ野球を目指す人ではありません(笑)。アマチュアスポーツとして、真剣かつ人生を楽しむためにプレーしています。
それと、一つ頭を悩ませたのが、高校1年生がかなり多くチームに加わったことです。去年までは中学の部でプレーしてた彼らですが、高校生となり社会人チームに合流することとなったのです。
高校生1年生(15歳)から、自分より年上の50歳まで幅広くプレーヤーが存在しており、個性も集中力も体力もバラバラなチーム。それを異国ニッポンから来た私がどうまとめればいいのか(笑)。古いですが、「ココが変だよ日本人!(20年前のTBSテレビ番組)」と思われないよう、現地の人のやり方や今までやってきたことをリスペクトしながら、変えるとこは変えていこうと思っていました。
初練習の日、顔見知りもいますが特に初見の高校生のためにも、自己紹介をしながら、自分も監督が初経験だがベストを尽くしたい旨伝えて、考えてた練習メニューを始めることにしました。
特に、やりたかった基礎の反復練習やその意図を説明して理解してやってもらうことを念頭に置いて進めます。
ところで、日本人からすると、何となく外国人って空気を読まず意見をためらわずに言って、質問もガンガンするというイメージがありませんか?そう、ここは欧州の中心(地理的に)であるベルギー🇧🇪、例にもれずそうなんです…と言いたいところですが、意外とみんな遠慮します(笑)。こちらが何かを伝えようとすると、本当に分かってんのか分かってないのか、何も質問ないけど大丈夫かってこともよくある。
ベルギーは公用語がフランス語orオランダ語ですが、私のいるブリュッセルはフランス語。しかしほとんどのプレーヤーは英語が話せるため、私も英語で野球の技術を説明しますが、なんか全然反応ないんですよね。なんでやねん!って言いたくなるくらい。
大雑把に外国人と括るのも良くないですが、意外とヨーロッパ系の人は控えめな人も多く、日本人で言う空気を読んでみんなの前では無神経に色々と言わないという感覚も持ち合わせています。
そういうこともあり、初日の手応えは薄く(笑)、そしてあろうことかこれがとってもしばらく続く泥沼のように頭を悩ますことになります。
「本当に分かってんのか」
「もしくはおれの説明が良くないのか」
というループがしばらく続くこと、このマガジンのDay.1で宣言しておきます。
それでは、また次回からこの続きを詳しく、そして外国で監督をする上での色々な壁についてお話ししていきます。
それではまた!