見出し画像

【秋田の大学生が発信!vol.3】ブラウブリッツ秋田⚽SDGsの取り組みと、福+(ふくたす)デーを取材しました!

第3回は秋田が誇るプロサッカーチームである、「ブラウブリッツ秋田」です!
今回の記事の担当がスポーツとSDGsに興味があり、県内の事例を調べたところ、ブラウブリッツがSDGsの取り組みを行っていることを知り、取材させていただきました。

また、取材の中でブラウブリッツと私たちと同世代の学生が共同で行っている「福たすデー」というイベントを教えていただき、参加させていただきました!
今回の記事では、前半はブラウブリッツ秋田のSDGsの取り組みの紹介、後半は「ふくたすデー」の体験レポートをお届けします!


〇「挑戦を秋田の文化に」-ブラウブリッツ秋田のSDGsの取り組み

経営理念に「スポーツを通じた街づくり・人づくり・夢づくり」を掲げ、様々な場面で秋田への地域貢献を行っているブラウブリッツ秋田。

そんなブラウブリッツは現在、下記の6つのSDGs目標に取り組んでいます。
 1.貧困をなくそう
 3.すべての人に健康と福祉を
 4.質の高い教育をみんなに
 12.つくる責任・つかう責任
 13.気候変動に具体的な対策を
 17.パートナーシップで目標を達成しよう

上記の目標に対して、例えば「項目1・貧困」については地元団体と共同で、子ども食堂やフードバンク運営団体へ地元食材や規格外野菜等を寄付しています。
また、スポーツチームであることを活かして、「大人のサッカー教室」や、管理栄養士による栄養指導を行い、県民の健康増進(項目3・保健)に取り組むほか、子どもたちに向けて、選手たちによる「夢を持つことの重要性」を伝える授業などを行う(項目4・教育)取り組み等を行っています。

このようなブラウブリッツのSDGsの取り組みについて、事業・マーケティンググループ 集客・チケット課課長の伊東 佑多(いとう ゆうた)さんに詳しいお話を聞かせていただきました。

ブラウブリッツ 伊東さん・福たすプロジェクト 舘野さん(右)、丸山(写真中央)さんにお話を伺いました

ーブラウブリッツでは幅広い分野のSDGsの目標に取り組んでいると思いますが、取り組む項目については、どのように決められましたか?
チームで地域に対してできること考えた結果、この項目に取り組むことにしました。
この6つにこだわっているわけではなく、他にもできる項目があれば、積極的に取り組んでいきたいと思っています!

ースポーツクラブならではの、様々な活動を行われていると感じました!
ブラウブリッツがこうして、SDGsの活動に取り組もうとしたきっかけは何ですか?

私たちJリーグの各クラブは、もともと「地域密着」を謳って「ホームタウン活動(※)」等で地域貢献活動を実施してきました。

(※)ホームタウン活動
地域に愛されるクラブとなるために、Jクラブはホームタウン(Jクラブの本拠地)の人々と心を通わせるためのさまざまな活動を実践しています。
Jリーグでは、ホームタウン会議などを通じて、各クラブのホームタウン活動の共有や情報交換、各種調査などを行い、同活動を推進しています。

(Jリーグ公式ホームページから引用)

このようなJリーグの理念もあり、ブラウブリッツが秋田で活動する上で、何かを地元に還元しなければならないと考えたところ、2021年に県が「秋田県SDGsパートナー」を募集していたことから、チームで何かできるのではないかと考え、SDGs活動に取り組むことにしました。

―選手の方たちもSDGsの活動に積極的に参加されているのが印象的です!こういった活動を行うことに対して、当初、選手の皆さんはどのような反応でしたか?
選手やスタッフは「ただサッカーをするだけでなく、このような地域に貢献する活動をしているからこそ、プロサッカー選手として存在している」と考えています。
だからこそ選手たちからは、「是非やりましょう!」といったポジティブな反応がありました。

