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聞こえないのではなく、そもそも発音していない

英語の発音学習で、多くの日本人が苦労するポイントの一つが「強形(きょうけい)と弱形(じゃっけい)」の違いです。

実際の英会話では、単語がはっきりと発音されないことが多く、特に機能語(冠詞や前置詞、代名詞など)は弱形で省略的に発音されます。

しかし、日本人学習者は辞書に載っている発音(強形)をすべてそのまま発音しようとするため、不自然な話し方になったり、リスニングで聞き取れなくなったりします。

今回は「強形(きょうけい)と弱形(じゃっけい)」について書きたいと思います。

強形と弱形の違いとは?

英語では、重要な単語(名詞や動詞など)ははっきりと発音される一方で、重要度の低い単語(機能語)は弱く短く発音されます。

強形と弱形の例

聞こえないのではなく「発音していない」具体例

  1. 代名詞が短縮される

    • 「I'll give you the book」(アイ ウィル ギブ ユー ザ ブック)

    • 実際の会話では「アイル ギブ ザ ブック」となり、「ユー」が「ヤ」に近い音になります。

  2. 前置詞が省略的に発音される

    • 「at the station」(アット ザ ステーション)

    • 実際には「アッ ザ ステーション」または「ト ザ ステーション」のように、「アット」の母音部分が消えます。

  3. 助動詞が圧縮される

    • 「I can do it」(アイ キャン ドゥ イット)

    • 実際には「アイ クン ドゥ イット」となり、「キャン」が「クン」のように短縮されます。

リスニングに与える影響

ネイティブスピーカーの会話を聞き取れない理由の一つは、この弱形を知らないことです。

例えば、

  • 「What did you do yesterday?」(ワット ディッド ユー ドゥ イエスタデイ)

  • 実際には「ワッ ディヂャ ドゥ イエスタデイ」のように、「did you」が「ディヂャ」に圧縮されて聞こえます。

このような音声変化を知らないと、「何か別の単語に聞こえる…」と混乱してしまうことが多いです。

効果的な練習法

  1. シャドーイングを活用する

    • ニュース原稿や教材では強形が多く使われていますが、日常会話では弱形が頻出します。両方を意識して練習しましょう。

    • 例:「I want to go to the park」(アイ ウォント トゥ ゴー トゥ ザ パーク)
      → 実際には「アイ ワナ ゴー ダ パーク」となることが多いです。

  2. リスニング時に弱形を意識する

    • 映画やドラマを観る際、字幕と実際のセリフを比べてみましょう。弱形や省略された部分が多く見つかります。

    • 例:「Can you help me?」(キャン ユー ヘルプ ミー)
      → 実際には「キャン ヤ ヘルプ ミー」と聞こえます。

  3. 自分で録音して確認する

    • 自分の声を録音し、ネイティブスピーカーと比べてみましょう。強形ばかりになっている場合、意識的に弱形を取り入れる練習をします。

弱形を取り入れた実践例

以下は弱形を意識した練習例です。

  • Before(強形のみ):
    「The cat is on the table」(ザ キャット イズ オン ザ テーブル)

  • After(弱形適用):
    「ザ キャッツ オン ザ テーブル」
    → 「イズ」が短縮され、「キャット」と繋がって「キャッツ」のように聞こえます。

まとめ

英語学習では、すべての単語を辞書通りに発音する必要はありません。
むしろ、弱形を意識的に取り入れることで、より自然な英語らしいリズムやイントネーションが身につきます。
また、リスニング力も向上し、ネイティブスピーカーとの会話でスムーズに理解できるようになります。
「聞こえない」のではなく、「そもそも発音されていない」という事実を理解し、自分の練習方法に活かしましょう!


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