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敗血症からの生還記録③自由な時間

 入院生活の毎日は、朝と夜に12時間ごとの抗生剤の点滴があるだけ。週のうち、火・金曜日は術創の洗浄とスポンジの交換があるだけ。あとは何もしないので、長い長い昼の時間がとても辛い。これって、拘束されてるのか、自由に使えるのか、どっちかな?


【大学と自由な時間】

 私は7人兄弟でただ一人、母の仕送り(1か月2万円、うち学費は月千円)で大学に行かせてもらった。大学に行った意義は? 何が良かったか(6年間も行って‥‥)? 考えて見ると、時間 = 自由に使える時間を与えられ、その時間の中で自身の自由な発展・成長が(勝手気ままとも言えないこともないが)できたことではないかと思う。もし、子や孫が大学進学を希望したら「貴重な時間が得られるから」と応援するだろう。(ところが今は、学費や奨学金が高く、バイト漬けとロ―ン地獄で自由な時間が奪われているようである)

 私の場合、大学で専攻の勉強はろくにやらなかったが、学生運動から社会主義・共産主義に目覚め、本をむさぼり読み、友と議論を重ね抜いた。その時の人格形成が、身についたことが、その後の人生を決定づけた。


【共産主義と自由】

 日本共産党は共産主義の本質は、労働時間の短縮で人々が自由な時間を取り戻し、万人がそれぞれ全面的な発展を遂げ、それが社会をさらに発展させる力になる世界であると、最近、深掘りしている。「共産主義には自由がない」どころか真逆だと解き明かしている。


 などと、時間をもて余すベッドの上で考えを巡らせている今日この頃である。この時間が何をもたらすものやら‥‥。


【普段の過ごし方】

 私のスマホのSDカ―ドには数十時間の落語と音楽が入っている。CMを削って編集してあるから聞きやすい。中でも、私のお気に入りは、落語は桂枝雀、音楽はカ―ペンタ―ズである。これらを繰り返し聞き時間を紛らわせている。私のお通夜ではこのふたつを流し続けて欲しいと思うほどだ。


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