土曜の朝のピーター・バラカン
土曜日の朝はいつも、NHK-FMでピーター・バラカンの番組「ウィークエンドサンシャイン」を聴いている。
いつも、聞いているのは、ピーターさんの声だ。
もはや内容はどうでもいい。
(ごめんなさい、ピーターさん、いつも素晴らしい内容と選曲なのはわかっています)
声を聴いているだけで落ち着く。ずっと聴いていたいと思う。
一週間ぶんの細かな傷のついた心に、その声がじんわりとしみこんで自然と回復していくのを感じる。
あんまり「癒し」という言葉を使うのは好きではないけど、癒されるというのはこういうことを言うんだろう。
「声は大事や。声には、その人間の本質が出るもんや」
宮本輝の『錦秋』で、主人公の父親がそう話す台詞があった。
「気力は眼に出る。生活は顔色に出る。教養は声に出る。
しかし悲しいかな、声は写真のモチーフにはならない」
土門拳もそう書いていたと思う。
声を聴くことで、その本質に、教養に触れることができるから、
それが心地よくて、つい聴いてしまうのだということ。
きっとそれは、AIがどんなに高性能になっても代わりができないことだと思う。
その声、その語り口に何かを求めて、土曜の朝、私と同じようにラジオを聴いている人がたくさんいるはず。そう思うと、何か嬉しさも感じる。
ピーターさん、なるべく長く、続けてください。
見出し画像はみんなのフォトギャラリーよりお借りしています。
__lv4uさん、ありがとうございます。