Lovely Jobly(素敵な仕事ぶり)
マサコちゃんは、UKからの帰国子女で、
とてもきれいなQueen’s Englishを話す人だった。
否応なくかかってくる海外からの電話や、店頭での会話を、なんとか意思疎通ができるレベルの英語でこなしている私とは違って、コミュニケーションを楽しんでいる、って感じが本当にすてきだった。
あんな風に英語が話せたらな、とそばで憧れを持って聞いていた。
"Those flowers are OK for you?"
という言葉は、発音の美しさと、そのこなれた言葉選びと、なによりそれを話しているマサコちゃんの楽しそうな笑顔とともに、今も耳に残って離れないでいる。
必然性もないのに、50歳近くなって英語のレッスンに通いはじめたのは、あの時の憧れの気持ちが心に残っているからだろうと思う。
私が店を辞めるとき、マサコちゃんが、いつのまにかこっそり私の仕事している様子を写真におさめてプレゼントしてくれた。
その1枚に、”Lovely Jobly”と書いてくれていたのだ。
素敵な仕事ぶり、という意味だと後で調べてわかった。
とても嬉しかった。
花屋で働き始めて4年が経っていた。
いつか終わりが来る、終わりにしないといけない、とわかっていた日々が終わろうとしていた。
見出し画像はみんなのフォトギャラリーよりお借りしています。
caeser_skyさん、ありがとうございます。