また、ブラウブリッツでは、SDGs以外にも、チームで取り組めるものなら、様々な活動に挑戦したいと思っています。
例えば若者のチャレンジできる場づくりとしてNPO(特定非営利活動法人ブラウブリッツ秋田スポーツネットワーク)を設立し、地域統合型のスポーツクラブを運営しています。

こちらでは、サッカーに限らず「バレーボールスクール」や「運動神経向上スクール」を実施し、秋田のスポーツ文化の振興と子どもたちの育成に取り組んでいるところです。
ブラウブリッツ秋田は「挑戦を秋田の文化にしていきたい」という理念の下で活動しており、そういったチャレンジのきっかけを、サッカーはもちろん、サッカー以外のところでも作っていきたいと思っています!
何か「地域のためにこんなことがしたい」と思ったら、ぜひブラウブリッツをその受け皿としてどんどん使っていってほしいです!

―「地域貢献するからこそのプロ選手」!いろいろなことに通じる考え方ですね…!私たちはゼミの活動として、秋田の企業や先輩、様々なイベント等の取材を通して、同世代の学生に「秋田の魅力」を伝える活動をしていますが、最後に就活生や大学生、高校生にメッセージをお願いします!

秋田に住んでいたら感じないかもしれませんが、県外出身の僕からすると、秋田にはチャレンジする場所がたくさんあると思っています。
色んな選択肢がある中でも秋田の若者には、若いからこそ挑戦の気持ちを忘れず、様々なチャレンジをしてもらいたいですね。

本社で貴重なお話を伺うことができました。

―貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

◯インタビューを通して感じたこと
自分が大好きなサッカーに打ち込める環境への感謝を元に、地元食材の寄付や、子供たちに向けて授業を行うなど、社会貢献を自ら行って地域貢献することは、なかなか出来ることではありません。
さらにそれを当たり前のように行っているという話を聴いて、とても驚きました。私たちもできることから始めてみることが大切だと感じました。

〇ゼミ生が「福たすデー」を体験してきました!

伊東さんへのインタビュー後、チームのSDGsの活動に関連する取り組みとして、中央大学の学生とブラウブリッツが共同で行っている「福+(ふくたす)プロジェクト」を、中央大学・小林ゼミの舘野 智香さん、丸山 千明さんから紹介いただきました。
このプロジェクトは、スポーツを通して「元気な街、秋田」の実現を目指すもので、私たちと同世代の中央大学の学生の皆さんが活動の中心になっています。
9月16日のブラウブリッツホーム戦では、活動の集大成として、学生が中心となって企画を考案し、様々な体験ができるブースや、幅広い世代が参加できる「ミッションサッカー」等を実施する「福たすデー」というイベントを開催するものです。

伊東さんからは「福+プロジェクトの参加者全員が県外出身ですが、『秋田のためになれば』と思って長い期間をかけてイベントの準備をしてくれました。秋田の若者にはこのことを知ってもらい、『秋田にいる自分たちは地域のために何ができるか』を考え、アクションを起こすきっかけにしてほしいです」とメッセージをいただき、私たちも、同世代の学生達がどんな取り組みを行っているか興味があり、実際に「福たすデー」に参加させていただくことにしました!

福たすデーの様々なブースが並んでいます。
ホーム戦にちなんだ様々なイベントも開催されていました。

〇ミッションサッカーを体験してきました!

ホーム戦が始まる前の時間帯に、ソユースタジアムのグラウンドで「ミッションサッカー」を体験させていただきました。
「ミッションサッカー」とは、ウォーキングサッカー(走らないで歩くサッカー)に、中央大学のゼミ生考案の様々なミッションを追加した新感覚のスポーツです。 

まず集まった参加者の方々を見てびっくり。小学生くらいの小さな子供からお年寄りの方まで老若男女、多世代の方がブラウブリッツのチームユニフォームTシャツを身にまとい、ミッションサッカーを待ちわびるように楽しく会話しているじゃないですか。
「多世代間のコミュニケーション創出も目標の一つ」とインタビューで語っていた、中央大学・舘野さんの姿を思い出し、同じ趣味を持った幅広い世代の交流が生まれている光景に、今日のイベントの成功が既に見えてくるように感じました。

