血で血を洗う夜のスーパー、夕飯を勝ち取るために。判断ミス、それすなわち死。
300円のかつ丼弁当か、150円のカップラーメン2つか。
カロリーが多いのはどっちだ、僕を満足させてくれるのはどっちだ。
いかに安く、かつ、多くのカロリーを摂取することができるか。
静かな睨み合いは、誰にも気づかれないまま、総菜コーナーとカップラーメン売り場の間に、深い亀裂を作っている。
スーパーマーケットでは常に、値段と質との繊細な交渉が静かに勃発する。
タンパク質が多いのがいいのか、糖質が少ないのがいいのか。
白い、あのラベルは、ただ、無慈悲に、成分表記を突き付けてくるだけだ。
あいつに血は流れていない。
さあ、戦え。 雑踏と店内放送に紛れ、隠されている真実を勝ち取れ。
エコバックは忘れずに。