女子ワールドカップで見られた攻守一体のポゼッション
FIFAのTSG(テクニカルスタディグループ)では、ドイツの戦い方にクローズアップしていました。
女子ドイツ代表は基本的に1−4−2−3−1でセットアップし、攻撃時には右のフルバックの選手をワイドエリアへ押し上げ、ライトウィングの選手をハーフレーンへとローテーションする攻撃をしています。
これにより、攻撃時は3−2−5へとセットアップされます。マンチェスター・Cが採用する攻撃の形と酷似しています。
また、レフトウィングの選手はアイソレーション(分離)されたポジションを取ります。これにより、右サイドのオーバーロード(数的有利)からのスイッチプレー(サイドチェンジ)を効果的に行うことに成功しています。
ポイントは保持局面だけではないです。保持から非保持へのトランジション(切り替わり)のタイミングでも優位性を発揮します。
攻撃時に2CBと両フルバックと1CHで中央のゾーンを閉じています。ボールを失った瞬間に、中央からプレッシングに出ていき、相手の攻撃を遅らせます。これをレストディフェンスと言い、攻守一体が促進された現代サッカーにおいて非常に重要な戦術となっています。
一見無駄に見えるボール回しの間にも、攻守にバランスの良い配置を整えて、そこから攻撃に出ていくという構造が見て取れます。
現代サッカーにおいて、「整う」と言うのは、攻守一体のポジショニングを整えると言うことです。自陣GKまで深くパスを戻すのも、こうした狙いがあってのことです。バックパスが忌避される傾向にある日本の育成年代においても、非常に重要な考え方ではないでしょうか?
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