 小さめのゴールを用意して競技を行います。

約30人の参加者は4チームに分けられ、私たち秋田大学のゼミ生からは2人、青のゼッケンのチームに参加しました。

イベントが始まり、まずはチームの親睦を深めるためのレクリエーションを行います。
一列に並び、一番最初の人が自己紹介した名前を二番目の人が覚え、三番目の人に一番初めの人の名前と自分の名前を紹介し、三番目の人はそれを覚えまた後ろの人に伝えて…といった「自己紹介ゲーム」やチームの人が円状に並び、複雑に手をつないだ状態から手を離さずに綺麗な円に戻る「人間知恵の輪」等でチームワークを高めました。
ゲーム性が強く、子供も大人も高齢者の方も、みんなが一体となって喜んだり、自分たちの失敗に笑ったりできる、チームの仲を深めるのにぴったりなレクリエーションでした!

レクリエーションとして行われた人間知恵の輪。
ここから手を離さないようにして円を作ります。
ブラウブリッツで使用しているボールを使わせていただきました!

そして、いよいよ試合…の前に、なんとブラウブリッツ秋田の選手が普段行っている選手入場と全く同じシチュエーションで選手入場体験!
いつも応援している選手たちと同じ視点に立って入場できる体験は、ファンにとって貴重な経験になるのではないでしょうか。
恥ずかしながらサッカーにあまり詳しくない私も、この体験には、かなりテンションが上がりました!

選手入場!入場曲もかけてもらって大興奮です!

選手入場を終えると試合が始まります。試合は前半後半に分けられ、ハーフタイムも含めて一試合20分ほどで行いました。
全ての試合を通して「走らず、歩いてプレーすること」や「人にぶつからないようにプレーすること」、「ボールは浮かさず転がしてプレーすること」等のルールがあり、誰もが程良い運動量で楽しむ事ができるように工夫されているな、と感じました。
とはいえ、結構疲れる!!運動不足解消にはもってこいのスポーツだと思います。

そしてミッションサッカーの醍醐味と言えば、試合中に発動する「ミッション」!
「ゴールを2つに増やす」、「攻めるゴールが途中で反転する」、「誰かと手をつないでゴールを決めないと得点にならない」等、様々な種類のミッションが用意されており、前半後半でそのミッション内容が変わるという仕組みで、これがとっても頭を使うんです!!
体を動かしながら、頭もフル回転させて…たまにこんがらがってしまってオウンゴール、なんてハプニングもありましたが、それが「ドンマイ!」「間違っちゃうよね~」と笑顔に繋がったり、連携も重要なため、チームみんなで「ゴール変わったよ!」、「行ける行ける!!手繋いで!」と自然にワイワイしたりする事ができて本当に楽しかったです!

歩きながらプレーしつつ様々なミッションに挑戦!
子供から高齢者まで幅広い世代が一緒にプレーできる競技です。


適度な運動に、温かなコミュニケーション、汗を流してお互いを称え合うスポーツの良さを改めて感じることのできるひと時で、一度体験すると、心から「次も行きたい!」と思えるいい体験でした!
また、ブラウブリッツの選手の方もゲストとして、一緒にミッションサッカーをプレーしてくれる場面もありました。ファンの方は要チェックですよ!

ゴールには守護神・小澤選手の姿が…!(笑)

〇エコキャップチャレンジなど、スタジアム外のブースも見学しました!

スタジアム外には様々な展示や企画があり、どれも中央大学のゼミ生が主体となって準備・運営しています。
そのうちの一つに「エコキャップチャレンジ」というものがありました。ブラウブリッツ秋田ホームゲームや、中央大学でペットボトルのキャップを回収し、なんと一つの作品を作り上げたとのこと!
この顔は、ブラウブリッツ秋田のマスコットキャラクター「ブラウゴン」ですね!
青色のキャップが多く目立ちますが、制作の中心になった中央大学・丸山さんによると、色んな種類の青を混ぜることで鮮やかになるよう工夫したそうです。
使用したペットボトルのキャップは、なんと4032個
収集したキャップは支援国の子供たちへのワクチン提供へ利用されるということです。イベントを通じて多くのキャップを集め、それを支援に繋げる仕組みがユニークですね。

ペットボトルキャップ4032個を使用して、ブラウゴンの笑顔を表現!
様々な種類の青色のキャップを混ぜて鮮やかになるように工夫しています。

次にご紹介するのは「Be supporters!ブース」です!
こちらはゼミ生の皆さんが福祉施設を訪問して、その利用者の方に書いていただいた応援メッセージの横断幕です。
これには選手もほっこりですね。

福祉施設の利用者の方からのメッセージを集めた横断幕!
人生の先輩たちからの、力強い手書きのメッセージ。

他にも、選手を応援するうちわ作りのコーナーもありました!
選手の写真を切って貼ったり、メッセージを書いたり、デコレーションをしたり。
作っていて、これから試合が始まるんだなとわくわくした気持ちになりました。

うちわの手作りコーナー。ここで作ったうちわを持ってホーム戦を応援できます!

取材の中で、中央大学小林ゼミの学生の丸山千明さんにもお話を伺いました。
丸山さんは、エコキャップチャレンジの担当で、今回の取材で私たちの案内もしていただきました。

プロジェクトが10年という節目の年なので、記念になる展示や企画を考えました。
長く続いてきたプロジェクトではありますが、自分たちがやってみたいことはたくさんありました。実は没案もいっぱいあるんですよね。
自分たちのやりたいこと、みんなが参加したいと興味を持ってくれるもの、色々な視点から企画を考えるのは大変でしたが、その分のやりがいもあります。
特に印象的なのは、エコキャップチャレンジの担当である私がペットボトルのキャップを回収していたとき、「どんなことをしているの?」と興味をもっていただいたり、「がんばってね!」とお声掛けいただいたりしたことです。
接して下さった全ての方々が温かくて優しいところに秋田の魅力を感じました。
企画を始めた当初は上手くいくか不安でしたが、活動を通して秋田の皆さんがいつも見守ってくれていることを実感し、皆さんを笑顔にしたいというモチベーションが生まれて、最後まで走り切ることができたと思います。
最後に、このゼミ自体は秋田の皆様の支えがあって10周年を迎えることができました。次は、20年、30年と続くように「今後も福たすプロジェクトを応援したいな」と思っていただけたら嬉しいです!

中央大学 小林ゼミ 丸山千明さんより
一緒に作ったうちわを持って丸山(左)さんと記念撮影!

すてきなお話をありがとうございました。
当日の皆さんの熱心さと、楽しんでほしいという気持ちが伝わってきて、プロジェクトに懸ける想いをひしひしと感じました。
同じ大学生ががんばっている姿を見ると、とても勇気がもらえます。本当にありがとうございました!

〇最後に

取材全体を通して、スポーツイベントが人と人をつなぐ役割を果たしていることを、私たち自身も見て聞いて体験して感じました。
また、中央大学の小林ゼミのプロジェクトでは、福祉施設を訪問して利用者の皆さんと交流をしたり、ブラウブリッツの選手と試合の宣伝をしたり、県内の高校生に向けて夢を追いかけることをテーマに授業を行ったりと、地域への貢献に尽力されていました。
丸山さんのお話にもあるように、このような活動が20年、30年先も続いていってほしいと感じるとともに、秋田県外の学生の皆さんが、秋田を元気にするためにこれだけ活動してくれていることを知り、私たち自身も「秋田のために何ができるか」をこれから考えていきたいと思いました。

福たすデーは、サッカーが好きな方も、知識はあまりないけど楽しみたい方も、気軽に楽しめるイベントやブースが満載ですので、来年度再び実施されるときには、皆さんもぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?